相続経験者に聞いた【相続人が2人】の相続とは│実際に行った手続きや情報収集方法を大公開！更新日: 2025年3月7日

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本記事の内容は、原則、記事執筆日（2025年2月17日）時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

相続手続き

相続人が2人の場合の相続の特徴

相続人が2人の場合、相続人の年齢は60代が最多（46.88%）。
相続手続きは書類の多さ（22.8%）や手続き先の多さ（13.3%）が負担。
23.3%が故人の生前に相続について相談しておけばよかったと後悔。

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相続人が2人の場合の相続手続きでは、どのような課題があったのでしょうか。

本記事では相続人の構成、相続財産の種類、必要な手続き、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。

「相続人が2人の場合の相続でおこなった手続き」「相続財産の種類と割合」「専門家の依頼費用の相場」などが具体的にわかります。

これから相続手続きを進める方や準備を考えている方は是非参考にしてください。

目次 [隠す]

相続人が2人のケースの相続人の続柄
相続人が2人のケースの相続人の相続財産の額と種類
相続人が2人のケースの相続手続き
相続人が2人のケースの相続手続きで大変だったこと
まとめ

相続人が2人のケースの相続人の続柄

相続人の人数が2人の場合、最も多いのは「父・母」の相続であり89.72%を占めています。次に配偶者が亡くなって相続人が2人となるケース（3.27%）、兄弟・姉妹が亡くなって相続人が2人となるケース（2.65%）、叔父・叔母が亡くなって相続人が2人となるケースと祖父・祖母が亡くなって相続人が2人となるケース（1.71%）という順番でした。

法定相続人は誰になるの？気になる方は「法定相続分と法定相続人｜法定相続人の相続順位や法定相続分の計算方法」へ！

相続人の年代の分布

相続人が2人のケースにおいて、その相続人の年代分布は、60代（46.88%）が最も多く70代（22.12%）、50代（21.03%）、40代（9.19%）と続きました。80代以上（0.78%）は極めて少ないため、相続人が2人のケースにおいて相続が発生するのは主に50代～70代であることが分かります。70代も一定数あることから、親の寿命が長くなり、相続が発生するタイミングが後ろ倒しになっているためと考えられます。

地域の比較

地域ごとに相続人が2人になるケースを比較すると、比較的多い地域は、首都圏（16.36%）、関西圏（16.20%）がほぼ同割合、東海・北陸（15.42%）、北海道・東北（14.49%）、九州・沖縄（13.08%）、中国・四国（12.31%）、北関東・信越（12.15%）という順でした。大きな差はなく、どの地域でも発生していることがわかりました。

相続人が2人のケースの相続人の相続財産の額と種類

相続人が2人のケースの相続人の相続財産の額は、1,000万円～2,000万円（36.14%）が一番大きな割合を占めました。次に2,000万円～3,000万円（14.33%）、1,000万円未満（11.53%）、5,000万円～8,000万円（10.44%）がそれぞれ10％以上の割合がありました。1億円～2億円（8.26%）も一定数存在しました。

相続財産の種類は現金・預貯金（35.2%）と土地・建物（33.8%）で約7割を占めました。生命保険（13.3%）、株・投資信託（8.1%）、山林・農地（5.5%）、自動車（2.7%）と続きました。電子マネー（0.9%）や仮想通貨（0.2%）は高齢者の資産としての普及率が低いため、相続時に引き継がれるケースが少ないと考えられます。

相続財産はどういうものをいうのだろう？気になる方は「相続財産になるもの・ならないものを一覧でわかりやすく解説」へ

相続人が2人のケースの相続手続き

初めての相続が全体の約6割を占め、ほとんどの人にとって相続は初めての経験であることがわかります。2回目（36.41%）、3回目（3.59%）、5回目以上（0.16%）と、3回目以上の相続経験者はごく少数であり、このことから、相続は一生のうちに数回しか経験しない出来事であることを反映しています。

相続に対する理解度

大体は理解していた（53.28%）との回答が最多で、基本的な知識は持っていたが詳細までは分からない人が多いことがうかがえます。あまり理解していなかった（19.38%）、ほとんど何も分からなかった（9.84%）と約3割が相続についてほぼ知らない状態だったことがわかりました。相続は頻繁に経験するものではなく、事前に学ぶ機会が少ないため、手続き時に戸惑う人が多いと考えられます。

相続に利用した・役に立った情報源

相続に利用した・役に立った情報源としては、インターネット検索（12.0%）が最も高い割合を占めていました。市区町村の窓口（8.4%）、銀行・証券会社など金融機関（7.9%）、法務局（7.4%）、税務署（4.8%）、年金事務所（4.3%）など、公的な機関が一定数利用されています。司法書士（12.6%）、税理士（7.6%）、行政書士（5.1%）、弁護士（2.1%）などの専門家への相談も比較的多いことがわかりました。葬儀社（5.1%）も利用されているため、葬儀から相続手続きの流れの中で自然と関与することが多いと考えられます。

専門家への依頼状況

相続人が2人のケースでの専門家への依頼状況は、司法書士（26.8%）、税理士（16.6%）、行政書士（13.3%）の順で利用者が多く、弁護士はわずか3.8%でした。38.1%が専門家を依頼せずに手続きを完了していることがわかりました。

司法書士の利用が最多であるのは、遺産に不動産が含まれている場合、司法書士への依頼が増えることが推測されます。2024年4月から「相続登記の義務化」が施行された影響で、今後さらに利用率が高まる可能性があります。

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専門家の費用

最も多いのが10万円～20万円（28.73%）、次に10万円未満（61.60％）で、30万円以下であった人が6割以上を占めました。50万円～60万円（7.73%）、100万円以上（6.91%）高額費用を支払っている人が一定割合存在するのは相続税がかかる財産が多いケースや、不動産が複数ある場合と考えられます。

手続きにかかった期間

手続きにかかった期間は、3か月未満（38.13%）、3か月～6か月未満（27.97%）と、 3人に2人が6か月以内に相続手続きを完了しており、相続人が2人のケースでは比較的スムーズに手続きが進む傾向があると言えます。6か月～9か月未満（12.81%）、9か月～1年未満(7.81%）を含めると 86.72% となり、9割近くが1年以内に相続手続きを終えています。1年～1年半未満(4.84%)、1年半～2年未満(2.81%)、2年以上～3年未満(1.41%)、5年以上～10年未満(1.41%)、10年以上(1.25%) と長期化するケースもみられます。

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相続人が2人のケースの相続手続きで大変だったこと

相続人が2人のケースの相続手続きで大変だったこととして、必要な書類が多かったこと（22.8%）、手続きのために時間が取られたこと（16.1%）、手続き先が複数あること（13.3%）が多く回答されました。何をどう進めるべきかを理解するための情報収集（14.8%）が大変だったと感じた人も比較的多い回答でした。

生前にやっておけばよかったこと

生前にやっておけばよかったこととして、元気なうちに相続について相談（23.3%）と約4人に1人が「生前に相続について相談すればよかった」と感じていることがわかりました。もっと相続について勉強しておくべきだった（20.9%）との回答も高い割合を示しました。財産を記録・整理しておいてもらえばよかった（17.2%）という意見も多くみられました。相続税対策をしておけばよかった(11.0%)、生前贈与をしてもらえばよかった(11.6%) と節税に関する回答も一定数みられました。

生前対策、どんなことができる？「親が亡くなる前にやっておくこと10選｜遺言書や財産目録の作成、生前整理など」

まとめ

相続は人それぞれの事情により異なります。相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用もそれぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。

相続人が2人のケースでは、親の相続が最も多く（89.72%）、相続人の年齢は60代が最多（46.88%）でした。相続手続きは6か月以内に手続き完了したとの回答が66.1%と比較的スムーズに進んだ様子ですが、生前の相談不足や財産整理の欠如を後悔する声が多くみられました。

相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。

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アンケート対象者のデータ

年代割合

40代	13.4%
50代	24.4%
60代	38.1%
70代	22.4%
80代	1.7%

居住地割合

北海道・東北	15.1%
関東	22.0%
中部	20.8%
関西	15.7%
中国・四国	13.4%
九州・沖縄	13.0%

職業割合

会社員	19.9%
経営者・役員	4.0%
公務員	4.3%
派遣・契約社員	6.1%
自営業・自由業	10.0%
専業主婦／主夫	16.2%
パート・アルバイト	11.9%
無職	26.6%
その他	0.9%

亡くなった方（被相続人）

配偶者	6.9%
父・母	82.4%
祖父・祖母	2.7%
兄弟・姉妹	3.7%
叔父・叔母	3.1%
子	0.5%
甥・姪	0.1%
いとこ	0.1%
その他	0.6%

相続人の人数

1人	11.4%
2人	34.8%
3人	36.4%
4人	11.9%
5人以上	5.5%

相続財産の金額

1,000万円未満	13.2%
1,000万円以上～2,000万円未満	33.6%
2,000万円以上～3,000万円未満	13.0%
3,000万円以上～4,000万円未満	10.6%
4,000万円以上～5,000万円未満	5.4%
5,000万円以上～8,000万円未満	9.2%
8,000万円以上～1億円未満	2.4%
1億円以上2億円未満	8.1%
2億円以上	0.9%
無回答	3.7%

調査概要

調査期間	2024/12/16～2024/12/26
調査対象者	過去4年以内に手続きを経験された方（現在手続き中の方も含む）
調査方法	インターネット調査
有効回答数	1,851名
調査主体	いい相続（株式会社鎌倉新書）