登記申請書の書き方は?記載例や必要書類、作成のポイントを解説
不動産を相続した場合、相続登記の手続きをすることになります。
相続登記には登記申請書の作成が必要です。そのほかにも戸籍謄本や固定資産評価証明書などもあわせて用意します。
登記申請書に不備があるとスムーズに名義変更ができないため、正しい書き方を把握しておきましょう。
今回は、相続登記の登記申請書の書き方や必要書類について解説します。
登記申請書とは
登記申請書とは、相続登記など登記する際に法務局に提出する書類です。登記には相続登記のほか、土地地目変更登記や所有権保存登記などがあります。
相続登記とは
相続登記とは、相続によって不動産を取得した場合に名義変更する手続きです。
登記申請書はどこでもらえる?
登記申請書は専用の用紙はありません。したがって自分で用意する必要があります。
登記申請書は法務局ホームページから様式と記載例をダウンロードできます。登記内容に応じた申請書を使用しましょう。
▼めんどうな相続手続きは専門家に依頼しましょう▼登記申請書の書き方
登記申請書はパソコンで作成しても手書きでも問題ありません。記載例は以下の通りです。
登記の目的
被相続人が単独で所有している不動産を相続する場合は「所有権移転」と記載します。単独所有ではなく、不動産の共有持分を相続した場合は「〇〇(被相続人の名前)持分全部移転」となります。
ケースによっては書き方が異なる場合があるので、不明点があるときは専門家に相談するか、法務局の登記相談を利用すると良いでしょう。
原因
相続登記の場合は、被相続人の死亡日を記載します。
相続人
まずは被相続人の氏名を書き、その下に相続人の住所と氏名、連絡先を記入します。
添付情報
添付情報には、登記申請書に添付する書類の内容を記載します。記載例には登記原因証明情報と住所証明情報となっています。
登記原因証明情報
登記原因証明情報は、登記の原因となる事実が発生したことを示す書類です。
登記識別情報の通知希望の有無
登記識別情報通知希望の有無を記載します。特に事情がなければ、通知を受けてよいでしょう。
申請日、申請する法務局
申請書を提出する日を申請日として記載します。申請する法務局の欄には、不動産の所在地を管轄している法務局を記載します。
課税価格
課税価格は固定資産評価額から1,000円未満を切り捨てた金額を記載します。固定資産評価額は、固定資産評価証明書や固定資産税の通知書で確認できます。
登録免許税
登録免許税額は原則、課税価格の0.4%ですが、異なる場合もあるので注意して計算しましょう。
不動産の表示
登記事項証明書を取得し情報を転記しましょう。土地は、不動産番号、所在、地番、地目、地積を記載します。建物は、不動産番号、所在、家屋番号、種類、構造、床面積などを記載します。
収入印紙(用紙に貼り付け)
以上で登記申請書の記載は完了しましたが、次にA4サイズの白紙を用意して、登録免許税分の収入印紙を貼ります。収入印紙に押印する必要はありません。
収入印紙は郵便局やコンビニで購入できるほか、法務局の収入印紙売り場でも購入可能です。
▼まず、どんな相続手続きが必要か診断してみましょう。▼相続登記の必要書類
相続登記に必要な書類は、遺言書がある場合などで変わってきます。
書類名 | 発行場所 | 発行手数料 | |
---|---|---|---|
法定相続による相続 (どのケースでも必要) |
被相続人の出生から死亡までの戸籍一式 | 本籍地の市区町村役場 | 一通450~750円 |
被相続人の戸籍附票 | 一通300円 | ||
被相続人全員の戸籍 | 一通450円 | ||
新たに登記名義人となる相続人の戸籍附票 | 一通300円 | ||
固定資産評価証明書もしくは固定資産税課税証明書 | 固定資産評価証明書は不動産所在地の市区町村役場 固定資産税課税証明書は毎年自治体から自宅に届く |
固定資産評価証明書は一通300円 | |
収入印紙 | 郵便局、コンビニなど | 登録免許税の金額分 | |
登記申請書 | 法務局窓口もしくは法務局ホームページ | ||
返信用封筒 | 郵便局、コンビニなど | 100~520円程度 | |
遺産分割協議を行った場合 | 遺産分割協議書 | ||
印鑑証明書 | 相続人の住所地の市区町村役場 | 一通300円 | |
遺言書がある場合 | 遺言書 | 公正証書遺言は公証役場 | 公正証書遺言は再発行が可能 一通250円 |
相続放棄をした人がいた場合 | 相続放棄申述受理通知書 | 相続放棄の手続きを行った家庭裁判所 | 一通150円 |
必要書類の綴じ方
登記申請書や必要書類の準備ができたら、最後に書類を綴じます。登記申請書を一番上にして、以下の順番で重ねるのが一般的です。
- 登記申請書、収入印紙貼付台紙
- 委任状(代理申請する場合)、相続関係説明図
- 原本の返却を受ける書類のコピー
- 原本の返却を受ける書類の原本
原本の返却を受けられる書類には、戸籍謄本等や固定資産税評価証明書、印鑑証明書などがあります。これらは原本を返却してもらうためにコピーをとります。
ただし戸籍謄本等については、枚数が多くすべてをコピーして提出するのは大変なので、相続関係説明図の提出をもって原本の返却を受けることができます。
綴じ方は、まず登記申請書と収入印紙貼付台紙を重ねて、ホチキスで綴じます。書類の見開き部分に契印を押します。次に委任状や相続関係説明図がある場合は、上記の書類の下に重ねます。委任状や相続関係説明図はホチキスで綴じずそのままにし、契印もしません。
続いて原本の返却を受ける書類のコピーをホチキスで綴じ、それぞれのページに契印します。一番上の書類には「この写しは、原本と相違ありません」と記載します。
最後に、ここまでの書類をすべてまとめてホチキスで一つに綴じます。書類はかなり厚くなるので、大きいホチキスを使用します。戸籍謄本等やコピーをとった書類の原本はホチキスで綴じずにクリアファイルに入れて提出します。
まとめ
今回は登記申請書について解説しました。課税価格の記載や登録免許税の計算など、一般の人には難しい点も多いはず。
登記申請書の記載に不明点があったり、必要書類の収集が面倒な場合は、専門家に相談するのもひとつの方法です。
いい相続ではお近くの専門家との無料相談をご案内することが可能ですので、相続手続きでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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