売れないような家なら固定資産評価額は0円で固定資産税もかからないのでは?
実家の空き家を相続するのですが、売れないし解体するのも面倒でどうしようかと思っています。売れないような家なら固定資産評価額は0円になり、固定資産税もかからないですか?
市場に出して売れるか売れないかを問わず、固定資産税というものはその評価額に応じた割合で支払う義務があります。ただし固定資産税の免税点未満であれば固定資産税は課税されません。
固定資産税とは
固定資産税とは、土地、家屋、償却資産等を所有している人に対して課税される税金の一つです。土地や建物を所有している限り、毎年納税義務があります。
納税義務者といって税金を納める必要がある人は、毎年1月1日現在の所有者となっています。相続税や贈与税は国税ですが、固定資産税はその根拠が地方税法に定められている、つまり地方税の分類に属します。
固定資産税評価額はどうやって決める?
固定資産税とは、日本全国に存在する全ての土地や家屋に課税されているわけではなく「免税点」といって、一定金額の評価以下の不動産にはかかりません。
原則、土地は30万円、家屋は20万円、償却資産にあっては150万円がそれぞれ「免税点」とされています。この金額に満たなければ固定資産税はかかりません。
そして課税の基礎控除となる「固定資産税評価額」を決める方法としては、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて市町村長が価格を決定しこれが課税標準額となります。
つまり、不動産業者が査定で出す金額ような「時価」とは異なるものです。
したがって、市場に出した時の売買価格が低いとか、所有者側で売れない、借り手が付かないといった主観的な事情がある不動産でも評価額を0円と算定することはできません。
もしそのような事情を考慮して課税、非課税を決めてしまうと全国至るところに非課税財産が発生してしまい、市区町村長の税収が大きく減少し、財政面で成り立たないことになってしまいます。
相続人の誰も引き取らない不動産の納税は誰がする?
では、 相続人が誰も相続したがらない不動産について、固定資産税の納税は誰がするのでしょうか?
所有者が亡くなった後の不動産は、遺産分割協議で最終的な所有者が決まるまでは「潜在的共有」という状態になっています。
つまり、全員が「連帯して納税する義務」を負っているため、不動産を継ぐつもりがないから払いたくないという言い分は通用しないのです。 ただ、現実的な対応としては所有者が亡くなると市町村から「相続人代表者指定届」を出すように要請され、その代表者のところに納税通知書が届くことになります。
もしこれを無視して届出を出さなかった場合でも、同じ市内に住んでいる相続人やその他、市区町村が判断した代表相続人に納税通知書が送付されます。あとは、相続人の間でその負担をどう配分するかについては自分達で決めなくてはならないことになります。
相続人代表者指定届とは?
相続人代表者指定届とは、不動産の持ち主が亡くなった場合に、亡くなった人の代わりに固定資産税の納税通知書を受け取る人(相続人代表者)を指定する届け出のことです。
相続人代表者となった人は、その後市町村から送られてくる固定資産税の納税通知書を受け取ることとなります。
市役所から通知が届いたら、指定されている期日までに相続人代表者指定届を提出しましょう。その市町村の窓口に直接提出するか、郵送で提出します。
相続人代表者指定届は固定資産税の納税通知書の受取人を指定するものであり、その代表者に支払いの義務は生じません。相続人代表者指定届を提出した後、翌年1月1日までに相続登記が行われた場合は登記を優先します。
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