相続経験者が【書類の書き方が難しかった】と答えたケースの相続とは│実際に行った手続きや専門家への費用を大公開!

相続手続きで大変だったのは「書類の書き方が難しかったこと」と答えたケースの相続の特徴
- 初めての相続手続きだった人が約70%。
- 土地・建物の相続が78.5%と高く、不動産登記の手続きの複雑さが書類作成の難しさにつながっている。
- 回答者の多くは50~60代で親の相続の相続人として手続きを担当する立場。
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相続手続きで大変だったのは「書類の書き方が難しかった」と答えた方の相続手続きでは、どのような課題があったのでしょうか。
本記事では相続人の構成、相続財産の種類、必要な手続き、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
情報収集が大変だった方の「利用した情報源」「相続財産の種類と割合」「専門家の依頼費用の相場」などが具体的にわかります。
これから相続手続きを進める方や準備を考えている方は是非参考にしてください。
目次
相続手続きで最も大変だったことランキング
今回のアンケート中、相続を経験して大変だったことは何だったか?との問いに対しての回答は、以下のランキングとなりました。
-
- 必要な書類が多かったこと・・・48.10%
- 手続きのために時間が取られたこと・・・35.43%
- 手続き先が複数あること・・・30.43%
- 何をどう進めるべきかを理解するための情報収集・・・30.38%
- 遺産の中身や金額をはっきりさせること・・・19.40%
- 相続人同士の連絡・同意を得ること・・・18.97%
- 書類の書き方が難しかったこと・・・16.68%
- 金銭的な負担が発生したこと・・・16.30%
- その他・・・6.68%
※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。ご了承ください。
相続手続きで多くの人が苦労したのは「必要な書類が多かったこと」(48.10%)でした。戸籍謄本や遺産分割協議書など、必要書類が多岐にわたり、取得にも時間がかかることが負担となっています。次いで「手続きに時間が取られたこと」(35.43%)、「手続き先が複数あること」(30.43%)と続き、金融機関や役所などへの対応の煩雑さが浮き彫りになりました。また、相続手続きをするにあたり、「書類の書き方が難しかったこと」(16.68%
ここからは、「書類の書き方が難しかった」(16.68%)と回答した方について詳しくみていきます。
書類の書き方が難しかったと回答した人の属性
年代別の傾向
書類の書き方が難しかったと回答した人を年代別に見ると、60代(33.88%)が最多で、次に50代(31.60%)、70代(19.54%)、40代(13.03%)、80代(1.95%)という順番でした。近年では親が80代〜90代で亡くなるケースが多く、実際の相続手続きをするのが50代〜60代になることが一般的な世代であり、このゾーンにボリュームが集まったものと考えられます。
誰の相続だったか
被相続人(亡くなった人)は、父・母(82.74%
法定相続人は誰?法定相続分はどういう配分?気になる方は「法定相続分と法定相続人|法定相続人の相続順位や法定相続分の計算方法」へ!
相続の回数
相続の経験については、「初めて」(70.36%)との回答が最多でした。初めての相続は、何をすればよいのか、どこに相談すればよいのか分からず苦労する人が多いと考えられます。2回目(28.01%)の相続でも一定数いることから、1回目の経験があっても、以前の相続から時間が経っていたり、相続する財産の種類や相続人の関係性が異なるため、難易度が変わり、同じ手続きがスムーズに進まない可能性があることが推測されます。
相続財産の額
書類の書き方が難しかったと回答した人の相続財産の総額については、1,000万円~2,000万円が最多で、30.9%となりました。次いで2,000万円~3,000万円(14.3%)で、3,000万円~4,000万円(11.4%)、
相続財産の種類
相続財産の種類は土地・建物(78.5%)の割合が高く、不動産の相続登記には多くの書類が必要であり、評価額の算定などの複雑さが影響していると考えられます。現金・預貯金(73.9%)も多くの人が相続した財産の一つですが、金融機関ごとに異なる手続きや必要書類の多さから難しく感じた人が多かった可能性があります。次に生命保険(29.6%)、株・投資信託(19.2%)、山林・農地(15.3%)、自動車(12.1%)と続きました。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
相続財産はどういうものをいうのだろう?気になる方は「相続財産になるもの・ならないものを一覧でわかりやすく解説」へ
遺産分割の方法
遺産分割の方法については、遺産分割協議で分けた(50.8%)が最多、法定相続分で分けた(34.9%)、遺言書通りに分けた(7.2%)という順でした。ごく少数ながら、揉めていて進んでいない(1.0%)との回答もありました。
遺産分割には法律上のルールがある!「遺産分割とは?遺産分割協議の準備からやり方、トラブルを防ぐためのポイント」
書類の書き方が難しかったと回答した人が実際におこなった手続き
書類の書き方が難しかったと回答した人はどんな方法で情報を取得し、手続きをおこなったのか詳しくみていきたいと思います。
利用した・役に立った情報源
相続に関する情報源として最も多く利用されたのは、インターネット検索(40.7%) であり、多くの人がオンラインで情報を収集していることがわかります。続いて、法務局(35.5%)、市区町村の窓口(27.4%)、銀行・証券会社など金融機関(24.1%) も高い割合を占めました。
司法書士事務所(21.8%)、税理士事務所(13.7%)、行政書士事務所(11.7%)、弁護士事務所(3.6%) などの専門家への相談も一定数見られ、相続手続きにおいて専門的なサポートを求める人が多いことがわかります。家族・親戚(20.8%)や友人・知人(12.7%) からの助言も一定の割合で活用されており、身近な人からの情報も重要な情報源となっていることがわかります。
葬儀社(17.3%)、年金事務所(15.6%)、税務署(15.3%) などの公的機関や関連機関も一定の割合で利用されており、相続手続きの流れの中で関与する場面が多いと考えられます。一方で、テレビ(5.5%)、新聞(6.5%)、ラジオ(2.3%)、YouTubeなどの配信動画(6.5%)、SNS(2.6%) などのメディアを活用する人は比較的少ない結果でした。雑誌・本(10.1%) は一定の割合で活用されており、書籍を通じて情報収集する人もいることがわかりました。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
実際の手続き
書類の書き方が難しかったと回答した人が実際におこなった相続手続きは不動産の名義変更(相続登記)(65.5%)、銀行解約・名義変更(63.5%)、戸籍収集(61.2%)が高い割合で上位を占めました。遺産分割協議(48.9%)、遺産分割協議書の作成(47.2%)、相続関係説明図の作成(41.7%)なども比較的高い割合でした。相続税の申告(31.9%)は、相続税は課税対象者が限られるため、手続きをする人が割合的には少なくなりますが、実際に申告をする場合は専門的な知識が必要となるため、書き方が難しいと感じる方が多いと考えられます。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
書類の書き方が難しかったと回答した人が実際に依頼した専門家と費用
書類の書き方が難しかったと回答した人はどんな専門家に手続き依頼し、またどのくらいの費用がかかったのかを詳しく見ていきます。
依頼した専門家
半数近く(47.8%)が専門家に依頼せずに手続きを進めたことがわかりました。専門家に依頼した場合、最も高いのが「司法書士」を利用した割合で22.8%。「行政書士」(12.4%)、「税理士」(11.5%)、「弁護士」(3.7%)という結果でした。
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専門家に依頼した内容
専門家への依頼が多い手続きは多い順で不動産の名義変更(相続登記)(65.2%)、遺産分割協議書の作成(41.1%)、相続税の申告(31.2%)、相続関係説明図の作成(29.1%)、相続財産の調査(26.2%)、相続財産目録の作成(25.5%)と続きました。遺言書の検認(
専門家に支払った金額
専門家に支払った費用は10万円~20万円(
書類の書き方が難しかったと回答した人の自分の相続対策
書類の書き方が難しかったと回答した人の自分の相続対策への意向について、とても考えるようになった(43.32%)、少し考えるようになった(43.32%)と、合わせて約86%の人が相続対策を考えるようになったことがわかりました。
書類の書き方の困難さを経験したことで、自分の相続の際には家族が困らないように、事前に整理・対策をしておこうと考えるようになった人が多いと考えられます。
具体的にどんな相続対策を検討したいかとの問いに対しては、不動産の整理や活用(29.32%)、遺言書作成の検討(28.01%)、生前贈与の検討(
まとめ
相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。
本調査では、相続手続きの流れや必要な手続きを把握するのが難しく苦労したとの回答が多くありました。専門家への依頼も手続き内容によって大きく異なりました。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
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40代 | 13.4% |
50代 | 24.4% |
60代 | 38.1% |
70代 | 22.4% |
80代 | 1.7% |
北海道・東北 | 15.1% |
関東 | 22.0% |
中部 | 20.8% |
関西 | 15.7% |
中国・四国 | 13.4% |
九州・沖縄 | 13.0% |
会社員 | 19.9% |
経営者・役員 | 4.0% |
公務員 | 4.3% |
派遣・契約社員 | 6.1% |
自営業・自由業 | 10.0% |
専業主婦/主夫 | 16.2% |
パート・アルバイト | 11.9% |
無職 | 26.6% |
その他 | 0.9% |
配偶者 | 6.9% |
父・母 | 82.4% |
祖父・祖母 | 2.7% |
兄弟・姉妹 | 3.7% |
叔父・叔母 | 3.1% |
子 | 0.5% |
甥・姪 | 0.1% |
いとこ | 0.1% |
その他 | 0.6% |
1人 | 11.4% |
2人 | 34.8% |
3人 | 36.4% |
4人 | 11.9% |
5人以上 | 5.5% |
1,000万円未満 | 13.2% |
1,000万円以上~2,000万円未満 | 33.6% |
2,000万円以上~3,000万円未満 | 13.0% |
3,000万円以上~4,000万円未満 | 10.6% |
4,000万円以上~5,000万円未満 | 5.4% |
5,000万円以上~8,000万円未満 | 9.2% |
8,000万円以上~1億円未満 | 2.4% |
1億円以上2億円未満 | 8.1% |
2億円以上 | 0.9% |
無回答 | 3.7% |
調査期間 | 2024/12/16~2024/12/26 |
調査対象者 | 過去4年以内に手続きを経験された方(現在手続き中の方も含む) |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,851名 |
調査主体 | いい相続(株式会社鎌倉新書) |
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