少子高齢化で起こりやすい相続の問題点と事前の対策
少子高齢化社会の日本。
高齢者の相続においては、相続人も高齢であることから特有のトラブルも発生しています。
少子化問題では、相続人の数が減ってしまうことから相続税の心配が増えそうです。
この記事では、少子高齢化における相続の問題点についてご紹介します。
この記事を書いた人
鎌倉新書にパートタイマーとして入社。2020年チャレンジ制度をクリアし正社員に。
目前に控えたシニアライフを楽しく過ごすため、情報集めに奔走するアラカン終活ライター
資格:日商簿記1級・証券外務員二種・3級FP技能士
超高齢化社会で起こりやすい相続の問題点
超高齢化社会では、相続について以下のような問題が増えると考えられます。
- 数次相続の増加(事例:父が亡くなり1ヵ月も経たないうちに、母も急死)
- 手続きの停滞(事例:母が亡くなったが、父は認知症でグループホームにいる)
- 老老相続(事例:夫が他界、相続人の妻も高齢)
ただでさえ、面倒と言われている相続手続き。
これらの問題が起きると相続手続きはいっそう複雑化してしまいます。
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高齢者の相続対策
相続人が高齢者の場合、外出がままならず手続きが一向に進まないといったことも考えられます。
ここからは、高齢者の相続人が相続手続きをする際に少しでも楽になれるよう、相続対策をご紹介していきます。
財産を把握しやすくしておく
「自分にはどんな財産があって、どこに何を置いてあるのか等、事前に家族に共有しておいた方がよい」とは分かっていても、配偶者や子どもに対してであっても、自分の財産をつまびらかにしたくないという方もいるでしょう。
そんな方は相続対策として、遺言書を作成することを検討してみてはいかがでしょうか。
遺言書に財産目録を添付しておけば、相続人に知られることもなく、また、自分が亡くなった後に相続人が相続財産を確定させる作業の負担を減らすことができます。
本当に遺言書通りに手続きしてもらえるのか心配な場合は、遺言執行者を定めておけば、相続人が認知症でも遺言書の指定通りの手続きを進めることができます。
遺言書は安心確実なものを作る
ただし、自分で遺言書を書いて誰にも打ち明けずこっそりしまっておくと、自分が亡くなった時に見つけてもらえない心配があります。
その点、公正証書遺言であれば、遺言書の内容を相続人である子どもに知られることなく作成することができます。
原本は公証役場で保管されますので、中を見ることができませんし、無くす心配もありません。相続人には遺言書があることだけを知らせておけばよいのです。
自分で書く自筆証書遺言でも遺言保管制度を活用すれば、見られなくて済む効果はありますが、自分一人で書いたことで、法律で定められた形式で書かれていないと、無効になってしまうおそれがあります。
折角遺言書を作るのであれば、確実性の高い方法を選択しましょう。
生前贈与も検討
相続人がいない、もしくは、高齢化が進んでいる場合には、生前贈与を検討してみるのはいかがでしょうか。
相続人がいない被相続人の財産は最終的には国庫に帰属します。簡単に言うと国のものになるということです。であれば、自分の意思で賛同できるような活動をしている任意の団体に寄付するのもいいでしょう。
相続人の子どもなどの教育資金や住宅取得の資金などのサポートをしてあげるのもいいでしょう。非課税となる制度がありますので、詳しくは「孫へ生前贈与する方法|暦年課税制度と相続時精算課税制度、教育資金、結婚資金、住宅資金の非課税枠」を参照してください。
本来相続の目的は次世代の生活を豊かにするためのものですので、消費の多い世帯に譲る方が有意義に活用してくれる可能性が高いでしょう。
もちろん、生前贈与ですべての財産を渡すわけにはいきませんので、生前贈与で相続する財産を減らしておくことで、高齢の相続人の手続きの負担を軽くする効果も期待できます。
また、生前贈与では贈与税が心配になるかもしれませんが、特例などを上手に活用すれば節税することもできます。
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少子化での相続の問題とは?
もう一つは少子化問題ですが、こちらは、相続人の数が減ることで相続税対策が必要になる人が増えそうです。
相続人が一人の場合、遺産を単独で相続するため、相続税の基礎控除の計算で控除される額が少なくなるからです。
相続税の基礎控除額が少なくなるのはなぜ?
相続税の基礎控除は、「3,000万円+(600万円 × 法定相続人の数)」で計算します。
遺産の総額が相続税の基礎控除以下であれば相続税申告は不要なのですが、計算式の法定相続人の数が減るほど、基礎控除額も少なくなります。
相続人不存在の場合
少子高齢化では、亡くなった人が生涯独身で子もなく、兄弟姉妹もなく、両親や祖父母もすでに死亡している。という状況も増えることが考えられます。
社会保障・人口問題研究所によると、50歳まで一度も結婚したことのない人が総人口に占める割合(生涯未婚率)は2015年で男性が23.37%、女性が14.06%となっています。2040年には男性29.5%、女性18.7%に増えると推計されています。今後、こうした形の相続人不存在はもっと増える可能性があります。
身寄りのない一人っ子が亡くなって相続が発生した場合、 遺産が国庫に帰属する可能性が高くなります。
自分の築いた財産ですから自分の思うように使ってほしいものです。生前に贈与や寄付をしたり、どのように遺したいかということ遺言書で残すなど、有効に使ってもらうための対策を取るとよいでしょう。
遺言書による寄付については「遺言で寄付をするなら知っておきたい!遺贈寄付で失敗しないための6つのポイント」で詳しく解説しています。
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まとめ
この記事では、少子高齢化で起こりやすい相続の問題点をご紹介しました。
生涯を通じて築いた財産、自分の納得のいく後世への引き継ぎ方になるように、心身ともに元気なうちに、是非対策を検討してみてください。
現在、相続でお困りの方はいい相続にお気軽にご相談ください。
いい相続ではお近くの専門家との無料相談をご案内することが可能です。相続人がいないから遺言書を書きたい、相続手続きをしたいが外出があまりできないので手続きをだれかにたのみたいなど、お困りの方はお気軽にご相談ください。
この記事は「【事例】高齢の父と認知症の母。父の相続対策をしたい(53歳女性 資産3,930万円)」を再編集したものです。
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