離婚した元妻に財産を残す方法はありますか?
長年連れ添った妻と離婚します。財産分与の話はつきましたが、この先私が死んだ時、元妻に財産を残す方法はありますか?
離婚した元妻には相続権はありません。被相続人の配偶者は法定相続人になれると法律で定められていますが(民法890条)、離婚した場合は配偶者ではなくなるので、相続権を失います。しかし、元妻に遺贈すると書いた遺言書を用意すれば、財産を残すことが可能です。
ただし、兄弟姉妹を除く法定相続人には民法によって定められた遺留分(相続できる最低限度の相続分)が認められています。ほかにも相続人がいる場合、遺言書を作成する際には、遺留分を侵害しないように注意しましょう。
遺留分を侵害していた場合、遺留分侵害額請求をされる可能性があります。
相談者にお子さんがいらした場合、お子さんの相続権は配偶者と離婚した後も変化はありません。また、遺言書の種類は自筆証書遺言でも公正証書遺言、秘密証書遺言でもその効力に違いはありません。
離婚してしまうと配偶者控除は認められない
相続税における配偶者の税額の軽減(配偶者控除)とは、配偶者が取得した遺産額が1億6,000万円、または配偶者の法定相続分相当額のうち、どちらか大きい金額までは相続税が課税されないという制度です。これは故人の財産を形成する際の配偶者の貢献や、配偶者の生活の保障などを考慮して設けられています。
ただし、配偶者控除が適用されるには、戸籍上の配偶者であることが必要です。元妻はもちろん、事実婚、内縁の場合も適用されません。
なお、元妻に財産を遺贈する場合、元妻は相続税の対象となります。
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