親が認知症で介護施設に入り、空き家となった実家はどうしたらいい?
質問者:R.T
このような場合、親の認知能力がどの程度なのか、また、ご実家の名義がどのようになっているかで取るべき措置は異なってきます。
お母様が認知症である場合
お父様がすでに他界しており、お母様は認知症という前提で考えてみましょう。すでに空き家になってしまった実家がお父様の名義か、お母様の名義かにより事情は異なってきます。
仮にお父様の名義になったままで遺産分割協議が行われていないという場合はどうなるのでしょうか。これは近年、非常に多い事例です。
お母様は本来、自分が行使するべき遺産分割協議の権利を認知症のため行使できない状態になっています。このような場合に子供が代わりに協議できると思っている方も多いのですがそれはできません。
どうしてもお母様のご存命中に遺産分割協議をしたければ「成年後見人」をつけて行うしかないということになります。
成年後見人は家庭裁判所により選任されるものですが、遺産分割協議の内容も家庭裁判所にチェックされることになりますので、お母様の法律上の相続分は確保しなければならないことになります。
もし、すでにお母様の名義になっている状態で認知症になったとしてもそれはお母様自身の財産なので周囲の親族が自由にすることはできません。上記と同様何らかの法的行為をするのであれば成年後見人を選任する必要があります。成年後見人を選任しても、被後見人(お母様)の住んでいた不動産を売却する際には「被後見人の居住用不動産の売却に関する家庭裁判所の許可」を経なければならないことになっています。(それほど簡単に許可はおりません)
要するに、そのような状況では家の権利を法的にはどうすることもできず、実質的な管理をしておくのみに留まることになるのです。
空き家であることで周囲に迷惑をかけている時は?
ただ、実際問題、こういったケースでは雑草や家の老朽化でご近所に迷惑がかかっていることもあるでしょう。
そうなるとやはり放っておくわけにはいきませんので、兄弟が交代で草むしりや風通しのために田舎を訪れるか、多少費用はかかりますが不動産業者の空き家管理サービス等を契約してメンテナンスしていくのが現実的です。
親が亡くなって自分たちの代になったら賃貸物件として利用するようなこともありえるため、極力近所との関係は悪くしない方がその後の手続きもスムーズに進みます。
空き家は近年、浮浪者の住みつきや放火など各種の問題を引き起こしていますので何らかの対処は必須と考えなければならないでしょう。
認知症になるまえに「家族信託」のご検討を
このように一度認知症を発症し、名義人の意思確認ができなくなってしまうと、たとえ介護施設への入居費用や本人の生活費のためでも、財産を処分することが難しくなります。
そこで元気なうちに出来る対策として、名義人本人が自分の財産の管理を任意の家族にたくす「家族信託」が今注目されています。
いい相続では、家族信託に詳しい専門家との無料面談のご紹介が可能です。
ぜひ早めの相続対策をとることで、その後のご家族の時間を安心して過ごしてください。
0120-992-150
無料通話 / 平日9時-19時 / 土日祝9時-18時
ご希望の地域の専門家を探す
ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。