遺産分割協議書のエクセルの雛形はある?ワードで作成すべき理由
本記事は、いい相続の姉妹サイト「遺産相続弁護士ガイド」で2020年6月10日に公開された記事を再編集したものです。
遺産分割協議書を作成する際に、どのアプリ(ソフト)を使いますか?
ワードで作成することが多いかと思いますが、エクセルの雛形をお探しの方も多くいらっしゃるようです。
この記事では、遺産分割協議書のエクセルの雛形について説明します。是非、参考にしてください。
目次
この記事を書いた人
相続専門のポータルサイト「いい相続」は、相続でお悩みの方に、全国の税理士・行政書士・司法書士・弁護士など相続に強い、経験豊富な専門家をお引き合わせするサービスです。提携する税理士・行政書士は初回面談無料、相続のお悩みをプロが解決します。遺言書や遺産分割協議書の作成、相続税申告のご相談、相続手続の代行など「いい相続」にお任せください。
また「いい相続」では、相続に関連する有資格者の皆様に、監修のご協力をいただいています。
▶ いい相続とは
▶ 監修者紹介 | いい相続
遺産分割協議書のエクセルの雛形はある?
遺産分割協議書のエクセルの雛形を公開しているウェブサイトはあるのでしょうか?
当サイトのスタッフが数十のウェブサイトを確認して回りましたが、エクセルの雛形は見当たりませんでした。
▼忘れている相続手続きはありませんか?▼遺産分割協議書はワードで作成すべき理由
ニーズがあるのに他のサイトで作成されていないなら、当サイトで作成しようと試みました。
しかし、作成している最中に、エクセルは遺産分割協議書に向かないことに気が付きましたので、その点について説明します。
エクセルが遺産分割協議書の作成に向かないと考える主な理由は、次の3つです。
- 改行ごとにセルを分けて作成すると、文言変更によってある行の文字数が変わった場合にそれ以降のすべての行に調整が必要になる
- 印刷するときに文字が切れてしまう(パソコン上の表示よりも印刷した時に文字幅が大きくなる)
- 複数のセルに分かれた文章をコピーして、他のアプリ(ソフト)に貼り付けすると、体裁が崩れて読みにくくなる
よって、当サイトとしては、遺産分割協議書はワードで作成すること推奨します。
▼あなたに必要な相続手続き、ポチポチ選択するだけで診断できます!▼遺産分割協議書の雛形(ワード)のご紹介
遺産分割協議書の雛形(ワード)は、以下のリンクからダウンロードすることができます。ご自由にお使いください。
遺産分割協議書作成のポイント
遺産分割協議書作成のポイントについて説明します。
誰がどの遺産を相続するかを明確にする
遺産分割協議書を作成するときに最も大切なことは、「誰が」「どの財産を」相続するかを明確に記載する必要があるということです。
そのため、相続人ごとに、その相続人がどの財産を相続するかを記載していくのが一般的です。
不動産の分割に関する記載方法
不動産の遺産分割に関しては、どの不動産を分割するかについて、登記簿の記載のとおりに記載する必要があります。
例えば、土地であれば、登記簿の表題部の
- 所在
- 地番
- 地目
- 地積
を記載するようにします。
「長男が自宅を相続する」などという記載方法では「自宅」がどの不動産を指すのか明確でない場合がありますし、そもそも、そのような方法では登記ができません。
預貯金の分割に関する記載方法
預貯金の遺産分割に関しては、その預貯金が存在する
- 銀行名
- 支店名
- 種別(普通預金か定期預金か等)
- 口座番号
- 口座名義
を記載するようにします。
有価証券(株式等)の分割に関する記載方法
株式等の有価証券の遺産分割については、銘柄名等によって特定する必要があります。
また、その有価証券を証券会社に預けている場合には、証券会社名や口座番号等も併せて記載する必要があります。
代償分割について
相続財産の中に、一筆あるいは一棟の不動産のような分割しにくい財産がある場合に、その不動産をある相続人が単独で相続する代わりに、他の相続人に自分の財産から現金でいくらかを支払う、という約束をする場合があります。
このような分割方法を代償分割といいます。
代償分割に関する合意も、遺産分割協議書の中で記載しておくことが大切です。
遺産分割協議の時点で判明していない財産の分割について
遺産分割協議を行った後に財産が発見される場合もあります。
そのような可能性を踏まえて、もし協議の時点で判明していない財産が協議の後で発見された場合にどうするか、ということも事前に決めておいて遺産分割協議書に記載することで、後からトラブルが発生する可能性を低くすることができます。
実印を押す必要があるか
遺産分割協議書を作成したときには、協議が成立したことを証明するために、相続人全員が協議書に押印する必要があります。
その押印は必ずしも実印であることが必須ではありませんが、不動産や預貯金の名義変更をするために、法務局や銀行等に提出する場合には、実印の押印と相続人の印鑑証明書の添付が求められることがほとんどですから、遺産分割協議書への押印は実印で行うのが一般的です。
捨印を押す必要があるか
遺産分割協議書を作成する場合に、欄外に捨印を押印する場所があることがあります。
これは、協議書の内容に、誤記があった場合に、遺産分割協議書自体を作り直したり、訂正箇所に相続人の印鑑をもらったりする手間を省くために、あらかじめ押印しておくものです。
捨印を押印すると、後から悪用されて遺産分割協議書の内容が書き換えられてしまうので押印しない方がよい、という意見もありますが、捨印によって訂正ができるのは、誤記等に止まり、誰が相続するかといった重要な部分を訂正することはできない、と考えられていますから、悪用される危険性については、リスクを理解しつつも、それほど過敏になる必要はないといえます。
借金がある場合にはどうするか
被相続人に借金があった場合、これを誰が相続するかについて遺産分割協議で決めたとしても、債権者に対する関係では効力がありません。
借金は、遺言や遺産分割協議の内容にかかわらず、相続人が、その法定相続分に応じて相続するからです。
例えば、被相続人に配偶者と子が2人いる場合に、遺産分割協議において、「借金はすべて長男Aが相続する」と決めたとしても、債権者は、相続人である配偶者と子供2人に対して、その法定相続分に応じて借金の返済を請求することができます。
ただ、「借金はすべて長男Aが相続する」という合意は、相続人の間では有効ですから、上記の場合に、配偶者が借金の返済をした場合、長男Aに返済した金額の支払いを求めることができるという意味では、遺産分割協議書に記載する意味はあるといえるでしょう。
▼何をすればいいか迷っているなら、今すぐ調べましょう▼遺産分割協議書の作成は専門家に依頼できる
遺産分割協議書は自分でも作成できますし、専門家に依頼するとどうしても費用が発生してしまいます(すでに相続人間で分割案について同意がとれており、単に遺産分割協議書の作成だけであれば、5〜15万円程度で作成してもらえる場合が多いでしょう。
ただ、相続人間の交渉を行ったり、相続人の調査や財産の調査、不動産の移転登記など遺産分割に伴う手続きを依頼すると実費を含めてさらなる報酬金額が発生する可能性が高いです。)
ただ、遺産分割協議書は、不動産の登記や預貯金の名義変更、相続税の申告等を行う際にその提出を求められる場合があり、そのためには正確な記載が求められます。
記載が正確でないと訂正をしたり、協議書自体を作成し直したりしなければならなくなる可能性や、後で相続人の間でトラブルになる可能性があります。
そこで、正確な記載をしてもらうために、専門家に作成してもらうというのも一つの方法です。
また、専門家に遺産分割協議書の作成を依頼することで、手間がかかることの多い戸籍謄本等の必要書類の収集や不動産の名義変更等の手続きをスムーズに進めることができるというメリットもあります。
遺産分割協議書の作成は誰に頼むべき?
遺産分割協議書の作成を頼める専門家には、次の3つがあります。
行政書士に依頼すべき場合
行政書士に遺産分割協議書の作成を依頼すべき場合は、遺産分割協議が整い、遺産分割協議書の作成のみお願いしたい場合です。
遺産分割協議書作成の料金の目安は88,000円程で、他の士業より安価になる場合もあります。
さらに行政書士は、戸籍の収集や銀行口座の解約手続きなども一緒に依頼することができます。どちらも自分で行うのは結構な手間のかかる作業ですので、合わせて依頼するのもひとつの手です。
行政書士の仕事は多岐に渡り、相続業務を専門としていない場合もあります。いい相続では、相続に強い行政書士を紹介していますので、お気軽にお問い合わせください。
司法書士に依頼すべき場合
司法書士も遺産分割協議書の作成を依頼することは可能です。ただし、料金については行政書士より高くなる可能性があります。
それでも司法書士に依頼する場合があります。それは、遺産に不動産が含まれており、相続登記を一緒に依頼したい場合です。
相続登記とは、不動産を相続したときに必要な名義変更のことです。相続登記は義務化が決定しているため、そのまま放置せず速やかに手続を行いましょう。
司法書士事務所によっては、相続登記と遺産分割協議書の作成、戸籍収集などのトータルの料金で7~15万円程度のパック料金を設定しているようです。
弁護士に依頼すべき場合
弁護士に遺産分割協議書の作成を頼む場合は、遺産分割協議がうまくまとまらなかったりトラブルを解決して欲しい場合です。
遺産分割協議が整わないと、遺産分割審判や遺産分割調停を利用することになります。遺産分割協議は相続人の合意がなければ成立しませんから、その解決を図るために弁護士に依頼するというわけです。
法律を駆使した交渉や法律相談は、弁護士のみ認められている行為です。司法書士や行政書士が行うと「非弁行為」として弁護士法に違反します。
遺産分割審判や調停が終了し、遺産分割協議書を作成してもらいます。
弁護士に依頼すると難しい相続人間の対立も解決してもらえますが、その分費用は高くなります。
まとめ
以上、遺産分割協議書はエクセルではなくワードで作成した方がよい理由と、遺産分割協議書の作成方法について説明しました。
専門家の力をうまく活用して、手間なく相続手続きを進めましょう。
▼相続のことでお悩みなら、今すぐ無料相談▼
▼実際に「いい相続」を利用して、専門家に相続手続きを依頼した方のインタビューはこちら
この記事を書いた人
相続専門のポータルサイト「いい相続」は、相続でお悩みの方に、全国の税理士・行政書士・司法書士・弁護士など相続に強い、経験豊富な専門家をお引き合わせするサービスです。提携する税理士・行政書士は初回面談無料、相続のお悩みをプロが解決します。遺言書や遺産分割協議書の作成、相続税申告のご相談、相続手続の代行など「いい相続」にお任せください。
また「いい相続」では、相続に関連する有資格者の皆様に、監修のご協力をいただいています。
▶ いい相続とは
▶ 監修者紹介 | いい相続
ご希望の地域の専門家を探す
ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。