相続経験者に聞いた【相続人が1人】の相続とは│実際に行った手続きや情報収集方法を大公開!
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相続人が1人の場合の相続の特徴
- 相続人が1人の場合でも、書類の多さや手続き先の多さが負担。
- 約半数が専門家を依頼せず、司法書士や税理士の利用が多い。
- 生前に財産を整理しておけばよかったとの準備不足への後悔も。
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相続人が1人の場合の相続手続きでは、どのような課題があったのでしょうか。
本記事では相続人の構成、相続財産の種類、必要な手続き、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
「相続人が1人の場合の相続でおこなった手続き」「相続財産の種類と割合」「専門家の依頼費用の相場」などが具体的にわかります。
これから相続手続きを進める方や準備を考えている方は是非参考にしてください。
相続人が1人のケースの相続人の続柄
相続人の人数が1人の場合、最も多いのは「父・母」の相続であり全体の80%以上を占めています。配偶者が亡くなって相続人が1人となるケース(6.16%)は少数でした。子供がいない夫婦で配偶者が亡くなった場合、被相続人の親や兄弟姉妹が法定相続人になるため、配偶者単独での相続が少ないと考えられます。兄弟姉妹が相続するケース(7.11%)が一定数あることから、被相続人に配偶者も子も親もいない場合があったことがわかります。
相続人が1人だけになるケースは、主に以下のような場合が考えられます。
- 配偶者のみの場合(子どもも親も兄弟姉妹もいない場合)
- 一人っ子で両親が亡くなった場合
- 遺言で特定の人に全財産を相続させる場合
- 相続放棄により唯一の相続人が残る場合
法定相続人は誰になるの?気になる方は「法定相続分と法定相続人|法定相続人の相続順位や法定相続分の計算方法」へ!
相続人の年代の分布
相続人が1人のケースにおいて、その相続人の年代分布は、60代(42.65%)が最も多く50代(25.59%)、70代(16.59%)、40代(14.69%)と続きました。80代以上(0.47%)は極めて少ないため、日本では相続が発生するのは主に50代~60代であることが分かります。70代も一定数あることから、親の寿命が長くなり、相続が発生するタイミングが後ろ倒しになっているためと考えられます。
地域の比較
地域ごとに相続人が1人になるケースを比較すると、比較的多い地域は、首都圏(18.01%)、北関東・信越(17.54%)、北海道・東北(15.64%)でした。相続人が1人になるケースが少ない地域は、九州・沖縄(11.85%)、中国・四国(9.48%)でしたが、大きな差はなく、どの地域でも発生していることがわかりました。
相続人が1人のケースの相続人の相続財産の額と種類
相続人が1人のケースの相続人の相続財産の額は、全体の約3分の1が1,000万円~2,000万円(34.12%)の範囲に集中しています。1,000万円未満が12.32%であることから相続財産が2,000万円未満のケースが全体の約46%を占めました。
相続財産の種類は現金・預貯金(34.5%)と土地・建物(33.3%)がほぼ同程度の割合でした。生命保険(12.4%)、株・投資信託(8.2%)、山林・農地(5.2%)、自動車(4.7%)と続きました。電子マネー(1.4%)や仮想通貨(0.2%)は高齢者の資産としての普及率が低いため、相続時に引き継がれるケースが少ないと考えられます。
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相続人が1人のケースの相続手続き
初めての相続が全体の約64%を占め、ほとんどの人にとって相続は初めての経験であることがわかります。2回目(30.95%)との回答は約3割でした。3回目(4.29%)、4回目(0.95%)、5回目以上(0.00%)と、3回目以上の相続経験者は5.24%とごく少数であり、このことから、相続は一生のうちに数回しか経験しない出来事であることを反映しています。
相続に対する理解度
大体は理解していた(45.71%)との回答が最多で、基本的な知識は持っていたが詳細までは分からない人が多いことがうかがえます。あまり理解していなかった(20.48%)、ほとんど何も分からなかった(14.29%)と約3人に1人が相続についてほぼ知らない状態だったことがわかりました。相続は頻繁に経験するものではなく、事前に学ぶ機会が少ないため、手続き時に戸惑う人が多いと考えられます。
相続に利用した・役に立った情報源
相続に利用した・役に立った情報源としては、インターネット検索(12.0%)が最も高い割合を占めていました。市区町村の窓口(9.4%)、法務局(7.2%)、税務署(4.8%) など、公的な機関が一定数利用されています。司法書士(7.2%)、税理士(7.2%)、行政書士(5.0%)、弁護士(2.0%) などの専門家への相談も比較的多いことがわかりました。葬儀社(5.2%) や 銀行・証券会社(9.4%) も多く利用されているため、葬儀から相続手続きの流れの中で自然と関与することが多いと考えられます。
専門家への依頼状況
相続人が1人のケースでは、半数以上が専門家を依頼せずに手続きを完了していることがわかりました。相続人が1人の場合、遺産分割協議が不要であるため、手続きが比較的シンプルで、そのため、自力で進める人が多くなることが考えられます。
ただし、半数は何らかの専門家に依頼しています。司法書士(36.4%)の利用が最多で、遺産に不動産が含まれている場合、司法書士への依頼が増えることが推測されます。2024年4月から「相続登記の義務化」が施行された影響で、今後さらに利用率が高まる可能性があります。税理士(26.5%)の利用も高く、相続税申告が発生する場合に依頼するものと考えられます。行政書士の利用(19.8%)は、税理士より少し低めですが一定の割合を占めます。これは、相続手続きの書類作成サポートを求めるニーズがあると考えられます。弁護士(8.6%)の利用は比較的少ないですが、相続放棄や、企業経営者の相続など、複雑なケースでは利用されることもあります。
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専門家の費用
最も多いものから、10万円未満(24.41%)、10万円~20万円(17.32%)、20万円~30万円(14.96%)という順番でした。これらを合計すると56.69%で、30万円以下であった人が半数以上を占めました。一方、50万円以上の人を合計すると28.98%と、約3割が高額費用を支払っていることがわかります。相続税がかかる財産が多いケースや、不動産が複数ある場合は高額になりやすい傾向があります。
手続きにかかった期間
手続きにかかった期間は、3か月未満(43.33%)、3か月~6か月未満(28.57%)と、約7割(71.90%)が半年以内に相続手続きが完了していることがわかります。相続人が1人であるため、遺産分割協議などが不要であり、比較的スムーズに進みやすいことが背景にあると考えられます。6か月~9か月未満(10.00%)、9か月~1年未満(7.14%)と、6か月~1年かかるケースも一定数存在することから、相続税の申告期限は「相続開始から10か月以内」のため、税理士に依頼した相続税申告が関与している可能性があります。
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相続人が1人のケースの相続手続きで大変だったこと
相続人が1人のケースの相続手続きで大変だったこととして、必要な書類が多かったこと(24.0%)、手続きのために時間が取られたこと(16.9%)、手続き先が複数あること(16.1%)が多く回答されました。何をどう進めるべきかを理解するための情報収集(14.6%)が大変だったと感じた人も比較的多い回答でした。
生前にやっておけばよかったこと
生前にやっておけばよかったこととして、元気なうちに相続について相談(19.4%)、財産を記録・整理しておく(17.3%)、相続税対策をしておけばよかった(15.1%)、もっと勉強しておくべきだった(13.7%)、生前贈与をしてもらえばよかった(12.9%)という意見も多くみられました。相続手続きをスムーズに進めるために、「財産の整理」と「事前相談」が重要と考える人が多いことがわかりました。
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まとめ
相続は人それぞれの事情により異なります。相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用もそれぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。
相続人が1人のケースでは、手続きが比較的シンプルながらも、書類の多さや手続き先の多さが負担との回答が目立ち、半数程度は専門家へ手続きを依頼しています。生前に財産整理や相続の相談をしておけばよかったとの後悔があったようです。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
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