生命保険には節税効果があるって聞きましたが本当ですか?
質問者:S.M
保険の営業マンから「この保険に入ると相続税の節税になりますよ!」というセールストークをされたことがある人も多いのではないでしょうか。 では、どのような仕組みで、どの程度の節税効果があるのかを考えてみましょう。
相続税の課税財産を「低く見積もる」ことが重要!
相続税の計算をする際には「相続財産の評価額」がいくらと見積もられるのかが重要なポイントです。
要するに財産が高く評価されればそれに基づいて計算された税金も高くなりますので、納税する側としては極力、評価額を抑えたいわけです。評価額を抑える方法というのは現金を不動産に換える、生前贈与を少しずつ行ってコツコツ現金を減らすなどの方法もあります。
それらと並び、使い勝手の良い方法として知られているのが「生命保険による控除額を利用して評価額を減らす」というものです。
生命保険による控除枠
現在、被保険者を被相続人(亡くなった人)、受取人を法定相続人(民法で決められた相続人)とした死亡保険金については、一人あたり500万円までであれば相続財産から控除することができます。この計算方法では、法定相続人の数が多ければ多いほど節税効果が高くなるということです。 つまりその500万円に対しての相続税額が減るのですから、たとえば相続税率(課税財産に対して何%が納税額になるか)が10%の人であれば単純に考えて50万円程度の節税になるわけです(実際にはもっと複雑な計算方法になります)。
ただし、気をつけなければならないのは、節税効果を受けるために必ず「被相続人を契約者および被保険者とし」、「受取人を法定相続人にする」ということです。この点を間違えてしまうとそもそも非課税枠を使うことができませんので注意しましょう。 具体的には「一時払終身保険」が最も向いている保険商品であるといえます。
生命保険は「納税資金」としても使える
死亡保険への加入は上記のような節税効果があるだけでなく、相続税納税の際に使える現金としても大きな役割を果たします。
生命保険金というのは他の相続財産とは異なり、実際に被相続人が死亡した時に他の相続人から署名や印鑑をもらわなくても受取人だけの関与で受け取ることができますから、遺産分割協議がもめそうな場合でもすばやくもらうことができます。
相続税申告は意外と時間に余裕がなく、相続開始を知ってから10ヵ月以内に申告、納税まで済ませなければならないため、すぐに使える現金が確保できていることは相続人の立場としてはとても助かるのです。
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