相続経験者が【手続きのために時間が取られた】と答えたケースの相続とは│実際に行った手続きや専門家への費用を大公開!

相続手続きで大変だったのは「手続きのために時間が取られたこと」と答えたケースの相続の特徴
- 50~60代の人が手続きに時間を取られて大変だった人と回答。
- 相続財産は1,000万~2,000万円が最多で、預貯金や不動産の手続きに時間がかかった。
- 約7割が初めての相続経験者で、手続きの流れや必要書類が分からず苦労するケースが多い。
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相続手続きで大変だったのは「手続きのために時間が取られた」ことと答えた方の相続手続きでは、どのような課題があったのでしょうか。
本記事では相続人の構成、相続財産の種類、必要な手続き、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
情報収集が大変だった方の「利用した情報源」「相続財産の種類と割合」「専門家の依頼費用の相場」などが具体的にわかります。
これから相続手続きを進める方や準備を考えている方は是非参考にしてください。
目次
相続手続きで最も大変だったことランキング
今回のアンケート中、相続を経験して大変だったことは何だったか?との問いに対しての回答は、以下のランキングとなりました。
-
- 必要な書類が多かったこと・・・48.10%
- 手続きのために時間が取られたこと・・・35.43%
- 手続き先が複数あること・・・30.43%
- 何をどう進めるべきかを理解するための情報収集・・・30.38%
- 遺産の中身や金額をはっきりさせること・・・19.40%
- 相続人同士の連絡・同意を得ること・・・18.97%
- 書類の書き方が難しかったこと・・・16.68%
- 金銭的な負担が発生したこと・・・16.30%
- その他・・・6.68%
※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。ご了承ください。
相続手続きで多くの人が苦労したのは「必要な書類が多かったこと」(48.10%)でした。戸籍謄本や遺産分割協議書など、必要書類が多岐にわたり、取得にも時間がかかることが負担となっています。次いで「手続きに時間が取られたこと」(35.43%)、「手続き先が複数あること」(30.43%)と続き、金融機関や役所などへの対応の煩雑さが浮き彫りになりました。
ここからは、2番目に多かった「手続きのために時間が取られたこと」(16.68%)が大変だったと回答した方について詳しくみていきます。
時間が取られて大変だったと回答した人の属性
年代別の傾向
年代別に見ると、60代(36.04%)が最多で、次に50代(27.45%)、70代(20.40%)、40代(14.11%)、80代(1.99%)という順番でした。近年では親が80代〜90代で亡くなるケースが多く、実際の相続手続きをするのが50代〜60代になることが一般的な世代であり、日中は仕事をしている人が多いと想定できることから、時間が取られて大変だったとの感想が多かったと考えられます。
誰の相続だったか
被相続人(亡くなった人)は、父・母(81.29%
法定相続人は誰?法定相続分はどういう配分?気になる方は「法定相続分と法定相続人|法定相続人の相続順位や法定相続分の計算方法」へ!
相続の回数
相続の経験については、「初めて」(66.72%)との回答が最多でした。初めての相続は、何をすればよいのか、どこに相談すればよいのか分からず苦労する人が多いと考えられます。2回目(29.45%)の相続でも一定数いることから、1回目の経験があっても、以前の相続から時間が経っていたり、相続する財産の種類や相続人の関係性が異なるため、難易度が変わり、同じ手続きがスムーズに進まない可能性があることが推測されます。
相続財産の額
時間が取られて大変だったと回答した人の相続財産の総額については、1,000万円~2,000万円が最多で、32.7%でした。次いで2,000万円~3,000万円(13.5%)、
相続財産の種類
相続財産の種類として最も多かったのは現金・預貯金(79.8%)、次いで、土地・建物(74.2%) の割合が高い結果となりました。生命保険(32.2%)、株・投資信託(19.8%)、山林・農地(14.9%)、自動車(11.7%) も相続財産として一定の割合を占めています。一方、電子マネー(2.0%)、仮想通貨(0.5%) は本アンケートでは少数派でしたが、近年のデジタル資産の増加に伴い、今後相続時の手続きの複雑さが課題になる可能性があります。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
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遺産分割の方法
遺産分割の方法について、最も多かったのは遺産分割協議で分けた(48.5%) でした。次いで、法定相続分で分けた(37.6%) が多い結果となりました。一方で、遺言書通りに分けた(5.2%) は比較的少なく、遺言書を用意している相続が少ないことが推測されます。また、揉めていて進んでいない(1.5%)、裁判に発展したケース(1.5%) もあり、一部では相続トラブルが発生していることがわかります。
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時間が取られて大変だったと回答した人が実際におこなった手続き
時間が取られて大変だったと回答した人はどんな方法で情報を取得し、手続きをおこなったのか詳しくみていきたいと思います。
利用した・役に立った情報源
相続に関する情報源として最も多く利用されたのは、インターネット検索(39.1%) でした。次いで、法務局(20.2%)、市区町村の窓口(22.5%)、銀行・証券会社など金融機関(23.9%) も高い割合を占め、公的機関や金融機関も情報源として利用していることがわかります。
また、司法書士事務所(26.5%)、税理士事務所(19.9%)、行政書士事務所(12.1%)、弁護士事務所(6.4%) などの専門家への相談も一定数見られ、相続手続きにおいて専門的なサポートを求める人が多いことがわかります。さらに、家族・親戚(18.6%)、友人・知人(7.4%) からの助言も一定の割合で活用されており、身近な人からの情報も相続の際に役立てられています。
一方で、葬儀社(14.6%)であったり、年金事務所(14.7%)、税務署(10.7%) などの公的機関も一定の割合で利用されており、相続手続きの流れの中で関与する場面が多いと考えられます。テレビ(4.6%)、新聞(3.8%)、ラジオ(1.5%)、YouTubeなどの配信動画(4.1%)、SNS(2.0%) などのメディアを活用する人は比較的少ない結果でしたが、雑誌・本(8.9%) は一定の割合で活用されており、書籍を通じて情報収集する人もいることがわかりました。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
実際の手続き
「時間が取られて大変だった」と回答した人が実際に行った相続手続きとして、最も多かったのは銀行解約・名義変更(66.3%) でした。次いで、戸籍収集(63.0%)、不動産の名義変更(相続登記)(59.7%) も高い割合を占めており、これらが相続における主要な手続きとなっていることがわかります。また、遺産分割協議(49.2%)、遺産分割協議書の作成(42.9%)、相続関係説明図の作成(35.7%)、相続財産の調査(30.7%) なども比較的多くの人が行っており、相続人同士の話し合いや財産の整理が必要なケースが多いことを示しています。
一方、相続税の申告(27.5%) は、相続税が課税される対象者が限られるため、他の手続きと比較すると割合は低めですが、申告を行う場合には専門的な知識が必要なため、時間が取られて大変だったと感じる人が多いと考えられます。その他の手続きとしては、証券会社の解約・名義変更(19.0%)、遺言書の検認(7.4%)、家族信託手続き(2.3%) などがありました。特に家族信託手続きはまだ一般的ではなく、実施する人は少数にとどまっています。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
時間が取られて大変だったと回答した人が実際に依頼した専門家と費用
時間が取られて大変だったと回答した人はどんな専門家に手続き依頼し、またどのくらいの費用がかかったのかを詳しく見ていきます。
依頼した専門家
専門家に依頼した場合、最も高いのが「司法書士」(25.6%)でした。次に「税理士」(16.6%)、「行政書士」(11.7%)、「弁護士」(5.0%)と続きました。また、39.7%が専門家に依頼せずに手続きを進めたことがわかりました。
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専門家に依頼した内容
専門家に依頼した手続きで最も多かったのは、不動産の名義変更(相続登記)(62.8%) でした。相続登記は必要書類が多く、専門的な知識が必要となるため、専門家に依頼するケースが多いと考えられます。次に多かったのは、遺産分割協議書の作成(42.6%) でした。これは内容等に不備のないよう専門家へ依頼した可能性が高いと考えられます。
相続税の申告(34.7%) も多くの人が専門家に依頼しており、相続税の申告期限(10か月以内)に間に合わせる必要があるため、正確な申告書類を作成するために専門家のサポートを受けたことが推測されます。その他、相続財産目録の作成(31.8%)、戸籍収集(29.8%)、相続関係説明図の作成(28.7%)、相続財産の調査(23.9%) なども専門家に依頼された手続きとして挙げられました。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
専門家に支払った金額
専門家に支払った費用で最も多かったのは10万円~20万円(13.50%) であり、次いで10万円未満(10.28%) でした。これらを合わせると、約2割の人がこの範囲に収まっていることがわかります。さらに、20万円~30万円(7.06%)、30万円~40万円(3.99%)、40万円~50万円(4.14%) などを含めると、50万円以内で収まった人が約3割 となり、多くのケースでこの範囲の費用負担にとどまっていることがわかります。一方で、100万円以上支払った人は6.75% となっており、比較的少数派ですが、相続財産が多い場合の相続税申告や相続争いを依頼した場合に高額になる傾向がある ことが考えられます。
時間が取られて大変だったと回答した人の自分の相続対策
時間が取られて大変だったと回答した人の自分の相続対策への意向について、とても考えるようになった(40.95%)、少し考えるようになった(42.94%)と、合わせて約84%の人が相続対策を考えるようになったことがわかりました。
相続手続きで時間が取られて大変だったと経験したことで、自分の相続の際には家族が困らないように、事前に整理・対策をしておこうと考えるようになった人が多いと考えられます。
具体的にどんな相続対策を検討したいかとの問いに対して、最も多かったのは遺言書作成の検討(27.30%) でした。次いで、不動産の整理や活用(25.46%)、生命保険を活用した相続対策(25.46%)、生前贈与の検討(22.70%) となり、これらの対策に関心を持つ人が多いことがわかります。一方で、家族信託を検討(3.83%)、成年後見を検討(5.21%) という回答は比較的少数派でした。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
まとめ
相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。
本調査では、相続手続きの流れや必要な手続きを把握するのが難しく苦労し、時間がとられたとの回答が多くありました。専門家への依頼も手続き内容によって大きく異なりました。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
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40代 | 13.4% |
50代 | 24.4% |
60代 | 38.1% |
70代 | 22.4% |
80代 | 1.7% |
北海道・東北 | 15.1% |
関東 | 22.0% |
中部 | 20.8% |
関西 | 15.7% |
中国・四国 | 13.4% |
九州・沖縄 | 13.0% |
会社員 | 19.9% |
経営者・役員 | 4.0% |
公務員 | 4.3% |
派遣・契約社員 | 6.1% |
自営業・自由業 | 10.0% |
専業主婦/主夫 | 16.2% |
パート・アルバイト | 11.9% |
無職 | 26.6% |
その他 | 0.9% |
配偶者 | 6.9% |
父・母 | 82.4% |
祖父・祖母 | 2.7% |
兄弟・姉妹 | 3.7% |
叔父・叔母 | 3.1% |
子 | 0.5% |
甥・姪 | 0.1% |
いとこ | 0.1% |
その他 | 0.6% |
1人 | 11.4% |
2人 | 34.8% |
3人 | 36.4% |
4人 | 11.9% |
5人以上 | 5.5% |
1,000万円未満 | 13.2% |
1,000万円以上~2,000万円未満 | 33.6% |
2,000万円以上~3,000万円未満 | 13.0% |
3,000万円以上~4,000万円未満 | 10.6% |
4,000万円以上~5,000万円未満 | 5.4% |
5,000万円以上~8,000万円未満 | 9.2% |
8,000万円以上~1億円未満 | 2.4% |
1億円以上2億円未満 | 8.1% |
2億円以上 | 0.9% |
無回答 | 3.7% |
調査期間 | 2024/12/16~2024/12/26 |
調査対象者 | 過去4年以内に手続きを経験された方(現在手続き中の方も含む) |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,851名 |
調査主体 | いい相続(株式会社鎌倉新書) |
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