【よくある質問】亡くなった父の財産は自宅とごくわずかな預金となります。相続対象は兄の私と弟になりますが、父と同居していた弟が自宅を取得したいと言ったら私は殆ど相続ナシ?
亡くなった父の財産は自宅とごくわずかな預金となります。相続対象は兄の私と弟になりますが、父と同居していた弟が自宅を取得したいと言ったら私は殆ど相続ナシ?
相談者のようなケースですと実質的に不動産を取得できなかった人は他の相続人と比べて取得する財産がとても少なくなってしまうこともありえます。 そこで、本来であればこのようなケースは被相続人(亡くなった人)側が生前から公平な相続ができるような準備をしておくべきなのです。
日本の家庭に多い相続財産の構成
多少、無理をしてでもある年齢になったらマイホームを持つというのは日本独自の価値観かもしれません。クレジットカードの審査に「持ち家かどうか」を尋ねる項目があるくらいで、やはり不動産を買って一人前、不動産を持つ人は信用力が高いという象徴にもなりますので、現金が残らずにマイホームのみが相続財産として残っている家庭は多いでしょう。 ただ、そのようなケースではかなりの確率で相続の際にもめごとが発生します。
▶相続で揉めないために|公平な財産分与をするために知っておきたいこと
不動産の相続で問題となること
不動産がいくつもあればまだ解決方法はあるかも知れません。しかし、1つしかないマイホームを相続するとなればどうでしょうか。 戦前のように「長子が相続する」ことが親族全員の暗黙の了解になっていれば問題は起こりませんが、個人の権利意識が明確になってきた現代ではなかなかそのような主張も通りません。 公平に相続するためには「不動産を同じ持分で共有にする」「不動産を売却して売却代金を分配する」「不動産を賃貸して賃料収入を分配する」などの方法があります。ただ、いずれも問題が残ってしまいます。
まず、共有にする方法ではまた次の代に下がっていった時、共有者の人数がさらに増えますから、売却や相続の手続きが非常に難航します。 そして、売却についてはどうしても先祖からの不動産を手放したくないという人もいるため、これも相続人全員が合意するのは難しいものです。また、売却について全員が合意しても買い手がつくかどうかというのはまた別問題です。 賃貸についても、借り手がつかなければ収入がないことになってしまいます。
▶不動産を相続したら?相続登記の手続きと必要書類、期限はなくても早めに相続登記した方が良い理由
親の代からしっかり準備することが大切
このように、相続財産構成が不動産に偏っていることが明らかな場合、本来は親の代でしっかりと公平性を保つ対策をしておかなくてはなりません。 たとえば、不動産をもらえない弟には生命保険の死亡保険金を受け取らせるなどが一つの方法です。
また、兄弟の誰か一人に不動産を相続させたい場合は、その兄弟に相続させる理由(たとえば親の介護を一手に引き受けた)など、理由を明白にした遺言書を作るのも紛争防止のためには効果的です。
▶相続税対策|節税のための4つの手法、生前贈与、生命保険、不動産、非課税制度や税額軽減制度の活用方法
ご希望の地域の専門家を探す
ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。