銀行に相続の相談をするメリットは?デメリットや専門家との比較も!
相続の相談はどこにしたらいいのでしょうか?
銀行、役所、弁護士、司法書士、税理士、行政書士・・・どの専門家に相談したら良いかわからず、困ってしまう人も多いでしょう。
この記事では、銀行に相続の相談をするメリット、デメリットと銀行以外の相続の専門家に相談する場合のポイントについてもご紹介します。是非参考にしてください。
- 銀行に相続手続きの相談をする一番のメリットは信頼性が高いこと
- 銀行に相続手続きを頼むと費用は高めになる可能性がある
- お金の管理や運用を中心とした相続対策の相談先は銀行が適している
目次
この記事を書いた人
鎌倉新書にパートタイマーとして入社。2020年チャレンジ制度をクリアし正社員に。
目前に控えたシニアライフを楽しく過ごすため、情報集めに奔走するアラカン終活ライター
資格:日商簿記1級・証券外務員二種・3級FP技能士
銀行でおこなう相続手続きとは?
相続の手続きは、身近な人が亡くなり死亡届の提出から始まる手続きなどの死後におこなう相続手続きと、生きているうちに遺言書をつくったりして自分の財産をどのようにするか検討する生前の相続手続きに分けることができます。
銀行での代表的な相続手続きは亡くなった方の銀行口座の解約や名義変更をおこなうことです。(死後の手続き)
今では殆どの方が銀行に口座を持っていますので、銀行口座の解約や名義変更の手続きは必須と考えると、これと一緒にさまざまな相続手続きも代行してもらえば時間も手間も省けるという考え方もあるでしょう。
そこで、相続手続きを銀行に相談するメリットデメリットを考えていきたいと思います。
銀行に相続手続きの相談をするメリット
銀行は信頼できる
銀行は数ある産業の中で信頼度はトップクラスでしょう。しかも、銀行は万一破産してしまったとしても預金保険制度というセーフティネットが設けられており、預け入れたお金は一定額まで保障されています。
銀行には親しみがある
銀行は私たちの生活には欠かせない機関です。以下のような日々の生活の場面で銀行を利用します。
お金を預ける
ATMや店舗を活用して簡単にお金を預けることができるので、大金を自分で保管しなくても済みます。また、普通預金や定期預金などでは預けることで利息も付きます。
お金を借りる
家を買ったり、事業のためのお金を借りることができます。(審査による)
決済や送金をする
公共料金やクレジットカードの引き落とし口座として指定することでいちいち振り込みの手続きをしないで済みます。また、給料の支給や商売での売り上げ代金の振り込み先として必要になります。
また、財閥の流れをくむ伝統や歴史のあるグループ企業が経営していることから、銀行名に三井、住友、三菱などよく知られた名前が使われていることや、テレビコマーシャルや店舗があるため頻繁に銀行名を目にしているために、認知度が高くなります。
以上のようなことから、私たちは銀行に馴染みを感じていると考えられます。
銀行に相続手続きの相談をするデメリット
銀行は堅苦しい?
銀行はお金を扱うために信用が第一です。そのため、セキュリティが強固で防犯対策がしっかりしていることから近寄りがたく感じてしまう方もいるでしょう。
また、伝統がある銀行も多いことから社風が前時代的であるのでは?とイメージする方も多いかもしれません。
銀行に勤める人は、金融の知識はもちろん、経済、会計、税務、法務、不動産など多岐にわたる知識が必要なため日々研鑽に励む必要があります。ドラマなどで「バンカー」という営業業務を担う銀行員を表す言葉も知られるようになりましたが、高い意識を持つ姿が逆にエリート然とした雰囲気を感じてしまい苦手意識を持つ方もいるでしょう。
銀行は料金が高い?
銀行の手数料の計算方法は以下のようなものが多いようです。
大手銀行の相続手続きの代行サービスのパッケージプランの料金を例にして計算してみます。
相続財産が4,000万円で、1,000万円を依頼銀行、3000万円を他行に預けていたとします。
手数料割合は財産額によってきめられており、依頼銀行に預けてあるものの手数料率は0.33%、他行に預けてあるもので5,000万円以下の部分に対しては手数料率は2.2%です。この割合を当てはめて計算すると、
- 1,000万円×0.33%=33,000円
- 3,000万円×2.2%=660,000円
1と2を合計して、693,000円と算出できました。
しかし、手数料の最低金額は110万円なので、実際には手数料は110万円となります。
他にも注意したいのが、パッケージプランの内容に含まれていないものに対しては別途料金がかかるということです。
例えば、相続手続きではたくさんの戸籍が必要になりますが、この実費は含まれておらず、また不動産で登記が必要であれば、登録免許税や司法書士報酬も別途発生します。
料金が気になる方は複数の銀行や士業で見積りを取って比較するとよいでしょう。
銀行の相続の手続きは専門家に任せられる
相続の相談は、銀行以外では行政書士、司法書士、税理士、弁護士などの士業と呼ばれる専門家にすることができます。
相続が発生してからの死後の相続手続きだけで見ると、実は銀行も士業も業務の内容にさほど大きな違いはありません。それは、銀行は相続手続きを依頼を受けると、これら士業を介して業務を進めていく部分が大きいからです。
専門家に相続手続き代行を頼む場合の考え方
士業には決められた業務範囲があります。そのうち、独占業務とされているものもあることから、どの士業に何をメインに依頼できるかのポイントを簡単にご紹介していきます。
調査や書類作成だけを依頼する場合は行政書士
行政書士は、公的機関への提出書類作成におけるエキスパートです。
代行業者の中では、料金体系が比較的リーズナブルですので、銀行手続きを頼みたい、時間と労力のかかる戸籍の調査・収集や遺産分割協議書などの書類作成だけをお願いしたい場合など書類作成メインに依頼したいときは行政書士へ相談するのが良いでしょう。
不動産の名義変更がある場合は司法書士
司法書士は登記のエキスパートであり、登記申請の代理権を持っています。
不動産登記については、司法書士の独占業務です。相続財産に不動産が含まれている場合は、司法書士に依頼をすると良いでしょう。 また、遺言書の検認の申立てや、相続放棄の申述の手続きも司法書士に依頼することができます。
相続税が気になる場合は税理士
税理士はその名の通り、税に関するエキスパートです。
税理士には相続税申告や準確定申告(亡くなった年の確定申告)の手続きを依頼することができます。
トラブルになりそうな相続は弁護士に依頼
弁護士は法律の専門家であり紛争解決のエキスパートです。
弁護士は、通常、相続手続きの代行だけではあまり対応していませんが、遺産分割協議や、相続人の間でトラブルになり、その折衝を依頼した流れで相続手続きまで依頼できるケースはあります。
▶弁護士・税理士・司法書士・行政書士の相続相談について詳しく知りたい方はこちらの記事へ銀行と士業を比較して相談先を決めたい場合の考え方
銀行と士業などの専門家、依頼前に比較して相談先を決めたいところです。費用で比較するのはもちろんですが、ここでは、専門家ならではのメリットを考えて、相続手続き生前と死後とに分けてみていきます。
生前に相続手続きに備える
銀行の良さはやはり「お金を預ける」ことができることです。
自分の財産を、認知症や介護に備えて事前にどのようにしておくのがいいのか、などの相談先としては力強い味方となります。
つまり生前にお金の管理を中心とした相続対策の相談先としては銀行がよいでしょう。
万一に備えて遺言書をつくっておきたい、相続人を調べておきたいといった、ピンポイントな相続対策であれば、比較的安価な行政書士に頼むとよいでしょう。
また、生前に認知症に備えてあらかじめ後見人を指定したい、不動産名義を変更したいということは司法書士に相談するとよいでしょう。
生前の相続税対策であれば税理士に頼むとよいでしょう。
死後の相続手続きを依頼する
亡くなった人の相続手続きを銀行に頼む場合は、相続した財産を定期預金にしたり、資産運用なども相談できることにメリットがあります。
しかし、相続の手続きそのものについては、士業(行政書士事務所、税理士事務所、司法書士事務所、法律事務所等)は専門・技術サービス業という業態であり、その専門性の高さから、何か不測の事態がおきたときの対応の早さや、フットワークの軽さが期待できます。
死後の相続手続きは、心身ともに余裕がないところに、思いがけないことが起こることもあります。
銀行か、士業かの二者択一ではなく、相続手続きは士業に頼み、落ち着いてから相続した財産の運用を銀行に相談に行くというハイブリッドな方法も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
この記事のポイントとまとめ
以上、銀行に相続手続きを頼むメリットデメリット、銀行以外に頼む場合などをご説明しました。最後にこの記事のポイントをまとめます。
銀行で相続手続きを行うメリットとデメリット
- メリットとしては、銀行が信頼できる機関であり、日常生活においても頻繁に接触している点。
- デメリットとしては、手数料が高くなる可能性や、堅苦しいイメージ、高い専門性が苦手意識を生む場合がある。
相続の専門家としては、行政書士、司法書士、税理士、弁護士も選択肢となる。特に生前の相続手続きにおいては、それぞれの専門家が独自のノウハウを持っている。
いい相続では、お客様のお悩みやご要望にあわせて、相続手続きの実務経験豊富な信頼できる全国の専門家を無料でご紹介しています。
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▼実際に「いい相続」を利用して、行政書士に相続手続きを依頼した方のインタビューはこちら
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