相続経験者に聞いた【現金・預貯金】の相続とは│実際に行った手続きや情報収集方法を大公開!

現金・預貯金の相続の傾向
- 書類の多さや手続きの煩雑さが負担
- 約45%が専門家を利用せず自力で対応
- 相続を機に対策意識が高まるも、未対策が多数
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本アンケートでは、相続手続きを経験した方を対象に、実際に行った手続きや感じた負担、専門家への依頼状況などを調査しました。「どんな手続きが必要だったのか」「財産の内訳や割合」「専門家にかかる費用」など、相続の実情を具体的な数値で知ることができます。
この記事では、なかでも現金・預貯金を相続した人の傾向に注目し、その特徴を詳しく紹介しています。
相続の準備や、家族での話し合いを始めるきっかけとして役立つ内容です。ぜひご活用ください。
目次 [隠す]
相続財産の種類と割合
今回のアンケート中、どのような財産を相続したのか伺ったところ、以下の結果となりました。
相続された財産でもっとも多いのは「現金・預貯金」(60.33%)でした。「土地・建物」(57.30%)も同程度に多く見られます。次いで「生命保険」(21.65%)、「有価証券・投資信託などの金融商品」(14.59%)が続き、資産形成の多様化も感じられます。「山林・農地」(11.47%)や「自動車」(7.45%)も相続対象となっており、管理や名義変更の手続きが必要になる点に注意が必要です。また、「電子マネー」(1.33%)や「仮想通貨」(0.51%)といったデジタル資産も登場し、財産の多様化もみられます。相続の際に混乱を招かないよう、財産の内容を把握し、早めの準備と家族での話し合いを心がけたいものです。※この設問は複数選択形式のため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
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ここからは、現金・預貯金を相続した方について詳しくみていきます。
現金・預貯金を相続した人の相続財産総額
現金・預貯金を相続した人の相続財産総額で最も多かったのが1,000万円~2,000万円(31.0%)の層でした。1,000万円未満(11.0%)、1,000万円~2,000万円(31.0%)、2,000万円~3,000万円(14.2%)を合わせると、3,000万円未満の相続が過半数を占めています(合計56.2%)。1億円以上の相続財産があった人の割合は、1億円~2億円(9.7%)と2億円以上(1.0%)を合わせて10.7%にとどまります。高額の相続をした人は少数派であり、こうした人々は事前に資産管理や相続対策を行っているケースが多いと推測されます。
現金・預貯金を相続した人の相続人の数
現金・預貯金を相続した人の相続人の人数は相続人が2人(34.87%)または3人(37.43%)という回答が大多数を占めています。相続人が1人(10.44%)のケースは1割程度にとどまりました。また、相続人が4人(12.50%)、5人以上(4.76%)の合計は約17%でした。このことから、現金・預貯金の相続は主に少人数で分け合うケースが多いことが分かります。ただし、人数が少なくても名義変更や手続きの煩雑さに苦労する人は多く、事前の対策や情報の整理が重要といえるでしょう。
相続財産の分割方法
現金・預貯金を相続した人の遺産分割方法は、最多は遺産分割協議で分けた(45.8%)との答えで、法定相続分で分けた(40.7%)が続きました。遺言書通りに分けた(5.8%)という回答は1割未満でした。ごく一部では、揉めていて進んでいない(1.8%)、裁判になった(0.9%)との回答もありました。このデータから、現金・預貯金の相続においては、相続人間の話し合い(遺産分割協議)や法定相続分による分割が中心であることが分かります。
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現金・預貯金を相続した人の利用した・役に立った情報源
現金・預貯金を相続した人の利用した・役に立った情報源はインターネット検索(31.9%)が最も多く情報収集の主流になっていることが分かります。司法書士事務所(25.0%)や銀行・証券会社などの金融機関(22.5%)、市区町村の窓口(21.5%)など、実際に相続手続きの場面で関わる機関や専門家も高い割合を占めました。家族・親戚(16.2%)、友人・知人(6.4%)から情報を得た人も多く、信頼できる相手からの体験談やアドバイスが大きな助けになっているといえます。YouTubeなどの配信動画(4.2%)、テレビ(4.0%)、雑誌・本(8.7%)、新聞(3.1%)など、メディア系の情報源の利用率は比較的低めでした。※この設問は複数選択形式のため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
現金・預貯金を相続した人の手続き
現金・預貯金の相続に関する手続きの内容については、銀行解約・名義変更(67.2%)が最多で、戸籍収集(55.3%)、不動産の名義変更(相続登記)(51.7%)、遺産分割協議(45.1%)と続きました。特に戸籍は相続手続きの土台となる必要書類であり、多くの手続きに必要となります。基礎控除を超える財産がある場合に必要な手続きである相続税の申告(26.2%)も一定数ありました。※この設問は複数選択形式のため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
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手続きにかかった期間
現金・預貯金を相続した人の手続きにかかった期間は、3か月未満(35.02%)、3か月~6か月未満(30.18%)と、合計で 65.2% が半年以内に手続きを終えています。現金・預貯金のみなどの比較的シンプルな相続では、スムーズに進む傾向があると考えられます。6か月~9か月未満(14.80%)、9か月~1年未満(8.75%)と、 相続税の申告期限(10か月以内)を見据えて進めたと思われる人も一定数いるようです。1年以上かかったと答えたのは約11%でした。、相続手続きの期間には個人差が大きいことがわかります。
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現金・預貯金を相続した人の専門家の利用状況
専門家の中では司法書士(28.7%)の利用が最多でした。税理士(20.2%)や行政書士(13.3%)の利用も一定数存在し、少数ながらも弁護士の利用は(5.7%)という結果でした。約45%の人が専門家を利用せずに手続きを行ったことがわかりました。現金・預貯金の相続においては、約半数が自力で手続きを進めており、比較的対応しやすい財産であることが分かります。一方で、登記や相続税申告などの複雑な手続きが関わる場合には司法書士や税理士を中心に専門家のサポートを受けていると考えられます。※この設問は複数選択形式のため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
専門家の費用
現金・預貯金を相続した人が専門家に支払った費用として最も多かったのは、「10万円~20万円」(13.35%)でした。次いで「~10万円未満」(9.94%)、「20万円~30万円」(7.32%)と続き、全体としては30万円未満で対応しているケースが比較的多いことがわかります。
「30万円~50万円」の層(30万~40万:4.97%、40万~50万:3.91%)も見られ、どんな相続かによって、かかる費用に差が出ていると想定できます。
また、「100万円以上」(6.18%)の高額な費用を支払った人は一定数いるものの、多くのケースでは比較的手の届く範囲の費用感で専門家のサポートを受けている傾向が見られます。
現金・預貯金を相続した人が感じた相続の大変さ
現金・預貯金を相続した人が感じた相続の大変さについて、最も多かった回答が「必要な書類が多かったこと(54.8%)」で、過半数を超えました。銀行解約や名義変更の手続きにおいて、戸籍謄本、印鑑証明、遺産分割協議書など多岐にわたる書類の提出が必要であり、金融機関ごとに異なる書類様式があることも手間を増やしている要因と考えられます。
「手続きのために時間が取られたこと(38.9%)」「手続き先が複数あること(37.0%)」と、1つ1つの対応に時間がかかることが大きなストレスになっていたようです。「何をどう進めるべきかを理解するための情報収集(32.8%)」に戸惑った人も多く、初めての相続であったり、専門家に相談せずに進めた人にとっては、手続きの全体像をつかむまでに時間がかかったと考えられます。※この設問は複数選択形式のため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
現金・預貯金の相続を経験した人の相続対策
現金・預貯金の相続を経験した人の相続対策については、特に考えていない(44.43%)と、約半数の人が、自身の相続について何も対策していない状況でした。一方で、遺言書作成の検討(23.08%)、生前贈与の検討(19.94%)、不動産の整理や活用(19.94%)、生命保険を活用した相続対策(19.78%)などの具体的な対策への関心も着実に高まっており、行動に移す人も一定数存在しています。※この設問は複数選択形式のため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
まとめ
相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。また、専門家への依頼も相続財産の内容や手続きによって大きく異なりました。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
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