父の相続財産で自宅の権利は母親が、預貯金は私が、株式は弟がもらうということで納得しましたが、どのような手続きが必要でしょうか?
質問者:Y.O
相続財産を引き継ぐまでにはいくつかの手続きをクリアしなくてはなりません。
まず戸籍を取り寄せる
相続人がこれだけだと思い込んでいても、子供も知らなかった親の前婚の子供などがいることもありますので、相続人全員を客観的に証明するためには公的な書類が必要です。 銀行や法務局など、すべての機関での相続手続きで提出を求められるのが「被相続人(亡くなった人)の出生までの戸籍、除籍、そして各相続人の戸籍や住民票、印鑑証明書」といった書類です。 また、相続財産や負債を「残高証明書」や「固定資産税評価証明書」などで明らかにします。
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相続税申告が必要ならすぐ税理士に相談
もともと顧問税理士がいるような人なら問題ないのですが、相続が開始してから相続税の基礎控除「3000万円+(法定相続人の数×600万円)」を超えていることに気がついたという場合には、すぐ税理士を探さなければなりません。 相続税申告は相続開始を知った翌日から10カ月ですので、かなりタイトなスケジュールになるからです。 もし相続税対策が必要な人は税理士に相談しながら節税等も考えた内容の遺産分割協議を行います。
また、申告が必要ない人も各手続き用に遺産分割協議書を作成しますが、「不動産の名義変更」の際に司法書士に不動産以外の財産を入れた形の協議書作成を依頼することもできます。
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不動産の名義変更は司法書士に依頼
もし遺産の中に不動産がある場合は法務局への登記手続きが必要となります。 登記の際の必要書類などは司法書士に依頼すればアドバイスしてくれますのでそれに応じて揃え、準備された書類に署名、押印をします。あとは司法書士が法務局に登記申請を行いますので依頼者は名義変更の完了を待つだけです。
銀行や証券会社は各社のルールがある
銀行の口座解約や証券会社の株式名義変更などは、手続きのやり方が一律ではないところが厄介です。 よって、まずはそれぞれの会社に被相続人死亡の連絡をし、手続きの案内等を送ってもらいます。 大半の会社は「遺産分割協議書」があっても、各相続人の実印と印鑑証明書を要求してくると考えられますので、各社のフォーマットをもらってから他の相続人に連絡をとって署名と押印をしてもらうという手順になるでしょう。
証券会社の場合、もし相続人が被相続人の所有していた上場株式を売却せずに引き継ぐのであれば相続人の口座を作ってそこに移管する手続きが必要となります。 よって、銀行預金などより少し時間がかかることもあります。
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