【よくある質問】主人が亡くなり、私と22歳の長女と5歳の長男が財産を相続することになりました。5歳の長男の代理人に私がなることは可能でしょうか?また彼の相続税の申告は誰が?
本記事の内容は、原則、記事執筆日(2019年7月2日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
主人が亡くなり、私と22歳の長女と5歳の長男が財産を相続することになりました。5歳の長男の代理人に私がなることは可能でしょうか?また彼の相続税の申告は誰が?
相続人の中に未成年者が含まれている場合、「遺産分割協議」など民法上の問題は親権者や特別代理人が行いますが、「税務申告」については未成年者本人が行うこともできます。 つまり両者を分けて考えなくてはなりません。
未成年者はまだ判断能力に乏しく、もし自分で契約自体をできる意思能力があるとしても一方的に不利な契約を締結させられる危険があります。よって、このような制限は未成年者を守るために必要なのです。
▶相続人とは|法定相続人の範囲や順位、法定相続分と遺留分
逆に、離婚した前妻との間の未成年の子供が相続人である場合は、前妻は相続人ではなく子供は相続人である、という状況になります。その場合は前妻が子供を代理して遺産分割協議をすることができるのです。
ただ、そのような場合でも「親権を行使する子供が複数」いて、その子供が共に相続人である場合は子供同士の利益が相反しますので1人の子供は親権者がそのまま代理し、その他の子供は特別代理人を選任して遺産分割協議を行うことになります。 このあたりは若干ややこしいので、未成年者がいる相続については必ず一度は専門家に相談から手続きを行うことをおすすめします。
▶相続で揉めないために|公平な財産分与をするために知っておきたいこと
ただ、上記のように申告の前提としての遺産分割協議は特別代理人が必要となることがありますので区別して考えなければならないということです。
▶相続税の申告手続き|申告・納税までの流れと期限、必要書類。延滞時のペナルティー【税理士監修】
基本的に未成年者は単独での法律行為ができない
民法の基本を考えてみます。 未成年者は自分だけの判断で法律行為を行うことはできず、親権者の同意が必要になります。もっとも、5歳ですと行為自体ができないため親権者(法定代理人)が代理して行うことになります。未成年者はまだ判断能力に乏しく、もし自分で契約自体をできる意思能力があるとしても一方的に不利な契約を締結させられる危険があります。よって、このような制限は未成年者を守るために必要なのです。
▶相続人とは|法定相続人の範囲や順位、法定相続分と遺留分
遺産分割協議は特別代理人が必要なことも
親権者がいる場合であっても、遺産分割協議を行う際は別途家庭裁判所に申し立てて「特別代理人」を選任してもらうことが必要になるケースがあります。 このような手続きが必要なのは、まず「親権者と親権を行使される子供が共に相続人となっている」場合です。このような状況は「利益相反」といって、親と子供がお互いに自分の取り分を増やすと相手の取り分を減らしてしまうという関係にあるからです。逆に、離婚した前妻との間の未成年の子供が相続人である場合は、前妻は相続人ではなく子供は相続人である、という状況になります。その場合は前妻が子供を代理して遺産分割協議をすることができるのです。
ただ、そのような場合でも「親権を行使する子供が複数」いて、その子供が共に相続人である場合は子供同士の利益が相反しますので1人の子供は親権者がそのまま代理し、その他の子供は特別代理人を選任して遺産分割協議を行うことになります。 このあたりは若干ややこしいので、未成年者がいる相続については必ず一度は専門家に相談から手続きを行うことをおすすめします。
▶相続で揉めないために|公平な財産分与をするために知っておきたいこと
相続税申告を親が代理することは問題ない
相続税申告は、法律行為ではありませんので親権者が代理して作成することも問題ありません。また、相談者のケースは5歳ですので未成年者自身が申告書に記名押印することはできないでしょうが、それができるくらいの年齢なら未成年者が自分で行っても構いません。ただ、上記のように申告の前提としての遺産分割協議は特別代理人が必要となることがありますので区別して考えなければならないということです。
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