私たち夫婦は子供がいません。2人とも死んだ場合、財産はどうなるのでしょうか?
私たち夫婦は子供がいません。夫である私が亡くなったときは妻が相続すると思いますが、2人とも死亡した場合、財産はどうなるのでしょうか?生きているうちに対策をしておいた方がよいですか?
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基本的な相続の順位
法定相続人(民法で定められた範囲の相続人)として決められた親族にはその順位がつけられています。
まず、配偶者は別格として扱われ、すべての場合において相続人となります。その他の立場の人には優先順位があり、第1順位が子供、第2順位が直系尊属(親、祖父母)、第3順位が兄弟姉妹とされています。
もし、被相続人(亡くなった人)の子供が被相続人死亡時にすでに亡くなっている場合、その子供(つまり被相続人の孫)が「代襲相続人」となります。 代襲相続人が亡くなっている場合はさらにその子供が再代襲します。
また、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子供(つまり被相続人の甥、姪)が代襲相続人となります。(兄弟姉妹の場合は代襲相続人が亡くなっていたらその子供まではいきません)
▶親等の数え方ついてはもっと詳しく知りたいかたは「親等の簡単な数え方や親族の範囲。シンプルな家系図で詳しく解説!」の記事へ子供がいない人の相続はどうなる?
お子さんがいないご夫婦で多いケースは、本人死亡時にすでに親も死亡しており、そのため、相続権が兄弟姉妹にいき、その兄弟姉妹も高齢化していて認知症等により遺産分割協議ができないというパターンです。
認知症によって意思能力を喪失した相続人が参加した遺産分割協議は無効になります。なぜなら、遺産分割協議(法律行為)をするためには意思能力が必要であって、意思能力がない方がした遺産分割協議は法律行為の効力要件を満たさないからです。
こういったケースでは成年後見人をつけるか、認知症の人が死亡するまで遺産分割を待つしかないということになりますので、結局膠着状態になることも少なくありません。
事前にできる相続対策は?
このようなことを防ぐために、お子さんがいないご夫婦につき必須ともいえるのが「公正証書遺言の作成」です。遺言書を活用すれば相続財産を渡したい親族を受取人に指定したり、親族でない人に「遺贈」することもできます。
遺言書には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」などいくつか種類がありますが、公正証書遺言がもっともおすすめです。費用はかかりますが、無効となることが少なく確実に遺言を残すことができますし、隠匿や紛失などのリスクが低いです。
遺言執行者をきちんと指定しておけば自分が亡くなった後、遺言書の内容を実現してもらうことについても心配はなくなります。もし、兄弟姉妹が法定相続人となる見込みの人は「遺留分」を気にする必要もありません。(遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に保証された一定の相続分のことです)。▶【お客様インタビュー】遺言で相続対策、遺産は配偶者優先で!
もし、「誰も」相続人がいない場合は?
さらに難しいのは「兄弟姉妹すらいない」ケースです。
夫婦のうち後に亡くなった人の相続財産については本当に「誰も」相続する人がいないので、こうなるといったん相続財産は「相続財産法人」という形になり、法律家などが「相続財産清算人(令和5年4月1日より相続財産管理人から名称変更されました)」として就任します。
そして、被相続人の債権者や特別縁故者(被相続人と一定の特別な関係にあった人)などを探す作業をして、もし見つかればそこに分配し、それらが存在しなかったり相続財産が残っていれば国庫(国)に帰属するという結論になります。
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