相続経験者に聞いた【親が亡くなった場合】の相続とは│実際に行った手続きや情報収集方法を大公開!
親が亡くなった場合の相続の特徴
- 相続人は2~3人が多く、子が相続人となる割合が66.9%。
- 遺産の分け方の方法は遺産分割協議が最多。
- 司法書士の利用が多く、費用は30万円以内が約6割を占める。
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親が亡くなった場合の相続手続きは、どのような流れで進めるべきでしょうか?
本記事では相続財産の種類、相続人の構成、必要な手続き、専門家にかかる費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
「親の相続でおこなった手続き」「相続財産の種類と割合」「専門家の依頼費用の相場」などが具体的にわかります。
これから相続手続きを進める方や準備を考えている方は是非参考にしてください。
目次
親が亡くなったケースの相続人の数と続柄
親が亡くなったケースの相続人の数は、2人(37.92%)と3人(36.80%)が全体の74.72%を占めます。次が相続人が4人(11.45%)、相続人が1人(11.13%)という順でした。相続人が1人の単独相続は、1人っ子で親が亡くなったケースが該当すると考えられます。
親が亡くなった場合、子が相続人となるケースが66.9%と圧倒的に多いことがわかりました。配偶者が相続人となるケースは約2割でした。(ここでいう配偶者とは、両親のどちらかが亡くなり、どちらかが健在の場合を意味します。父・母とは親の親(祖父母)です。)
親の兄弟姉妹(7.3%)が相続人になるケースが一定数あるようです。
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親が亡くなったケースの相続財産の金額と内訳
親が亡くなったケースの相続財産の金額は1,000万円未満(35.4%)のケースが最多でした。1,000万円~2,000万円(13.4%)、2,000万円~3,000万円(13.0%)であることから約6割が相続財産が3,000万円未満であることが分かりました。
相続税について注目した場合、相続税の計算で用いられる非課税枠である基礎控除は3,000万円+法定相続人の数(600万円×1)なので、課税対象になり得る対象の3,000万円以上の相続は約35%を占めました。
親が亡くなったケースの相続財産の中心は現金・預貯金(34.8%)と土地・建物(33.8%)でした。生命保険(12.1%)、株・投資信託など(8.1%)、山林・農地(6.7%)、自動車(3.5%)、電子マネー(0.4%)という順でした。この順番は全体の結果とほぼ同じでした。
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親が亡くなったケースの遺産の分け方
親が亡くなったケースでの遺産の分け方について、遺産分割協議で分けた(45.5%)との回答が最多で、法定相続分で分けた(41.0%)との回答が続きました。 その他(5.7%)の割合が意外に多く、フリーの回答を見ると分ける必要がなかった、遺産がなかった、相続放棄をしたとの回答が目立ちました。
遺産の分け方に対しての考え方について聞いてみると、最も多かったのは家族全員が納得できる分配を目指した(27.8%)でした。法定相続分を重視した(14.2%)方は意外に少ない結果となりました。手続きが複雑にならないように工夫した(13.0%)、財産の分けやすさを重視した(10.0%)と手続きの効率性を重視した遺産の分け方をした方が一定割合存在したことがわかりました。専門家の助言に基づいて分割した(5.7%)、トラブルを避けるため、感情的な配慮を優先した(5.1%)との回答も1割を占めました。
遺言書の有無
故人の意思を確認するために法的にも有効な手段である遺言書ですが、実際にどのくらいの方が作成されていたのでしょうか。
アンケートの回答によると、遺言書がなかったケースが最も多く、84.0%にのぼりました。公正証書遺言があったケースは5.9%、自筆証書遺言があったケースは4.0%でした。メモ書き等があったケースも4.0%でした。
日本ではまだ遺言書を残す文化が定着していないことを示していると考えられます。遺言書がないために、相続人同士で協議が必要になり、不動産などの分割が難しい財産がある場合、話し合いが長引くことがあります。特に不動産や高額資産がある人は活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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親が亡くなったケースの実際の手続き
親が亡くなったケースの相続手続きは、銀行口座の解約・名義変更(15.5%)が最も多い手続きであることがわかりました。不動産の名義変更(相続登記)(14.7%)、戸籍収集(14.2%)が続きました。遺産分割協議(11.5%)をして話がまとまったら遺産分割協議書を作成(9.7%)とセットで行われることが多いようです。遺産分割協議書は相続手続きに活用することができます。家族信託手続き(1.6%)はまだ少数ながらも存在することがわかりました。家族信託は、生前に財産管理を信頼できる家族に託す仕組みですが、遺言機能をもたせることができます。現在はあまり一般的ではありませんが、高齢化社会に向けて認知症対策や円滑な資産承継のために今後増える可能性があります。
専門家の利用状況
相続手続きを専門家に依頼したか?との質問に対しては、専門家に依頼していない(50.0%)との回答が半数を占めました。
最も多く依頼されたのが司法書士(22.3%)で、税理士(13.1%)、行政書士(10.0%)、弁護士(3.2%)という順番でした。
専門家にかかった費用
では相続手続きを専門家に依頼した人はどのくらいの費用がかかったのでしょうか。
10万円~20万円(27.7%)が最も多い回答でした。10万円未満(20.5%)、20万円~30万円(14.3%)と続き、約6割の方が30万円以内に収めています。
100万円以上(9.4%)のケースも一定数存在し、相続税申告や、相続トラブルで弁護士を利用したケースなどが考えられます。また、遺産額が高額(数億円規模)になると、税理士報酬が高くなるため、この範囲に入る可能性があります。
全体的に「低額で済む人」と「高額になる人」が二極化している結果となりました。
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親が亡くなったケースの手続きで大変だったこと
親が亡くなったケースの相続手続きで大変だったと感じたことについて聞いたところ、最も多かったのは必要な書類が多かったこと(21.9%)、次いで手続きのために時間が取られた(15.8%)という結果でした。
何をどう進めるべきかを理解するための情報収集が大変だった(14.3%)、手続き先が複数あることが大変だった(14.1%)と、同程度の割合を占めました。
遺産の中身や金額をはっきりさせること(8.5%)も負担だったとの回答も一定数あり、親の財産の全容を把握するのが難しかったと感じる人が多いことが伺えます。
まとめ
相続は人それぞれの事情により異なります。相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用もそれぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。
親が亡くなったケースの相続では相続人は2~3人が多く、遺産は3,000万円未満が約6割。遺産分割協議で遺産分割をおこなう傾向にありました。相続手続きでは必要な書類が多く、手続きのために時間が取られたことに負担を感じる方が多いという結果となりました。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
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