相続の無料相談|行政書士が解説!無料の理由と上手な活用法
この記事はこんな方におすすめ:
相続の無料相談をしてみたいけど、ためらわれている方。相談先を探している方。
- 無料の理由は、気軽に相談してほしいから
- 戸籍謄本などを準備して相談すると、より適確なアドバイスがもらえる
- 実例、誰も知らなかった口座を発見、など
自分が相続の手続きをしなければならなくなった、そんな不慮の事態のとき、真っ先に何をしますか。インターネットで「相続 手続き」と検索する方は多いのではないでしょうか。
すると……「無料相談」っていう言葉、目につきませんか。
ただより高いものは無いという言葉があるように、無料だからといっていきなり相談するのは少し怖い……。
そこで、実際に無料相談を実施されている行政書士の先生に直撃取材しました!
話を伺ったのは遺言・相続の行政書士ゆかわ事務所の湯川まさゆき先生です。
目次
この記事を書いた人
鎌倉新書にパートタイマーとして入社。2020年チャレンジ制度をクリアし正社員に。
目前に控えたシニアライフを楽しく過ごすため、情報集めに奔走するアラカン終活ライター
資格:日商簿記1級・証券外務員二種・3級FP技能士
無料相談ではジャンルを決めずに、相続に関するあらゆる相談をうかがっています。
-相続の無料相談ってどんなご相談が多いですか?
湯川: 遺産分割協議書、財産目録の作成、預貯金の名義変更、車やリゾート会員権の相続手続きなど幅広く対応しています。ジャンルを決めないで、まずはあらゆる相談をうかがっています。
-ジャンルを問わない、無料なのに?
湯川: 行政書士は相続財産のジャンルを問わず遺産分割協議書の作成が出来るのです。相続の手続きって、人生でそう何度も経験することではないですよね。
誰に何を相談したらいいかわからない、何をするかはわかっていても、どうやればいいのかがわからない方が普通です。いろいろなお困りごとがありますから、漠然としたご相談をお伺いすることで、そのお客様にとってどんな手続きの書類作成が必要になるかわかってくるのです。
-でも、面談の時間が長くなってしまうのでは?
湯川:ケースバイケースですが、面談時間は平均で1時間から1時間半くらいです。
ご相談者様に相続手続きのスタートラインに立っていただくためには、お話を伺うことは最も大事なことの一つなのです。お話を紐解いて、必要な解決方法をご提案する。私たち行政書士を、身近な街の相続のアドバイザーと思ってくださると嬉しいです。
-どんな方からの相談が多いですか?
湯川:ご親族の方が亡くなられて1年以内で相続のご相談をされる方が7割程です。5年以上経ってからという方もいらっしゃいます。
-そんなに経ってから?相続というと、亡くなってすぐに手続きが始まるものだと思っていました。
湯川:数年後に、相続財産が見つかる場合もあります。たとえば、故人の預貯金残高のある凍結口座が見つかった、などですね。子供でも、親がどこにどんな口座を持っているのかを知らない方も多いのではないでしょうか。かく言う、私もその一人ですが……(笑)。
欧米では、資産運用会社と二人三脚で資産管理する家庭が日本の倍以上あると聞いていますので、こういった知らない口座が出てくるというのは少ないかもしれませんね。日本では、まだまだ、自分一人で管理するという暗黙の慣習があるように感じています。
無料相談は行政書士である自分の技量が試される機会
-無料なのに、面談時間が長くなると申し訳ない気が……。
湯川:士業は敷居が高いと感じられてしまう方が多いように感じています。
あくまで私の考えなのですが、これは、士業である我々が相談しやすい環境を今まで作ってこなかったからではないかと。しかも、それぞれ専門分野がありつつも、重なる部分も多いですからさらにわかりにくいところもありますし。
-相談内容によっては有料にしたいと思うことはありますか?
湯川:ないです。
-ないんですか!?
湯川:はい(笑顔!)。面談は自分の技量が試される機会と考えています。
質問のたびに、いちいち調べないとお答えできないようでは、ご相談者様もこの人に任せて大丈夫かと不安になると思うのです。
-公共施設でも法律の無料相談をしている所があります、何か違いはありますか?
湯川:ご相談に対してお答えの質が変わることはありませんが、大勢の方のご相談をお受けするためには、どうしても面談時間が限られてしまいます。行政の方が配慮されていてるので、30分で区切るというところもあります。
相続人が誰も知らなかった、口座が見つかることも
-具体的に無料相談に訪れる方は、どのようなご相談をされるのでしょう?無料相談だけで解決してしまうケースもあるのではないでしょうか?
湯川:たまにあります。「自分で戸籍謄本を集めたけれど確認してほしい」とか「固定資産税の相続人代表者指定届の書き方を知りたい」といったご相談などでは、無料相談の中で問題が解決することもあります。
-では、実際に業務を依頼される方はどのようなご相談でいらっしゃるのでしょうか?
湯川:例えば、相続手続き書類の確認をご希望で相談にいらした方がいたのですが、戸籍謄本を拝見したら、養子縁組で別々に育ったお兄様がいらして。ご自身は、一人っ子として育ってきたので、お兄様は相続人にはならないと思われていたのですが、普通養子縁組された兄弟も遺産分割協議書を作る対象となることをご説明して、手続きをしました。
-ご依頼を受けたお手続きの中で、強く印象に残っていることは?
湯川:遺産分割協議書の作成をご依頼いただくと、相続財産の調査をするのですが、誰も知らなかった、投資信託の口座が見つかったことがあります。これは、相続人の方もびっくりされていました。
先ほどお話した、自分の資産は自分一人で管理するというのがあったのか、誰もご存じなかったのですね。
-なんだか、ドラマみたいで、ドキドキしました。
湯川:(笑)
新型コロナウイルスで帰省できない方からの相談も
-新型コロナウイルス感染症。何か対策されていることは?
湯川:一番は自分がかからないことですね。
ご相談をされる方はご高齢の方もいらっしゃるので、インフルエンザなどにかからないよう、今までも手洗いうがいは当たり前のこととしてやっていました。コロナだから、ということはないです。ご自宅に伺うときは、窓を開けてくださるなど、お客様が気遣ってくださいます。
-ご相談の内容などには変化はありましたか?
湯川:感染を心配して帰省を控えている方が、遠方のご実家のことでご相談に来られるケースがありました。 もともと、ご高齢でいろいろな金融機関や役所へ行くのは辛いという方や、忙しくて時間がないという方からご依頼を受けることが多かったのですが、今は外出そのものを控える方が多いので、そのようなご相談は増えています。
戸籍謄本などを用意して無料相談に臨むとより具体的なアドバイスに
-相談を考えていらっしゃる方へアドバイスをお願いいたします。
湯川:ご相談者様ご自身の戸籍謄本を用意してくださると、拝見しながらお話を伺えるのでより具体的なお答えができて助かります。
財産目録の作成をご依頼になるときは、通帳などをお持ちいただくようお願いをしていますが、「マイナンバーで全部わかるのでは?」というご質問をいただきます。
今はまだ、個人でお持ちの口座はマイナンバーだけではわからないのです。通帳などが見つからないときは、ATMの紙の明細や銀行からのハガキなどでも結構ですのでお探しいただければと思います。
-湯川先生、ありがとうございました。
ひとこと
無料相談は、決して怖いものではないことがよくわかりました。専門家にお話を聞いていただけるのは心強いですし、的確なアドバイスをいただくことで戸惑うことなく手続きができることを、是非色々な方に知っていただきたいと思いました。
ところで、ゆかわ事務所の紹介ページの写真や動画には、湯川先生のお隣にちょこんとお座りしている猫のぬいぐるみが写っています。これは、行政書士連合会の公式キャラクター「ユキマサくん」だそうです。是非見つけてみてくださいね。(湯川先生のお名前がまさゆき。これはもう、天職なのではないでしょうか……。)
いい相続では、お話を伺った湯川まさゆき先生(東京都中野区)など、全国の相続に強い専門家を無料でご紹介しています。
この記事を書いた人
鎌倉新書にパートタイマーとして入社。2020年チャレンジ制度をクリアし正社員に。
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