相続経験者に聞いた【東京都】の相続とは│実際に行った手続きや情報収集方法を大公開！更新日: 2025年3月7日

記事についての注意事項

本記事の内容は、原則、記事執筆日（2025年2月7日）時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

相続手続き

東京都の相続の傾向

相続財産の総額は全体と比較して1～2億円の割合が高い
税理士に相続税申告を依頼した人も全体より多く、遺産額が大きいことがわかる
東京都に住む人の相続の76.25%が専門家に依頼

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相続にまつわる課題は世代や地域によって大きく異なります。しかし、実際はどのように異なるのかわからないですよね。お金や相続の話はしづらいという場合もあるでしょう。

本アンケートでは、相続手続きを経験した人に、具体的な手続き内容や大変だったことなどを尋ねました。この記事では特に東京都にお住まいで相続手続きをおこなった方についてピックアップしています。

相続準備や家族との話し合いに役立つ内容になっています。是非参考にしてください。

相続財産の総額・内訳
相続人の人数と被相続人との続柄
手続きにかかった期間
専門家依頼の有無
情報収集の方法
東京都の相続で大変だったこと
まとめ

相続財産の総額・内訳

東京都に住む人の相続では相続財産の総額が1億円以上～2億円未満が最多で、17.46%となりました。

次いで1,000万円以上～2,000万円未満が16.67%、5,000万円以上～8,000万円未満が15.08%、1,000万円未満が11.90%です。2,000万円～3,000万円未満も11.11%と、大きな差は開かず幅広い分布となっています。

4,000万円以上～5,000万円未満が7.94%、3,000万円以上～4,000万円未満が7.14%、2億円以上が4.76%でした。

全体と比較すると、全体では1,000万円以上～2,000万円未満が最も多いのに対し、東京都では１億円以上～2億円がの割合が多いことがわかります。また東京都は全体と比べても相続財産の額が多いようです。

相続財産の内訳

東京都の相続の相続財産内訳は現金・預貯金が38.81%と最多、次いで土地・建物が30.42%でした。

それに続き生命保険が15.03%、有価証券・投資信託など金融商品が10.49%、自動車が2.10%、山林・農地が2.10%となりました。

全体と比較すると東京都は現金・預貯金の割合が高く、土地・建物は少し低くなることがわかります。また生命保険と金融商品は全体よりも高く、東京都に住む人は資産形成や相続対策、投資などに興味ある人も多いようです。

やはり現金・預貯金と土地・建物の割合が高く、主要な相続財産と言えるでしょう。

土地・建物を相続した場合、相続登記の手続きが必要です。相続登記は相続して3年以内に手続きすることが義務付けられているため、速やかに手続きをおこないましょう。

相続登記については「相続登記の手続きと必要書類、放置した場合のリスクまで徹底解説【司法書士監修】」を参考にしてください。

相続人の人数と被相続人との続柄

東京都の相続では、相続人3人が38.10%と最も多く、次いで2人が37.30%、1人が13.49%、4人が7.94%、5人以上が3.17%となりました。

相続人3人と2人をあわせて75.4％とかなりの割合を占めていることわかります。全体と比べても4％ほど高く、東京都の特徴と言えます。また、相続人1人の割合は全体より高く、4人もしくは4人以上は全体より低く、東京都の相続人は少なめであるとわかります。

被相続人から見た相続人の続柄

東京都の相続について、被相続人（亡くなった人）から見た相続人の続柄は、子が他より圧倒的に多く58.72%でした。子が相続人となる相続が6割程度となるようです。

次いで配偶者が20.35%、兄弟・姉妹が12.79%、父・母が3.49%となりました。甥・姪が2.33%、孫が1.74%と少数です。

甥・姪や孫が相続人となるケースは、子が亡くなっていたり兄弟・姉妹がいない場合など少ないため、割合としても少なくなりました。

手続きにかかった期間

手続きにかかった期間は3か月未満が最も多く24.80%でした。次いで3か月～6か月未満が22.40%、6か月～9か月未満が20.00%、9か月～1年未満が16.00%となりました。

したがって1年未満で相続手続きが終わる場合が全体の83.2%と、1年かからず手続きが完了する場合が多いようです。

その一方、1年～1年半未満が7.20%、1年半～2年未満が4.00%、2年以上～3年未満が3.20%と、手続きが長期間にわたる場合も見られます。

専門家依頼の有無

相続手続きで依頼した専門家は司法書士が最も多く26.88%でした。次いで税理士が25.00%、行政書士が13.75%、弁護士が10.63%となりました。その他の専門家が2.50%でした。

その一方、専門家に依頼していない割合は21.25%でした。したがって東京都の76.25%程が専門家に相続手続きを依頼したと言えます。東京都の人はかなり多くが専門家に依頼しているようです。

専門家に依頼した内容

実際に専門家に依頼した相続手続きの内容としては、相続登記が最も多く15.88%でした。次いで遺産分割協議書の作成と相続税申告が同じく12.06%、相続財産目録の作成が10.29%と続きます。

専門家に手続きを依頼する理由として、相続登記や相続税申告など自分でやるには手続きが難しいことが挙げられます。特に相続税申告は相続税の計算を正確に行わなければならず、控除なども含めて計算しなければなりません。一般の人には難しいことが多いでしょう。

専門家に支払った金額

専門家に支払った金額のアンケートでは、～10万円未満が最も多く19.78%でした。

また、次に多いのが100万円以上で18.68%と、高額なものが続きました。これは相続税申告を依頼した人が支払ったと思われます。相続税申告の専門家報酬は遺産額に応じて設定される場合が多いからです。

前述の「相続財産の総額」からも、東京都に住む人は相続財産が多いため、相続税申告を依頼する人が多いと考えられます。

手続きによって依頼する専門家が異なります。銀行解約や戸籍収集、遺産分割協議書の作成などは行政書士、司法書士に依頼することができます。相続登記は司法書士のみ対応でき、相続税申告は税理士に依頼します。

どの専門家に相談すれば良いかわからない場合、いい相続にお問い合わせください。いい相続では相続専門スタッフがお客様のお話を聞き、相続に強い適任の専門家を紹介しています。

専門家の選び方や費用については「遺産分割協議書の作成は誰に頼むのが良い？費用はどのくらい？【行政書士監修】」を参考にしてください。

情報収集の方法

相続手続きに関する情報収集でもっとも役に立ったものとしては、インターネット検索と税理士事務所が同じく17.46%でした。

次に多いものが司法書士事務所で13.49%でした。次いで銀行・証券会社など金融機関、弁護士事務所が同じで9.52%です。

東京都に住む人の相続では、前述のデータより相続税申告をする人が多いため、税理士事務所に訪れた人が多いと考えられます。

東京都の相続で大変だったこと

東京都の相続で大変だったことという質問では、「必要な書類が多い」が21.62%と最多となりました。また「時間がかかる」が16.55%、「手続き先が複数」が14.53%と続きます。

このことから相続手続きには多くの書類が必要となり、手続きに時間がかかることがわかります。前述より、あらゆる情報媒体から相続の情報収集をおこなったこともわかります。

実際、相続手続きには被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍や印鑑証明書、住民票など多くの書類が必要となります。役所に訪れないと取得できないものもあり、東京都では仕事で取りに行く時間がない人も多いでしょう。

平日に時間の取れない人や手続きに不慣れな人は、専門家に依頼することで戸籍収集や銀行解約を代行してもらえます。

戸籍収集については「死亡した人の戸籍謄本（戸籍全部事項証明書）の取り方、出生から死亡までのすべてを取り寄せる方法【行政書士監修】」を参考にしてください。

まとめ

相続手続きの進め方や相続財産の内訳など、手続きをおこなう方のお住まいの地域によっても違いが見られます。

今回は東京都の相続について解説しました。相続財産の総額1～2億円の人が他の地域より高く、相続税申告をした人が多いとわかりました。

実際に依頼した手続きも相続税申告の割合が全体を上回り、東京都に住む人の相続の特徴といえます。

相続手続きをスムーズに進めるためには、それぞれの状況に応じた対策が必要となります。

いい相続ではお近くの専門家との無料相談をご案内することが可能です。相続手続きでお困りの方はお気軽にご相談ください。

アンケート対象者のデータ

年代割合

40代	13.4%
50代	24.4%
60代	38.1%
70代	22.4%
80代	1.7%

居住地割合

北海道・東北	15.1%
関東	22.0%
中部	20.8%
関西	15.7%
中国・四国	13.4%
九州・沖縄	13.0%

職業割合

会社員	19.9%
経営者・役員	4.0%
公務員	4.3%
派遣・契約社員	6.1%
自営業・自由業	10.0%
専業主婦／主夫	16.2%
パート・アルバイト	11.9%
無職	26.6%
その他	0.9%

亡くなった方（被相続人）

配偶者	6.9%
父・母	82.4%
祖父・祖母	2.7%
兄弟・姉妹	3.7%
叔父・叔母	3.1%
子	0.5%
甥・姪	0.1%
いとこ	0.1%
その他	0.6%

相続人の人数

1人	11.4%
2人	34.8%
3人	36.4%
4人	11.9%
5人以上	5.5%

相続財産の金額

1,000万円未満	13.2%
1,000万円以上～2,000万円未満	33.6%
2,000万円以上～3,000万円未満	13.0%
3,000万円以上～4,000万円未満	10.6%
4,000万円以上～5,000万円未満	5.4%
5,000万円以上～8,000万円未満	9.2%
8,000万円以上～1億円未満	2.4%
1億円以上2億円未満	8.1%
2億円以上	0.9%
無回答	3.7%

調査概要

調査期間	2024/12/16～2024/12/26
調査対象者	過去4年以内に手続きを経験された方（現在手続き中の方も含む）
調査方法	インターネット調査
有効回答数	1,851名
調査主体	いい相続（株式会社鎌倉新書）