戸籍謄本の有効期限はどのくらい?法務局、税務署、銀行など相続手続き先一覧付き
役所などで相続手続きを行う際、被相続人(故人)の生まれてから死亡するまで連続した戸籍謄本が必要になることが多いです。
被相続人の戸籍謄本に加えて、相続人全員の戸籍謄本が必要になることも。相続人が多いと戸籍の取得だけで大変です。
戸籍謄本は被相続人の本籍地のある自治体で発行できますが、この戸籍謄本に有効期限はあるのでしょうか?また、手続きによって期限が変わるのでしょうか?
今回は、相続手続きで提出する戸籍謄本の有効期限や、戸籍謄本の種類などについて解説します。ぜひ、参考にしてください。
目次
戸籍謄本の有効期限は、提出先によって異なる
相続手続きの戸籍謄本については、金融機関や法務局などの提出先によって有効期限が異なります。有効期限が設定されていない場合もあります。
戸籍謄本は、被相続人の分も、相続人の分も、被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本を準備する必要があります。生前に取っておいたものがあっても相続手続きでは使いませんので注意しましょう。また相続人の戸籍も、被相続人が亡くなってから取得する必要があります。
▼今すぐ診断してみましょう▼法務局や税務署に提出する戸籍謄本の有効期限は?
法務局や税務署で相続手続きを行うことがあります。法務局では相続登記、税務署では相続税申告の手続きを行います。
法務局や税務署に提出する戸籍謄本は、取得してからの有効期限はありません。したがってある程度時間が経過したものでも添付書類として認められるので、有効期限を気にする必要はありません。
相続登記の義務化で登記に期限が!
しかし戸籍謄本の有効期限がないからといって、悠長にしてはいられません。
なぜなら相続登記は義務化が決定されており、令和6年4月1日から施行されます。施行されると「相続の開始および所有権を取得したと知った日から3年以内」に相続登記をしなくてはなりません。
しかもそれ以前の相続についても登記の義務は適用されます。もし手続きを放置するとペナルティが課せられてしまうため、戸籍謄本を集めたら早めに手続きをしておいたほうが良いでしょう。
相続税申告の期限
相続税申告については、その期限が決められています。戸籍謄本の有効期限はないですが、相続税の申告は「被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内」です。期限を守らないとペナルティを科せられる場合があるので気を付けましょう。
▼まずはお電話で相続の相談をしてみませんか?▼金融機関に提出する戸籍謄本の有効期限は?
銀行や証券会社に提出する戸籍謄本については、有効期限を3ヶ月もしくは6ヶ月に設定しているところが多いです。3ヶ月より早い有効期限を求められることは少ないでしょう。
主な銀行の戸籍謄本の有効期限
ここで、皆様がよく利用されるであろう大手銀行の、相続手続きにおける戸籍謄本の有効期限について調べました。
- 三井住友銀行 1年以内
- イオン銀行 6ヶ月以内
- 楽天銀行 6ヶ月以内
- 住信SBIネット銀行 6ヶ月以内
- 横浜銀行 特に期限はないが、できるだけ新しいもの
申請先ごとの有効期限一覧
申請先ごとにの戸籍謄本の有効期限について、一覧にまとめました。
申請先 | 戸籍謄本の期限 |
---|---|
法務局(相続登記) | なし |
税務署(相続税申告) | なし |
裁判所(相続放棄) | なし |
裁判所(遺産分割調停) | なし |
銀行(預金の名義変更・解約) | 金融機関によって異なる (6ヶ月もしくは3ヶ月が多い) |
証券会社(有価証券の名義変更・解約) | 金融機関によって異なる (6ヶ月もしくは3ヶ月が多い) |
証券保管振替機構(開示請求) | なし |
運輸局(自動車の名義変更) | 3ヶ月以内 |
印鑑証明書の有効期限はどのくらい?
相続手続きでよく必要となる書類として、印鑑証明書もあげられます。印鑑証明書は遺産分割協議証明書の提出が求められる際に、あわせて添付する必要があります。遺産分割協議書の捺印を証明するためです。
印鑑証明書も戸籍謄本と同様に、金融機関では3~6ヶ月以内に取得したものが求められる場合があります(金融機関によって異なります)。
印鑑証明書についての詳細は「印鑑証明書が必要な相続手続きと届け出先別の印鑑証明の有効期限一覧表【行政書士監修】」を参照してください。
▼依頼するか迷っているなら、まずはどんな手続きが必要か診断してみましょう▼相続手続きで使う戸籍謄本についてのよくある質問
相続手続きで提出する戸籍謄本について、よくある質問をまとめました。
相続手続きに戸籍謄本は何通必要ですか?
相続では、あらゆる手続きに戸籍謄本が必要になります。しかし、実際に必要な原本は2通程度で大丈夫でしょう。
なぜならコピーでも可の手続きや、原本を返却してくれる場合が多いからです。
一通では紛失する可能性がありますから、2通取得しておくと良いでしょう。
除籍謄本や改製原戸籍謄本、戸籍抄本は、戸籍謄本と何が違うのですか?
これらは戸籍ではありますが、すべて異なるものです。違いについては、以下のとおりです。
戸籍謄本
戸籍謄本は、戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するものです。全部事項証明書とも呼ばれます。
除籍謄本
除籍謄本とは、死亡や離婚などにより戸籍の中の人が全員いなくなった戸籍を言います。
除籍謄本について詳しくは「除籍謄本とは?戸籍謄本との違いや取り方、読み方までわかりやすく解説【見本付き】」を参照してください。
改製原戸籍謄本
改正原戸籍謄本とは、戸籍の電子化や再編成などによって戸籍が作り替えられたときの「それ以前の戸籍」です。この戸籍はもう使用されませんが、記録として役所に保管されています。
原戸籍謄本についての詳細は「原戸籍謄本と戸籍謄本との違いは?取り方や見方を見本でわかりやすく説明!【行政書士監修】」を参照してください。
戸籍抄本
戸籍に記録されている一部の人について証明したものです。個人事項証明書とも言います。
戸籍についての詳細は「相続に必要な戸籍謄本|戸籍の種類、戸籍謄本と戸籍抄本の違い、取り寄せ方【行政書士監修】」を参照してください。
▼何をすればいいか迷っているなら、今すぐ調べましょう▼この記事のポイントとまとめ
今回は、相続手続きで提出する戸籍謄本の有効期限について解説しました。最後にこの記事のポイントをまとめます。
- 戸籍謄本の有効期限は提出先により異なる。法務局や税務署では期限なし、銀行では3~6ヶ月。
- 相続登記は令和6年4月1日から義務化。開始日から3年以内に登記をしなければペナルティが課せられるおそれも
- 相続税申告の期限は被相続人の死亡の翌日から10か月以内。適切な手続きと時期を確認し、計画的に進めるべき
戸籍謄本の有効期限がない手続きもありますが、提出先によっては有効期限が設定されているところも。後で慌てることがないよう、早めに準備しておくことが大切です。
また、相続人が多かったり、役所まで戸籍謄本を取りに行く時間がない人などは、行政書士などの専門家に戸籍収集を依頼するのも良いでしょう。迅速かつ確実に取得してくれますし、時間や手間を省くことができます。
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