個人事務所で多くの事案を解決。得意の中国語も活かし依頼者の期待に応える
「ノーと言って断るのは簡単。でもそれじゃ能がないですから」と依頼者の要望にできるだけ沿う提案をしている藤井 鉄平弁護士。一方、弁護士に依頼する必要のない案件と思えば正直に伝えているそうです。
最近は「危ない人が出てきたときに、体が大きいほうが怯むと思う」と筋トレに精を出しているとか。今回はそんな藤井先生に、相続の解決事例や弁護士を志したきっかけを伺いました。
どれだけ社会に貢献できるか、依頼者様や家族の生活を守れるかということを大切にしている。依頼者様の期待以上の結果を出すことを目指し、「依頼者にノーと言わない提案をする」がモットー。好きなトレーニングはベンチプレス。
藤井鉄平法律事務所
目次
分野を絞らず、民事事件も刑事事件も受ける
―普段受けている案件の中で、相続に関係するものはどのくらいですか?
私は分野問わずに案件を受けているので、相続の案件は少ないかもしれません。年に3件くらいかな。でももめている相続案件は解決に時間がかかるので、関わる時間は多くなりますね。
1人でやっている事務所なので、大きな事件のときは知り合いの弁護士と一緒に進めたりします。
―相続以外だと、どんな案件を受けているんですか?
最近だと投資詐欺とか。交通事故なんかも多いですね。民事事件も刑事事件もどちらも受けていますよ。よっぽど専門的な、例えば特許関係とか医療事件でなければ、できる限り自分で対応するようにしています。
遺留分の事例は、解決までに時間がかかることが多い
―これまでに印象に残った相続案件はありますか?
遺留分の案件は印象に残りやすいかもしれません。遺留分を請求する側、される側で受けても、もめていることが多いですからね。どっちにしろ訴訟になっていれば、解決に時間がかかりますし。
遺留分にもいろんなパターンがあるんですが、親の預金を子どもが勝手に預金を使い込んだケースは結構大変でしたね。親が亡くなって遺書と残された財産を見てみると「遺産が少ない」と他の兄弟が疑うんです。
正直、生前から少しずつ親の財産を使っていても他の兄弟にはわからないんですよ。使った本人も当然しらを切って「お父さんやお母さんが自分で使ったんじゃないの」と言えば、やりようがない。
他の兄弟も「通帳見せて」なんて言いづらいじゃないですか。なので親が生きているうちは、認知症になって成年後見人がつかない限り、預金の動きってわからないんです。
だから、親が亡くなってから判明して、紛争になってしまうことが多いですね。銀行の取引履歴を取り寄せて、通帳と照らし合わせながら確認します。十年分とかあると結構大変です。
協議でまとまらないと最終的に裁判になります。でもそうなると裁判官が証拠を見て判決を下してくれるので、弁護士としては精神的にラクかもしれませんね。
―精神的に大変なときもあるんですか?
相続の話し合いがまとまらないときは、精神的に大変です。相手方が弁護士をつけていれば良いけど、いない場合もありますから。特に相続は感情的な話になるのでなかなか解決しない。長年の思いがあるので、お互い割り切れない部分がありますから。
依頼者が望む100%の解決ができないこともある。弁護士が依頼者を説得するときは、とても気を遣いますね。
弁護士は自分が事業をするための「ツール」
―弁護士を目指したきっかけはありますか?
まず前提として、サラリーマンとして会社の一員になるのは嫌だと思っていたんです。でもある程度リターンの大きい仕事がしたいと考えていて。
私が大学生の頃はホリエモン(元株式会社ライブドア代表)や三木谷浩史さん(楽天グループ株式会社創業者)がテレビによく出ていたんですが、そういった事業を興す人も何年間は会社員をやっている。でもやっぱり私はサラリーマンをやりたくなくて。(笑)
ベンチャー企業をやるのはどうしても、ハイリスク・ハイリターン。そう考えたとき、弁護士ならある意味ミドルリスク・ミドルリターンだと思ったんです。司法試験に合格すれば良いし、資格がないとできないから他人の参入障壁は非常に高い。自分で事業をやるうえで一番リスクが低いと思ったんです。
勉強は好きだし一応得意ではあったので、じゃあ司法試験に挑戦しようと決めました。
―すごく合理的な理由ですね。実際弁護士になってみていかがですか?
弁護士になってから気付いたのですが、弁護士という仕事は、産業として成熟していると思われがちですが、非常に成長性のある分野だと思っています。
現在は、裁判でもIT化が進み、社会のIT化進むにつれて、弁護士としても、ツールとしてのITを使いこなせることはもちろん、IT社会において生じる法律問題についても、弁護士の活躍する場は増えてくるものと思います。
得意の中国語を活かして、中国人からの法律相談も受ける
―藤井先生は中国語が堪能と伺いました。いつ勉強したんでしょうか?
中国語は普通にできますよ。10年くらい前にしばらく中国にいたことがあって、その前後で勉強しました。なので、中国人の方から法律相談を受けることもあります。
企業案件とかで中国語を使用する弁護士の先生はいると思うけど、私みたいに中国語ができて一般民事、刑事事件を処理している弁護士はあんまりいないと思っています。
日本で生活している中国人の方も日本語が完璧とは限らないし、母国語で話したほうがわかりやすい人もいますから。
弁護士に依頼したデメリットまで、余すことなく伝える
―相談者の方と話すときに、工夫していることはありますか?
いくつかありますが、まずはわかりやすく話すことですね。難しい法律用語は使わないし、「じゃあ依頼者さんが言いたいのは、こういうことですね」って話の中で大事なことは確認するようにします。
あとは、できるだけノーと言わない。「それは法律的にできません」って言うのは簡単なんだけど、それでは能がないですから。私としても、相談者さんの希望はできるだけ叶えてあげたいと思っています。
じゃあどうすればできるのか、どこがポイントで懸念材料はあるのか。そこをどう回避すれば良いか順を追って考えます。相談者さんがやりたいと言ったことに、ノーと言わない提案を考えるようにします。
もうひとつ、私は必ずデメリットも伝えるようにしています。解決のためのパターンとそのメリット・デメリットは必須です。
弁護士を入れないパターンもありますから、その場合も言います。「こういうパターンだったらこうなることが多いから、私が入っても結果にコミットできないと思います」「お金がもったいないので、弁護士を入れるのは自由ですけどよく考えてくださいね」とか。
もちろん、他の弁護士のところに行っても良いと思いますし。「やりましょうと簡単に言う弁護士は、信じないほうが良いですよ」まで伝えています。(笑)
―すごく相談者さんのことを考えてくれるんですね。依頼が減ってしまいませんか?
仕事につながらなくてもしょうがないです。無理やり依頼を受けても、依頼者さんに不信感を与えてしまう可能性もありますし。それでトラブルになってしまうと、返金したりして逆に高くついちゃうんですよね。
―お互いのために、無理な依頼は受けないということですね。最後に、相談を検討している人にメッセージをお願いします。
わからないことがあったら、相談してみたら良いんじゃないかなと思いますよ。「弁護士は敷居が高い」と思うかもしれませんが、全然高くないので。
なるべく対面で、1時間くらいじっくりお話を聞きたいと思います。そのほうが良いアドバイスができますから。それで人となりがわかって「この先生に依頼してみたい」と思えば、依頼することを考えてもらえれば良いので。
―ありがとうございました!
▶藤井鉄平法律事務所ご希望の地域の専門家を探す
ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。