【よくある質問】兄弟3人で分ける財産のほとんどが土地です。この場合、土地を譲り受ける長男が土地代の1/3ずつの現金を弟2人に払うことになりますか？更新日: 2024年3月11日

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相続手続き

兄弟3人で分ける財産のほとんどが土地になります。この場合、土地を譲り受ける長男が土地代の1/3ずつの現金を弟2人に払うことになりますか？

土地の遺産分割にはいくつか方法があるため、状況に応じた分割方法を選択することになります。相続財産の構成がほぼ不動産のみという場合、本来であれば被相続人（亡くなった人）が生前に準備しておくことがベストですが、相続開始後であれば兄弟で話し合う必要があります。

相続方法は大きく分けて4つ

相続財産が不動産しかない場合、公平に相続しようと思えば方法は大きく分けて4種類になります。

現物分割
換価分割
代償分割
共有

現物分割

現物分割とは、現物のまま分割する方法です。土地の分割のことを分筆と言います。分筆をすることによって土地が不整形になったり、接道部分が狭くなったりして、土地の使い勝手が悪くなる場合があります。

代償分割

代償分割は兄弟のうち誰かが相続し、他の兄弟に現金（代償金）などを渡す方法です。

この方法は不動産を相続する者にそれだけの支払い能力があることが前提です。そのため、代償金を用意できない場合は相続人自身の他の財産を処分する必要が出てくることも。

換価分割

換価分割とは、遺産を売ってお金に換えて、そのお金を分ける分割方法です。換価分割は遺産を公平に分けられるメリットがあります。また相続税の納税資金を確保できます。

その一方、手間や経費がかかるなどのデメリットもあります。

次に、兄弟で共有する方法です。この方法は最後の手段であり、専門家であればまずおすすめしないでしょう。いったん不動産が共有になると次の相続が発生した場合、通常はさらに人数が増えます。

共有の人数が増えるということはいざ売却や担保に入れるなどの行為を行う場合、共有者全員の同意、手続きへの協力がなければならないため容易に進みません。

兄弟の誰かが亡くなってその相続人が相続手続きを怠れば、将来的にほぼ何も権利を動かせない状態になってしまいます。よって、共有にする場合は近日中の売却を前提とする場合などに限られてくるでしょう。

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土地を相続した場合は相続登記が必要

家や土地など、亡くなった方名義の不動産がある場合には名義変更（相続登記）をおこなう必要があります。これは単独名義でも共有名義の場合でも必要です。

相続登記の手続きには被相続人の戸籍謄本や住民票などの必要書類と登記申請書を不動産を管轄する法務局に提出します。

相続登記の義務化

令和6年4月1日からは相続登記の義務化が施行されます。

相続等により所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由がないのに申請を怠ったとき、10万円以下の過料の対象となります。また、過去に相続したものも対象となるので注意が必要です。

不動産しかない家庭がしておくべき準備

相続財産が不動産のみというのは被相続人の生前からわかっていることです。よって、資産家ではない家庭でもこのような状況なら遺言書の作成が必須と考えておかなければなりません。内容としては「不動産を誰に相続させたいか」「その理由」などですが、不動産をもらえない者への手当も同時に考えておかなくてはなりません。

生前、両者の学費に著しい違いがあったなどの場合は、その差を調整するなどの理由を明示するだけでも十分でしょう。

ただ、そのような理由がない場合は、やはり相続開始後の紛争を防ぐためにも金銭的な不公平が生じない工夫しておきたいです。長男に不動産を相続させる代わりに次男には保険金を受け取らせるなどが定番ですが、適切な方法については税理士などの専門家に早めに相談することが望ましいでしょう。

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