【よくある質問】遺言書も遺産分割協議書もないと相続はできませんか?
母は生前、銀行の預金は姉に、マンションは私に譲ると言っていました。遺言書はなく、遺産分割協議書を作成するとお金もかかるそうですが、ないと相続できませんか?
遺言書や遺産分割協議書がなくても、相続人全員が合意していれば、遺産の分割はできます。
しかし、遺産分割協議書は作成しなくても、相続人が遺産をどう分けるのかを話し合うこと(遺産分割協議)は必要です。被相続人の財産と相続人についてはきちんと調査・確認し、相続人全員参加して遺産分割協議をおこないましょう。遺産分割協議は相続人全員が参加していないと無効になります。また、相続手続きにおいては、遺産分割協議書が必要なこともあります。
遺産分割協議書とは
遺産分割協議書とは、遺産分割協議で決定したことを書面でまとめたものです。
被相続人が遺言書を残している場合には、被相続人が作成した遺言書に従って遺産分割がおこなわれるのが一般的ですが、相続人が複数いるけれど遺言書はない場合、相続人全員が参加する遺産分割協議によって誰が何を相続するかを具体的に決めます。
なお、遺産分割協議書には決められた書き方もありませんが、相続人全員の押印が必要です。
▶遺産分割の基礎知識|遺産分割協議と遺産分割協議書【行政書士執筆】
遺産分割協議書はあった方がいい?
相続手続きの際に遺産分割協議書が必要となる場合があります。例えば相続税の申告をする場合は、相続税の申告書に、遺言書の写しまたは遺産分割協議書の写しを添付します。従って、遺言書がない場合は、遺産分割協議書を作成する必要があります。
その他にも不動産の名義変更や、被相続人の銀行口座の解約などで、遺産分割協議書が求められるケースもあります。
また、将来、相続人の状況が変わるなど、気持ちが変化することもあります。きちんと書面で残しておくことで後々のトラブル回避にも役立ちます。
遺言書があった場合の遺産分割
ちなみに、遺言書があった場合に遺産分割はどうなるのでしょうか。基本的に遺言書が見つかった場合は、その遺言に沿って手続きをおこないます。
自筆の遺言書であった場合は、自分で開封してはならず家庭裁判所で「検認」という手続きをおこないます。
遺言書に記載のない財産については、相続人全員で話し合って決定します。
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