生命保険契約照会制度で亡くなった人の生命保険を一括照会。相続手続きが少しラクに?!
「生命保険、何に入っていたっけ・・・?」
生命保険証券を大事にしまっておく方がほとんどだと思いますので、亡くなった方がしまい込んでいて、どの保険会社と契約しているか分からず困った・・・というのは決して珍しいことではありません。
加えて、現代はインターネットで安く、気軽に保険に入れる時代です。その分、管理も記憶も曖昧になりがちです。
そんな事態のときに役立つ制度ができました。
2021年7月1日から「生命保険契約照会制度」が開始されたのです。
- 1社1社に問い合わせなくても、亡くなった方の生命保険の有無を一括で照会できる
- 認知判断能力の低下など一定の条件の場合でも利用可能
- ただし保険の内容は各社に確認が必要で、保険料負担者のみの場合は照会の対象外
この記事を書いた人
鎌倉新書にパートタイマーとして入社。2020年チャレンジ制度をクリアし正社員に。
目前に控えたシニアライフを楽しく過ごすため、情報集めに奔走するアラカン終活ライター
資格:日商簿記1級・証券外務員二種・3級FP技能士
生命保険契約照会制度とは?
一般社団法人生命保険協会が、契約者等が亡くなった時等に相続人等が亡くなった方の生命保険の加入の有無を一括で調べられる制度です。
契約者・被保険者がお亡くなりになった場合、認知判断能力が低下している場合において、法定相続人、法定代理人、3親等内の親族などからの照会を生命保険協会が受け付け、照会対象者に関する生命保険契約の有無について一括して生命保険各社に調査依頼を行い、生命保険各社における調査結果をとりまとめて照会者に回答してくれるサービスです。(一般社団法人生命保険協会ホームページより引用)
生命保険契約照会制度は具体的にはどういうことか
例をあげて説明すると、自分の親が急に亡くなったり、判断能力が低下するなどして、生命保険に入っていたかどうかがわからない場合、色々な保険会社に問い合わせをしなくても、生命保険協会のこの制度を利用することでどの保険会社に加入しているかが分かるサービスです。
いままではどのように保険加入を調べていたの?
亡くなった方が保険に入っていると言っていたにもかかわらず、それを証明する生命保険証券などのが見当たらない、また、通帳などを見ても保険料を支払った形跡がない場合は、弁護士や法定相続人などが、故人が契約(加入)している可能性のある保険会社に一つ一つ照会する必要がありました。
生命保険協会に所属している保険会社は42社(令和3年5月6日現在)。この42社すべてに個々に問合せをするのはとても労力のいることでした。
生命保険契約照会制度ができた背景
超高齢社会での問題点、独居者の孤独死、認知症の増加により、家族・本人が生命保険契約を把握しきれなくなることが想定され、顧客本位の業務運営を推進する観点で確実に保険金請求をしてもらうために構築されたとしています。(一般社団法人生命保険協会ホームページより)
▼あなたに必要な相続手続きが一分で診断できます▼生命保険契約照会制度で何が便利になるのか
加入している保険の調査が簡単になる
この制度が開始されたことで、一括で調べることができます。
遺産分割が円滑に進む
保険の捜索期間が大幅に短縮されることにより、保険金請求がスピーディーになることが期待できます。被相続人が加入していた保険契約の死亡保険金(一時受取金)がみなし相続財産となるかの確認が必要だったり、保険金で不動産などの代償分割の代償金として活用するケースもあるからです。
介護に助かる保険だったときのメリットも
介護状態になった場合に受け取れる保険を契約していた場合は介護施設の入居金などにも使えますので、保険契約の有無を早く知ることは重要です。
また、相続では、相続放棄は3ヵ月以内、相続税の申告は10ヵ月以内と、案外スケジュールが詰まっています。
もし、42社に保険の有無を問い合わせていたら、あっという間に期限が来てしまいます。この制度は、相続手続きの面では非常にありがたいものとなるでしょう
生命保険の請求漏れがなくなる
保険金の請求にも期限が存在します。保険金請求権の時効は「3年」(かんぽ生命の簡易保険の場合の時効は「5年」)なため、もらい忘れを防止できます。
▼あなたに必要な相続手続きが一分で診断できます▼生命保険契約照会制度はどんな人が利用できるのか?
利用できる人は以下の要件に該当する方です。
被相続人について照会できる人
照会対象者(被相続人など)の法定相続人、弁護士、司法書士などの生命保険協会が認めた任意代理人などです。
認知判断能力が低下している人について照会できる人
照会対象者(認知判断能力が低下している人)の法定代理人または任意後見制度に基づく任意代理人、3親等内の親族および弁護士などの生命保険協会が認めた任意代理人などです。
申し込み方法は?
インターネットまたは郵送(ただし、郵送する資料はインターネットで入手します)
費用は?
1回の照会につき 3,000円(税込)です。クレジットカードも利用でき、コンビニ払いも可能なのは嬉しいところ。災害時の照会については無料です。
デメリットは?
この制度を悪用されることがないかぎり、今のところはメリットしかありません。しかし、細かい契約内容までは一括照会では分からないこと、利用できる人には先述のような要件があること、照会依頼には所定の手続きや提出書類の準備が必要であること、また、損保、共済などは対象外ということなどの注意点はあります。
▼相続手続きは専門家にまかせられます▼まとめ
「相続税対策で生命保険を利用する」と聞いたことがある方も多いでしょう。
これから加入する場合はもちろん、すでに加入している場合でも、どんな保険に入っているのかしっかり管理しておきましょう。せっかく残された方のために掛けた保険、その思いをすぐに届くように準備しておくのも相続対策の一つではないでしょうか。
相続手続きについて疑問や不安のある方は、一度専門家に相談してみるのがおすすめです。いい相続ではお近くの税理士や行政書士との初回無料面談をご案内しておりますので、お電話またはメールフォームよりお気軽にお問い合わせください。
▼実際に「いい相続」を利用して、行政書士に相続手続きを依頼した方のインタビューはこちら
この記事を書いた人
鎌倉新書にパートタイマーとして入社。2020年チャレンジ制度をクリアし正社員に。
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