相続手続き何が大変? 自分でやるか誰にたのむかの悩みをアンケートと事例で解決!
モノがあふれる今、コトを買う時代に。
忙しい現代人は、日ごろの家事や買い物、掃除もプロに代行を頼むことで自分の時間を捻出、言い換えると、自分の時間を買うことが一般的になってきました。
相続手続きは、民法や税法の知識が必要で、銀行や役所を始め法務局など普段は縁遠い機関とやりとりが発生することもあります。
一生のうち何度も経験することではないのに多くの時間と労力をかけて専門的なことをしなければならなくなったとき、専門家に依頼することは理にかなっていると言えるのではないでしょうか。
この記事では相続手続きのアンケート結果や相続事例を見ながら相続手続きがなぜ大変なのか、理由を解説していきます。
自分でやるべきか、誰かに依頼すべきなのか、迷っている方は是非参考にしてください。
目次
この記事を書いた人
鎌倉新書にパートタイマーとして入社。2020年チャレンジ制度をクリアし正社員に。
目前に控えたシニアライフを楽しく過ごすため、情報集めに奔走するアラカン終活ライター
資格:日商簿記1級・証券外務員二種・3級FP技能士
相続手続きで大変だったことは「何をどう進めるか理解すること」
いい相続では、相続手続きに関して専門家との無料面談を行った方を対象に、アンケートを実施しました。
(詳細は【相続手続きに関する調査結果】遺産相続は、「専門家への相談」と「生前の準備」がカギ!経験者に聞いた、大変だったこと・やっておけばよかったことを参照ください。)
<アンケート回答者の情報>
・対象者:2021年に、「いい相続」経由で専門家(行政書士または税理士)との無料面談を行った方
・回答数:269件
・年齢内訳:20~30代:5.9%、40~50代:63.9%、60~70代:29.4%、80代以上:0.7%
・性別内訳:男性:62.5%、女性:37.5%
結果、相続手続きで大変だったことで群を抜いて多かった回答は以下の2つでした。
- 何をどう進めるべきか理解すること(59.1%)
- 必要な書類が多かったこと(58.4%)
そして、これらの悩みを解決できた理由や解決方法のアンケート結果が次のとおりです。
相続手続きを専門家に相談してよかったことは「手続きを任せられたこと」
専門家に面談して良かったことについて聞くと、以下の3つが上位を占めました。
- 複雑な手続きを任せられたこと(68.4%)
- 疑問や心配が解消されたこと(65.8%)
- 自分の時間や労力をかけずに済んだこと(50%)
アンケート結果からわかったのは、相続で大変なのは相続について理解することだが、専門家に依頼することで不安も手間も解消されるということでした。
なぜ相続手続きが大変だったのか ~相続事例で見てみる~
アンケート結果を見てもまだピンとこないかもしれません。
「相続手続きって言っても、死亡届を出したあと、遺産を分けて終わりでしょ?わざわざお金出して頼む必要なんてないんじゃないの?」
これが多くの方の率直な意見だと思います。
しかし、相続の大変さは、さまざまな法律がからみ、さまざまな知識が必要で、自分が何をすべきか分かっても、その方法がとても専門的であるということなのです。専門家に代行を頼むことでより良い解決ができるケースもたくさんあります。
このことがわかる一つの事例を見てみたいと思います。
相談事例「母が亡くなり存命の父も高齢、手続きを急ぎたい」
自分で手続きをしようとしたら、まずは「セオリー通りの手続き(このケースでは、戸籍調査→相続財産調査→遺産分割協議→遺産分割協議書作成です。)」を調べ、次に何か時間短縮できる方法がないか調べていくことになるでしょう。
方法が分かったあとは、書類を用意し、相続人と連絡を取り合い、時間の都合をつけ、手続きの種類ごとの対応機関へ出向きます。平日しか開いていない機関であれば、働いている相続人は、休暇を取って手続きに行くかもしれません。しかし、書類が足りず、再度足を運ばなくてはならなくなってしまった・・・ということも起こりえます。
この事例では、専門家に相談したことで要望に沿ったアイデアを提示してもらえ、手続き方法などを自分で調べる時間もかからず、実際の手続き自体も専門家に代行を任せることでスピーディーに完了することができました。
もちろん相続手続きは自分でおこなうこともできます。しかし、調べながら不慣れな手続きすることに手間取ってしまい、結果として肝心の「急ぎたい(父が生きている間に終わらないのではないか)」という一番の不安が現実のものとなり、二次相続が発生していたおそれもあるのです。
二次相続
二次相続とは父母のどちらか先に亡くなったときの相続を一次相続、残されたもう一方の親が亡くなったときの相続を二次相続と言います。
▼この相談事例はこちら▼
相続手続きには何があるか
ここで、相続の手続き、期限、手続き場所を一覧にしたものをご紹介します。この一覧はごく一般的なものです。相続手続きと言っても多種多様な手続きがあり、故人の遺産の種類や総額などによって、必要な手続きは大きく変わります。
相続開始日からの期限(目安) | 一般的な手続き | 手続き場所 |
---|---|---|
7日以内 | ①死亡診断書の受け取り | 病院など |
②死亡届と火葬許可申請書の提出 | 役所 | |
14日以内 | ➂健康保険・後期高齢者医療制度・介護保険の資格喪失の手続き(勤め先の健康保険は5日以内) | 役所/健康保険組合など |
④世帯主変更届の提出 | 役所 | |
⑤年金受給停止の手続き | 年金事務所など | |
⑥公共料金や各種サービス等の名義変更・解約などの手続き | 各会社 | |
⑦金融機関への連絡、手続き | 各金融機関 | |
⑧ご遺族の健康保険・年金の手続き | 役所/健康保険組合/年金事務所など | |
3ヵ月以内 | ⑨遺言書の有無の確認、検認 | 自宅/法務局/公証役場など |
➉相続人の調査、戸籍収集 | 役所 | |
⑪相続財産の調査 | 自宅/金融機関など | |
⑫遺産分割協議開始 | – | |
⑬相続放棄・限定承認の申述 | 家庭裁判所 | |
⑭生命保険の受け取りの手続き | 各保険会社 | |
4ヵ月以内 | ⑮被相続人の所得税の準確定申告 | 税務署 |
10ヵ月以内 | ⑯遺産分割協議書の作成 | – |
⑰遺品整理 | 自宅など | |
⑱預貯金・有価証券・不動産等各種名義変更手続き | 金融機関/法務局など | |
⑲相続税の申告 | 税務署 | |
1年以内 | ⑳遺族年金請求書の提出 | 年金事務所など |
㉑未支給年金請求書の提出 | 年金事務所など | |
㉒高額医療費の請求申請 | 役所/健康保険組合など | |
㉓葬祭費、埋葬料の支給請求 | 役所/健康保険組合など |
▼あなたに必要な相続手続きを一分で診断!▼ ▼もっと手続きについて詳しく知りたい方へおすすめの記事はこちら▼
財産を分けるだけなら自分でできる?
先ほど、「相続手続きって言っても、死亡届を出したあと、遺産を分けて終わりでしょ?わざわざお金出して頼む必要なんてないんじゃないの?」 という意見があると書きました。
財産を分けることで揉めているわけではないのに「相続財産のことで困った」ケースの一つをご紹介します。
相談事例:「遠方に住む兄が亡くなった、財産調査をお願いしたい」
突然に親族が亡くなり相続人が故人の財産の全容の把握で手間取り困っているというのも珍しいことではありません。
故人の財産を同居していない親族が調べるのは想像以上に骨の折れることです。
終活という言葉が定着し始めましたが、「遺言を書く」「エンディングノートを書く」などの方法で自分の死後に備えて自分の財産について何がしかの手配や準備しているという方も、まだ多くないようです。
▼この相談事例はこちら▼また、財産がわかっても、相続財産になるのかならないのかの判別をする必要もあります。(相続財産については「相続財産になるもの・ならないものを一覧でわかりやすく解説」を参照)
相続税の対策も検討しておきたいことの一つです。ご自身はどのような相続対策が必要か一度考えてみるのもよいでしょう。
この記事のポイントとまとめ
最後にこの記事のポイントをまとめます。
相続手続きは何をすればいいのか、というところから始まり、どうやったらいいのか、どこへいけばいいのか、何を持っていけばいいのか、など分からないことを調べることが多い。終活といわれる身の回りの片づけをしている人はまだ少なく、故人の財産の全容の把握で手間取る人も多い。相続手続きを専門家に相談し、任せれば、自分の時間を確保し不安から解消される。
相続を開始すると、相続手続き以外にも、葬式の手配、知人や近隣の方への連絡や応対、香典返しの手配、遺品整理、お墓や仏壇の準備などすることがたくさんあり、あっという間に時間が経っていきます。
ひとりでかかえこまず、専門家にサポートしてもらう選択肢があることを是非知ってください。士業には守秘義務があるので他人に知られることはありません。いい相続でしたら、相続手続きの専門家をご紹介を無料でご紹介していますので、お気軽にお問い合わせください。
▼実際に「いい相続」を利用して、行政書士に相続手続きを依頼した方のインタビューはこちら
この記事を書いた人
鎌倉新書にパートタイマーとして入社。2020年チャレンジ制度をクリアし正社員に。
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