相続人代表者指定届とは?提出方法や書き方などを解説
相続が発生し、手続きなどをおこなっているなかで、「相続人代表者指定届」が市町村から届くことがあります。いきなり身に覚えのない書類が届いたら驚きますよね。
相続財産に不動産がある場合は「相続人代表者指定届」を提出する必要があるかもしれません。
この記事では、相続人代表者指定届について、その用途や提出の仕方について解説します。
相続人代表者指定届とは
「相続人代表者指定届」とは、不動産の持ち主が亡くなった場合に、亡くなった人の代わりに固定資産税の納税通知書を受け取る人(相続人代表者)を指定する届け出のことです。
相続人代表者となった人は、その後市町村から送られてくる固定資産税の納税通知書を受け取ることとなります。
固定資産税は毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課されます。誰が不動産を相続するか決まっていなくても、誰かしらが固定資産税を支払わなければなりません。
市役所から通知が届いたら、指定されている期日までに相続人代表者指定届の届け出をしましょう。その市町村の窓口に直接提出するか、郵送で提出します。
期日が指定されていない場合でも、亡くなった12月末までに相続登記を完了できないようであれば、すみやかに相続人代表者指定届を提出したほうがよいでしょう。
相続登記の義務化が決定
相続登記の手続きは令和6年4月1日から義務化されます。
相続によって不動産を取得した相続人は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました。正当な理由がないのに申請を怠ったとき、10万円以下の過料の対象となります。
また、法改正より前に相続した不動産の相続登記が完了していない場合についても改正法の施行日から3年以内に相続登記をする必要があります。
そのため、相続登記をまだしていない人は手続きをおこないましょう。
▼めんどうな相続手続きは専門家に依頼しましょう▼相続人代表者はあくまで納税通知書を受け取るだけ
相続人代表者指定届は固定資産税の納税通知書の受取人を指定するものであり、その代表者に支払いの義務は生じません。
なお、相続人代表者指定届を提出した後、翌年1月1日までに相続登記が行われた場合は登記を優先します。
▼今すぐ診断してみましょう▼提出しなくても罰則はない
相続人代表者指定届を提出しなくてもペナルティはありません。その場合、役所側が決めた相手に納税通知書が届きます。
ただし、固定資産税を支払う必要のない相続人に納税通知書が届くと手間になるため、できれば届け出を出したほうがよいでしょう。
▼まずはお電話で相続の相談をしてみませんか?▼相続人代表者指定届の書き方
相続人代表者指定届の書式は市町村によって異なりますが、標準的な相続人代表者指定届の書き方について解説します。
相続人代表者を決定
まずは固定資産税の納税通知書を受け取る「相続人代表者」を決めます。相続人同士で話し合い、誰にするかを決定します。
なお前述の通り、相続人代表者に支払いの義務はなく「あくまで納税通知書を受け取るだけ」です。法定相続分に応じて支払いを分担したり、話し合いで支払う人を決めても問題ありません。
遺産分割が終わり新しい所有者が確定したら、その翌年以降は新所有者が固定資産税を支払います。
相続人代表者欄に記入
代表者が決まったらその人の名前を「相続人代表者(申請者)」の欄に書き入れて、本人が署名押印します。住所、生年月日、被相続人との続柄などの必要事項もあわせて記入します。
被相続人や他の相続人についての情報を記入
あとは被相続人の氏名、住所、死亡年月日、他の相続人の氏名、住所、被相続人との続柄などの必要事項を記入すれば完成です。書式によっては相続人全員の署名押印が必要な場合もあります。
▼忘れている相続手続きはありませんか?▼相続放棄した場合に固定資産税を払う必要はある?
相続人代表者指定届が届いた人のなかには相続放棄を考えていることも。その場合、相続放棄しても固定資産税を払わなければいけないのでしょうか。
結論を言うと、相続放棄をした場合は固定資産税を払う必要はありません。また相続放棄した人は相続人代表者になることはできません。
役所は相続放棄をしたことを知らないため、不動産を相続する他の相続人に相続人代表者指定届を提出してもらうか、役所に相続放棄をした旨を伝えましょう。
▼まずはお電話で相続の相談をしてみませんか?▼この記事のポイントとまとめ
以上、相続人代表者指定届について解説しました。最後にこの記事のポイントをまとめます。
- 相続人代表者指定届とは、固定資産税の納税通知書を受け取る人を指定する届け出
- 相続人代表者指定届を提出しなくてもペナルティはない
- 相続人代表者を提出した人に納税義務があるわけではない
相続登記は義務化されているため、相続人代表者指定届を提出したあとも、速やかに登記の手続きをおこないましょう。
いい相続ではお近くの専門家との無料相談をご案内することが可能ですので、相続人代表者指定届や相続手続きでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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