相続放棄の無料相談・電話相談の相談先・相談窓口のすべて
本記事は、いい相続の姉妹サイト「遺産相続弁護士ガイド」で2021年4月9日に公開された記事を再編集したものです。
相続放棄について相談したい場合、どこに相談すればよいのでしょうか?無料相談や電話相談もできるのでしょうか?
この記事では、相続放棄の相談先や相談窓口について、わかりやすく説明します。
この記事を書いた人
相続専門のポータルサイト「いい相続」は、相続でお悩みの方に、全国の税理士・行政書士・司法書士・弁護士など相続に強い、経験豊富な専門家をお引き合わせするサービスです。提携する税理士・行政書士は初回面談無料、相続のお悩みをプロが解決します。遺言書や遺産分割協議書の作成、相続税申告のご相談、相続手続の代行など「いい相続」にお任せください。
また「いい相続」では、相続に関連する有資格者の皆様に、監修のご協力をいただいています。
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相続放棄の相談先
相続放棄の主な相談先は、次のとおりです。以下、それぞれについて説明します。
弁護士
弁護士は相続放棄の法的な点について相談できる、ほぼ唯一の専門家です。
弁護士には、相続放棄に関するあらゆることについて相談することができます。例えば次のような相談の相談先としては、弁護士が最適です。
- 他の相続人から相続放棄するように求められる場合はどうすればよいのか?
- 申述書や照会書にどのように記載すれば受理されやすいか?
- 遺産を少し使ってしまったが、相続放棄できないか?
- 相続放棄をすると生命保険金は受け取れないのか?入院給付金は?
- 公共料金や病院代等の支払は遺産からしてよいのか?相続放棄するなら支払う必要がないのか?
- 相続放棄をしても高額医療費の払戻しを受けられるのか?
- 形見分けは大丈夫か?遺品整理は?
- 葬儀代を遺産から支払うと相続放棄できなくなるのか?
- うっかり期限を過ぎてしまったが、相続放棄できないか?
- 相続放棄が受理された後なら財産を処分してもよいのか?
- 亡くなった人の債権者への対応方法は?
- 全員が相続放棄をすると遺産はどうなるか?
- 相続放棄をしたら空き家等の遺産は管理しなくてよいのか?
なお弁護士には、相談だけでなく、相続放棄の手続きを依頼することもできます。
弁護士に相談するメリット
弁護士に手続きを依頼すると、次のようなメリットがあります。
- 相続放棄の申述が家庭裁判所に受理される可能性が高まる
- 手間がかからない
- 相続放棄をするに当たって、してもよいこととしてはいけないことが確認できるので、安心できる
- 債権者から請求があった場合にも対応してもらえる(ただし、別途費用が必要なことがある)
自分で手続きをすることが完全に決まっていて、その場合の手続き方法について相談したい場合は、弁護士ではなく、後述の家庭裁判所に相談するとよいでしょう。
ただし、自分で手続きをすると、手間がかかるため期限内に手続きができず相続放棄できなくなってしまったり、遺産から支払ってはいけないお金を支払ってしまい相続放棄できなくなることも。
反対に、相続放棄をする場合でも受け取ってよいお金を知らずに自重して受け取らなかったりといったリスクが生じます。
司法書士
司法書士には、裁判所に提出する書類の作成を依頼することができます。
しかし、弁護士の項目で挙げたような、相続放棄に関する法律相談には対応していません(弁護士でない者がこれを行うと弁護士法72条に抵触するおそれがあります。)。
したがって、相続放棄に関して司法書士に相談することが適切なケースとしては、主に、書類の作成を依頼することを検討していて、そのことに関して不明点があるような場合です。
司法書士は弁護士と比べて相談できる範囲だけでなく、相続放棄の手続きに関してできることの範囲についても、次のような制限が設けられています。
また、特に親族間で相続をもめておらず、登記の手続きのみ依頼したいという場合などです。
- 司法書士には、弁護士の項目で挙げたような相続放棄に関する法律相談をできないので、遺産から支払ってはいけないお金を支払ってしまい相続放棄できなくなってしまったり、反対に、相続放棄をする場合でも受け取ってよいお金を知らずに自重して受け取らなかったりといったリスクが生じる。
- 司法書士の場合は、相続放棄照会書・回答書が本人に送られてくるので、司法書士に転送しなければならないが、弁護士の場合は、弁護士に送られてくるので手間がかからない。
- 司法書士の場合は、相続放棄照会書・回答書は本人が記入しなければない(文案は司法書士が作成してくれます)が、弁護士の場合は、弁護士が代理で記入することができるので、手間がかからない。
- 家庭裁判所から出頭要請があった場合、司法書士の場合は本人が出頭しなければならないが、弁護士の場合は代わりに出頭できるため、手間がかからない。
司法書士にこのような制限が設けられているのには、以下のような理由があります。
弁護士になるためには、司法試験に合格し、司法修習を終了しなければならないため、法律家としての高度かつ広範な知識と技術が資格・教育制度により担保されているといえます。
一方、司法書士は、法律に関する資格ではあるものの、司法試験とは異なる試験を経て取得する資格であり、司法修習のような制度もないため、依頼者保護の観点から、業務範囲に一定の制限が設けられているのです。
以上のような点を考慮して、司法書士に依頼するか、弁護士に依頼するかを検討するとよいでしょう。
家庭裁判所
家庭裁判所では、相続放棄の手続きについて相談できます。
具体的には、必要書類や申述書の書き方などに関する不明点について相談できます。
相談方法は家庭裁判所によって異なります。申立先の家庭裁判所に電話して、相続放棄の手続きについて相談したい旨を伝えると、相談方法についての案内を受けられるでしょう。
なお、申立先は、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。管轄の家庭裁判所が分からない場合は、次の手順で確認できます。
- 裁判所ウェブサイトの「裁判所の管轄区域」のページにアクセス
- 手続先の都道府県をクリック(又はタップ)
- 該当する区市町村を検索(ウェブブラウザのページ内検索機能(ショートカットキー:Ctrl+F)を利用すると便利)
- 「地方・家庭裁判所」の欄を確認
- 「家裁出張所」欄に記載があればその家裁出張所、「支部」欄に記載があればその家庭裁判所支部、いずれも記載がなければ「本庁」の家庭裁判所が申立先
管轄区域の見方がよく分からない場合は、最寄りの家庭裁判所で尋ねれば教えてもらえるでしょう。
しかし、管轄区域の確認の段階でつまずいてしまうようですと、その後の手続きでもつまずいてしまう可能性が高いため、始めから専門家に依頼することをおすすめします。
相続放棄の手続きには期限があり、手続きでつまずいているうちに期限を過ぎてしまうと、相続放棄できなくなってしまいます。なお、相続放棄の期限は、原則として、相続の開始を知った時から3か月です。
なお、家庭裁判所に相談できるのは手続きに関することのみであり、手続き以外の、例えば、前掲の以下のような相談はできません(再掲)。
- そもそも相続放棄をした方がよいか?
- 他の相続人から相続放棄するように求められる場合はどうすればよいのか?
- 申述書や照会書にどのように記載すれば受理されやすいか?
- 遺産を少し使ってしまったが、相続放棄できないか?
- 相続放棄をすると生命保険金は受け取れないのか?入院給付金は?
- 公共料金や病院代等の支払は遺産からしてよいのか?相続放棄するなら支払う必要がないのか?
- 相続放棄をしても高額医療費の払戻しを受けられるのか?
- 形見分けは大丈夫か?遺品整理は?
- 葬儀代を遺産から支払うと相続放棄できなくなるのか?
- うっかり期限を過ぎてしまったが、相続放棄できないか?
- 相続放棄が受理された後なら財産を処分してもよいのか?
- 亡くなった人の債権者への対応方法は?
- 全員が相続放棄をすると遺産はどうなるか?
- 相続放棄をしたら空き家等の遺産は管理しなくてよいのか?
このような点について理解しないまま、自分で手続きをすると、相続放棄が受理されなかったり、後から問題が生じるおそれがあります。
▼めんどうな相続手続きは専門家に依頼しましょう▼市役所
市役所(区役所、町役場及び村役場を含む)によっては、弁護士による無料相談を実施していることがあります。
かつては、法律相談が基本的に有料であったため、役所の実施する無料法律相談は貴重な機会でしたが、現在は、弁護士報酬の自由化によって無料相談をおこなっている弁護士もいます。
法テラス
「法テラス」は、正式には「日本司法支援センター」という名称で、国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」です。
法テラスを利用すると、法テラスと契約している弁護士・司法書士の無料法律相談を受けることができます。
ただし、利用にあたっては、原則、収入や資産が一定額以下であるなどの条件があります。
利用基準については、法テラスのウェブサイトのこちらのページでご確認ください。
利用基準を満たす場合は、法テラスを利用できますが、以下のような注意点を考慮のうえ、利用するかどうかを決めるとよいでしょう。
- 審査が通るまでに時間がかかる
- 専門家を自由に選べない
- 経験の浅い専門家が多い
それぞれの点について説明します。
審査が通るまでに時間がかかる
法テラスを通じて弁護士や司法書士に依頼する場合、必要書類を取り揃え、審査を経て、契約を締結して、ようやく手続きを進めてもらうというながれになります。
審査には、2週間以上かかることもあります。
相続放棄の期限(相続の開始を知った時から3か月)が迫っている場合は、間に合わなくなるおそれがあります。
専門家を自由に選べない
すべての弁護士・司法書士が法テラスと契約をしているわけでなく、むしろ法テラスと契約している弁護士・司法書士は少数派ですので、専門家を自由に選ぶことはできません。
経験の浅い専門家が多い
法テラス経由で依頼できる専門家は、法テラスのスタッフとして働いている専門家と、法テラスと契約している外部の専門家がいます。
法テラスのスタッフとして働いている専門家は、経験の比較的浅い若手が多いようです。
まとめ
以上、相続放棄の相談先について説明しました。相続放棄の手続きは複雑なので、不安な方は専門家に依頼することをおすすめします。
また相続手続きは相続登記だけではありません。遺産分割協議書の作成や相続税申告など、必要な相続手続きもケースによって異なります。まずはどのような手続きが必要か、相談してみるのも良いでしょう。
いい相続では、相続に強い専門家をご紹介しています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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