贈与税の申告や納税はいつまで?申告が必要な場合と不要な場合の違いや納付方法
親や祖父母等から贈与を受けた場合に、贈与税の申告は必要と聞いたことはあるけれど、どうやって申告すればよいのか、そもそもいつ申告したらいいのか分からないことが多いでしょう。
この記事では、そのような疑問を解消していただくために贈与税の申告についてわかりやすく説明します。
この記事を書いた人
鎌倉新書にパートタイマーとして入社。2020年チャレンジ制度をクリアし正社員に。
目前に控えたシニアライフを楽しく過ごすため、情報集めに奔走するアラカン終活ライター
資格:日商簿記1級・証券外務員二種・3級FP技能士
贈与税の申告と納税はいつまで?
贈与税の申告期間は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までです。
納税の期限は、申告期間の最終日である3月15日です。
贈与税の申告は誰がする?
贈与税の申告は誰が行わなければならないのでしょうか?
贈与税を納付しなければならないのは、財産をあげた贈与者ではなくもらった受贈者です。
したがって、贈与税の申告も贈与者ではなく、受贈者が行います。
なお、税の申告は税理士に依頼することができます。
贈与税の申告が必要な場合と不要な場合
贈与を受けた場合は、必ず贈与税の申告を行わなければならないわけではありません。
法人からの贈与は、贈与税ではなく、所得税と住民税の課税対象となります。
贈与税の課税対象となるのは、個人から贈与を受けた場合です。
そして、贈与税の申告を行わなければならないのは、次の場合です。
- 暦年課税を適用する場合で、贈与の額が110万円を超える場合
- 相続時精算課税を適用する場合
1.暦年課税を適用し110万円を超える場合
暦年課税方式とは、1月1日から12月31日までの1年間にその者が贈与された財産について課税する方式です。
相続時精算課税を選択した場合以外は、この暦年課税方式によって課税されます。
暦年課税方式の場合は、毎年110万円の基礎控除枠が設定されているため、1年間に贈与を受けた額の合計が110万円以下だった場合は、贈与税はかからず、申告も不要です。
2.相続時精算課税を適用する場合
相続時精算課税制度を利用する場合、受贈者は贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までの間に「相続時精算課税選択届出書」を提出したうえで、贈与税の申告を行います。
相続時精算課税とは、親や祖父母から贈与を受けた場合に、贈与者1人につき贈与を受けた財産の価額が累計で2500万円に達するまで贈与税を非課税にし、代わりに相続時に相続税の課税対象とする制度のことです。年110万円まで基礎控除があり、年110万円以下の贈与であれば贈与税がかからず、かつ2500万円の累計に含める必要がありません。
なお、暦年課税制度と相続時精算課税制度についての詳細は「孫へ生前贈与する方法|暦年課税制度と相続時精算課税制度、教育資金、結婚資金、住宅資金の非課税枠」を参照してください。
贈与税の申告方法
贈与税の申告方法には次の4つがあります。
- 税務署に持参して直接申告する
- 郵送で申告する
- e-Tax(イー・タックス)で申告する
- 税理士に依頼して申告する
なお、申告は、受贈者の住所地を所轄する税務署宛に行います。
贈与税申告の必要書類
贈与税の申告に必要な書類は、基本的には贈与税申告書と本人確認のみです(申請内容によって別途書類が必要になります。詳しくは後述します)。
本人確認は、郵送の場合、マイナンバーカード・免許証等の本人確認書類のコピーの添付が必要ですが、税務署で提出する場合は提示で事足ります。
贈与税申告書には、いくつかの種類があり、申告内容によって使用する申告書が異なります。詳しくは下表をご参照ください。
贈与税の申告書一覧
e-Tax以外で申告する場合の内容別申告書一覧です。
申告の内容 | 使用する申告書 |
---|---|
暦年課税のみを申告する人 | 第一表 |
相続時精算課税のみを申告する人 | 第一表と第二表 |
暦年課税と相続時精算課税の両方を申告する人 | 第一表と第二表 |
住宅取得等資金の非課税と暦年課税を申告する人 | 第一表と第一表の二 |
住宅取得等資金の非課税と相続時精算課税を申告する人 | 第一表と第一表の二と第二表 |
相続時精算課税の適用を受ける場合
相続時精算課税の適用を受ける場合は、主に次の書類の添付が必要です。
- 相続時精算課税選択届出書
- 受贈者の戸籍の謄本か抄本
- 受贈者の戸籍の附票の写し(受贈者が平成7年1月3日以後に生まれた人である場合は不要)
- 贈与者の住民票の写し(戸籍の附票の写しなど)
贈与税の納付方法
納付手続は、以下の方法から自分で選択します。
- ダイレクト納付
- インターネットバンキング
- 国税クレジットカードお支払サイト
- スマホアプリ
- コンビニエンスストア
- 金融機関又は税務署の窓口
1.ダイレクト納付
e-Taxで申告書を提出した場合に利用できる、口座引落しにより電子納付する方法です。
利用する際には、事前に専用の届出書をe-Taxで提出する必要があり1か月程度かかります。
2.インターネットバンキング
インターネットバンキングやペイジー対応の金融機関のATMなどを利用する方法です。
事前に税務署へe-Taxの利用開始手続をする必要があります。
3.国税クレジットカードお支払サイト
国税クレジットカードお支払サイトから納付する方法です。
クレジットカードで納付したい場合に利用できます。決済手数料がかかります。
4.スマホアプリ
スマートフォンでアプリ決済する方法です。納付できる金額は30 万円以下で、事前に残高チャージが必要です。
5.コンビニエンスストア
納付に必要な情報をQRコードを、確定申告書等作成コーナーや国税庁ホームページのコンビニ納付用QRコード作成専用画面から作成し、コンビニエンスストアで納付する方法です。
利用可能なコンビニエンスストアは、「ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ、ファミリーマート」で、対応できない店舗もあります。
6.金融機関又は税務署の窓口
金融機関又は所轄の税務署の窓口で、現金で納付する方法です。納付書が必要です。
まとめ
以上、贈与税の申告や納付について説明しました。
贈与税には納付期限がありますが、納付を遅延すると延滞税がかかりますので期限は守りましょう。
贈与税を税理士に依頼したい場合は、相続税にも精通した税理士に、相談してみることをお勧めします。
いい相続では全国各地の相続の専門家と提携しており、お近くの専門家との無料相談をご案内することが可能です。お困りの方はお気軽にご相談ください。
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