【事例】相続人の一人が遺産分割協議に参加してくれない(56歳女性 遺産4,900万円)【行政書士執筆】
「いい相続」や提携する専門家に寄せられた相続相談をもとに、その解決策を専門家が解説するケーススタディ集「相続のプロが解説!みんなの相続事例集」シリーズ。
今回は、遺産分割協議に参加しない相続人について、56歳女性の方からの相談事例をご紹介します。
解説は、やおかいKT88行政書士事務所の行政書士・横山 修さんです。
この記事を書いた人
〈行政書士〉
愛知県豊橋市にて相続業務を行っている行政書士です。
ここは東海道五十三次33番目の宿場町「二川宿」で、江戸時代は大名行列が通ったところです。大名が宿泊した本陣が残っている貴重な場所です。
ぜひ本陣の見学ついでに相続相談に寄ってください。
▶やおかいKT88行政書士事務所
遺産分割協議に参加してくれない相続人がいる
相談内容
母が亡くなり、遺産分割協議を行うことになりました。しかし次男が「実家は遠いから行きたくない」「今は忙しいから遺産分割協議はしばらく待って」などと言って、なかなか協議ができません。
相続手続きなどもありますし、早く協議をしたいです。どうすれば良いですか?
- プロフィール:56歳女性
- お住まい:山形県
- 相続人:長男、長女(相談者本人)、次女、次男の4人
- 被相続人:母
財産の内訳 | 内 容 | 評価額 |
---|---|---|
不動産 | 自宅戸建て(土地・家屋)土地130㎡ 長男一家と母が居住していた |
2,600万円 |
預貯金 | 1,700万円 | |
生命保険 | 契約者・被保険者:母 受取人:長女 |
600万円 |
※プライバシー保護のため、ご住所・年齢・財産状況などは一部架空のものです。
相関図
アドバイス1 相続手続きには、期限が決まっているものも
相続手続きには期限が設定されているものがあります。例えば、相続放棄をしたい方がいれば被相続人(お母様)が亡くなられてから3か月以内にすることができます。
また準確定申告が必要な場合は、4か月以内におこなってください。
そして10か月以内には相続税の申告納付が必要です。
今回いずれも該当しないようであれば慌てて遺産分割協議をする必要は一見ないように見えます。
しかし2024年4月より「相続が発生して不動産の名義変更が必要な場合は相続が発生してから3年以内に手続きをしてください」という法律がスタートします。
これを怠ると過料も科せられますので、必ず手続きをして頂きたいです。
アドバイス2 不動産の名義変更には遺産分割協議書が必要
今回、被相続人は不動産を所有されていますので、必ず手続きが必要です。
不動産の名義変更は遺言書がない場合、必ず遺産分割協議書を作成しなければいけません。このとき相続人全員の合意があれば相続人同士が直接会う必要はありません。
また預貯金に関しては、相続人が必要書類を集めて金融機関専用の相続手続き書類に実印を押せば解約手続きができることがほとんどです。
遺産分割がスムーズにできない場合、相続にくわしい専門家に相続人の間に入ってもらい公平な立場で遺産分割の手続きを進めると、進展する可能性があります。
具体的には金融機関の解約手続きを委任したり、不動産名義変更に必要な書類の収集依頼、遺産分割協議書の作成、相続登記(相続を原因とする不動産の名義変更)手続きの依頼などをお願いすることができると思います。
あまり時間が経つと手続き自体をやらなくなる可能性があります。そのようなときも、専門家の力を借りれば手続きが進みます。ますは専門家に相談してみてください。
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この記事を書いた人
〈行政書士〉
愛知県豊橋市にて相続業務を行っている行政書士です。
ここは東海道五十三次33番目の宿場町「二川宿」で、江戸時代は大名行列が通ったところです。大名が宿泊した本陣が残っている貴重な場所です。
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