遺産分割協議書と遺産分割協議証明書、それぞれを利用すべきケースとひな形のダウンロード方法
遺産分割協議証明書というものがあると聞いたけれど、遺産分割協議書との何が違うの?
利用方法に違いはあるの?どこかのサイトにひな形はないの?ダウンロードして自分で作れるの?・・・。
この記事では、遺産分割協議書や遺産分割協議証明書それぞれの違いや利用すべきケースなどについて説明します。是非参考にしてください。
この記事はこんな方におすすめ:「遺産分割協議をする人」「相続登記をする人」
この記事のポイント:
- 遺産分割協議書と遺産分割協議証明書は、それぞれ利用すべきケースが異なる
- 遺産分割協議証明書は便利だがデメリットも
- 遺産分割協議による相続登記には、遺産分割協議書が必要
目次
遺産分割協議書と遺産分割協議証明書の違い
遺産分割協議証明書と遺産分割協議書の違いは、各遺産の取得者が個別に証明するものが遺産分割協議証明書、すべての相続人がまとめて証明するものが遺産分割協議書です。
では、遺産分割協議書、遺産分割協議証明書とは何でしょうか。
遺産分割協議書とは?
遺産分割とは、亡くなった人が所有していた財産(遺産)を、その人の死亡と同時にもらい受ける権利のある人が複数いる場合に、その人たちの間で遺産を分けることです。
この遺産分割協議の結果を書面にしたものを遺産分割協議書と言います。
遺産分割協議書について詳しくは「遺産分割協議書を全解説|作成の目的から書き方、必要書類まで【行政書士監修】」をご参照ください。
遺産分割協議証明書とは?
遺産分割協議証明書も、遺産分割協議書と同様、遺産分割の結果を書面にしたもので、遺産分割証明書と呼ばれることもあります。
遺産分割協議書は相続人全員が署名押印する必要がありますが、遺産分割協議証明書は署名押印するのは相続人一人です。遺産分割協議証明書によって証明できるのは「署名押印した一人の認識」です。
遺産分割協議証明書について詳しくは「遺産分割協議証明書の正しい書き方とひな形、遺産分割協議書との違い」をご参照ください。
▼相続が発生したらまずは、必要な手続きを把握するところから始めましょう▼
遺産分割協議書と遺産分割協議証明書それぞれを利用すべきケースは?
遺産分割協議証明書や遺産分割協議書は、どちらも相続手続に利用します。
遺産分割協議証明書は相続人が多い時に便利
相続人が近くに住んでいる場合は、全員が一堂に会して遺産分割協議書に署名・押印することができるので、このような場合は、遺産分割協議書が適しています。相続人全員が集まることができない場合は、郵送等で各相続人に順次回していき、署名・押印を集めることもできます。
相続人の数が多いと、全員の署名・押印が終わるまでに日数がかかるでしょうし、途中で紛失することもあるでしょう。
この点、遺産分割協議証明書の場合は、各相続人が個別に署名・押印することができるので、遺産分割協議書の場合よりも日数が短縮できることが期待できますし、途中で紛失されて一からやり直しということもありません。
したがって、相続人の数が多く、かつ、散り散りに住んでいる場合は、遺産分割協議書よりも遺産分割協議証明書の方が便利であるといえます。
遺産分割協議書は相続人が別々に手続きする時に便利
遺産分割協議書の場合は、各相続人がそれぞれ原本を1通ずつ持ちますが、遺産分割協議証明書の場合は、基本的には代表者しか原本を持ちません。
一人が代表してすべての相続手続を行う場合は、遺産分割協議証明書で問題ありませんが、それぞれが相続手続を行うのであれば、遺産分割協議書の方が便利でしょう。
▼今すぐ診断してみましょう▼遺産分割協議証明書を法務局に提出する場合とは?
遺産分割協議書や遺産分割協議証明書を法務局に提出するのは、遺産分割によって不動産を取得した人が、その不動産の相続登記(所有権移転登記)をするときです。 相続登記は、通常、司法書士に依頼しますが、自分で行うことも可能です。
相続登記の申請は、その相続不動産を管轄する法務局で行います。 全国の法務局とその管轄エリアは、法務局の「管轄のご案内」ページで確認することできます。
登記には登記原因証明情報が必要ですが、遺産分割協議によって不動産を取得した場合は、遺産分割協議書(または遺産分割協議証明書)等が登記原因証明情報となります。
相続登記については「不動産を相続するにはどうしたらいいの?相続登記について解説【行政書士執筆】」も併せてご参照ください。
▼めんどうな相続手続きは専門家に依頼しましょう▼相続登記のための遺産分割協議書は法務局のホームページからダウンロード
遺産分割協議書の様式に決まった様式はありません。
縦書きでも横書きでも構いませんし、パソコンで作成しても手書きで作成しても、いずれでも問題ありません。
主な決まり事としては、遺産分割を受ける権利を持っている人(共同相続人、包括受遺者、相続分譲受人)の全員が押印するということと、複数枚に及んだ場合はページのつなぎ目に契印を押すということが挙げられます。
法務局のホームページでは所有権移転登記申請書に添付する遺産分割協議書の記入例が公開されていて20)所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)の項目からひな形をダウンロードできます。
一方、遺産分割協議証明書には、すべての財産を記載する方式と自分の取得した財産だけを記載する方式がありますのでさらに詳しく知りたい方は「遺産分割協議証明書とは?メリットデメリットや遺産分割協議証明書との違い、書き方の見本付き【行政書士監修】」を参考にしてください。
この記事のポイントとまとめ
以上、遺産分割協議書や遺産分割協議証明書を法務局に提出する際の知識について説明しました。この記事のポイントをまとめます。
遺産分割協議書や遺産分割協議証明書は相続人たちが遺産をどのように分けるかの協議した結果をまとめたものです。遺産分割協議書を相続登記で利用したい場合は、法務局のホームページからひな形をダウンロードできます。
遺産分割協議証明書は、相続人の数が多くても作成日数が短縮でき便利ですが、代表者しか原本を持てないという欠点もあり、相続人が近くに住んでいる場合は遺産分割協議書が適しており、相続人が散在している場合は遺産分割協議証明書が便利です。
遺産分割協議書の作成は、行政書士に依頼することが可能です。いい相続では、相続に精通した専門家をご紹介しています。相談も初回面談も無料ですのでお気軽にお問い合わせください。
▼実際に「いい相続」を利用して、専門家に相続手続きを依頼した方のインタビューはこちら
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