相続人が必ずもらえる遺留分|計算方法と侵害された時の対処法、遺言書での注意点【弁護士監修】
相続税対策のために生前贈与を考えたり、遺言書を作成したり、相続の準備をしている方も増えています。しかし、相続のことを考えるなら、同時に遺留分についても考慮する必要があります。
遺留分とは、民法で定められた相続人が相続できる最低限の取り分のことです。法律で守られているので、相続の際に著しい不公平があった場合も、遺留分は取り返すことができます。また遺留分を請求された場合は、返金しなければいけません。
このように、相続において「遺留分」というのは決して無視できない存在です。
この記事では、遺留分について、基本的な仕組みと計算方法、遺留分侵害額請求、遺言書を用意する際に気を付けたいことなど解説しています。
この記事の監修者
2020年に海老名にしのだ法律事務所を開設。11年間にわたる相続分野の知識と経験を活かし、遺産相続のあらゆる問題解決に尽力。書籍執筆・セミナー講師実績なども多数。
目次
遺留分とは
遺留分は、被相続人が亡くなった際に、相続人が必ずもらえる取り分のことです。
残された遺族の生活と権利を保障するために定められた遺留分は、民法でしっかりと守られています。 これから終活を考えている方は、生前贈与や遺言の際に、遺留分のことを考慮しておかないと、相続人の間にトラブルを生むことになりかねません。反対に、遺産相続の際に不公平な分配があったとしても、遺留分のことをしっかりと知っておけば、不公平な相続に泣き寝入りしないでもすみます。
ひとつ間違えると相続争いなどのトラブルの引き金ともなると同時に、理不尽な遺産分配の盾ともなってくれる遺留分は、敵にすると手ごわく、味方につければ頼もしい存在と言えるでしょう。
▼今すぐ診断してみましょう▼遺留分を取り返す、遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)
最近では、相続税の対策として、生前贈与の制度を活用する人も多く、終活の一環で遺書を残す方も増えています。
生前贈与や遺書を書いて特定の相続人に資産を相続させることについては、すべて被相続人が自由に行うことができます。 例えば父親の遺書に「長男にすべての遺産をゆずる」などと、書かれていたとします。たとえ内容が著しく不公平であっても、書類に不備がなければ、遺言書は法的には有効です。
しかし、こうした遺言書は残された遺族たちにとっては争いのもととなる可能性もあります。というのも遺言の内容に関わらず、ほかの相続人にも、最低限もらえる相続分である遺留分があるからです。
上記の例でいえば、長男以外にも相続人がいた場合、自分の遺留分が侵害されたとして、侵害している相手(長男)に対し、遺留分を取り返すための請求をすることができます。これを、遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)と呼びます。
侵害額請求をされた人は、ほかの相続人に遺留分を返金しなければいけません。 つまり相続争いを避けるためには、生前贈与の際や遺言を書く際に、遺留分を最低限考慮しておかなければいけないのです。
法改正で遺留分減殺請求が遺留分侵害額請求に
遺留分侵害額請求は、かつては遺留分減殺請求と呼ばれていました。2019年7月1日の民法改正で、遺留分侵害額請求と名称を変更しています。
これに伴い、遺留分の請求、及び返済は現金に限るように改正されました。 これまでは、遺留分の請求や返済は、不動産や株券など遺産の中から行うのが原則でしたが、以降、請求も返済も現金のみに限定されるようになりました。
例えば土地をもらった相続人が遺留分を侵害していた場合、以前であれば土地の一部を譲りわたすことが原則でしたが、2019年7月1日の民法改正以降は、現金で返済することになりました。 同時に請求する側も、現金のみで請求することになります。
▼忘れている相続手続きはありませんか?▼遺留分侵害額請求できるのは?遺留分権利者について
遺留分侵害額請求ができるのは、以下の法定相続人の中でも兄弟姉妹を除いた相続人です。遺留分の保障がされている人という意味で、遺留分権利者と呼ばれます。
法定相続人とは
法定相続人
- 1.被相続人の配偶者
- 2.被相続人の子供
- 子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)。子供も孫もいる場合は、子供の方を優先します。
- 3.被相続人の直系尊属(父母や祖父母など)
- 子供がいなかった場合、父母や祖父母など、直系尊属が相続人になります。父母、祖父母もいるときは、父母の方を優先します。
- 4.被相続人の兄弟姉妹
- 子供や孫、父母や祖父母などもいなかった場合、兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供(甥、姪)が相続人となります。
上記の法定相続人の中から、4の兄弟姉妹を除いた人たちが、遺留分権利者になります。
遺留分権利者は、自身の遺留分が侵害されていた場合、侵害している側を相手取って、遺留分侵害額請求をする権利を持ちます。子である遺留分権利者が亡くなっていた場合は、代襲相続人がその権利を受け継ぎます。
なお、兄弟姉妹は遺留分権利者ではないので、兄弟姉妹に相続させたくない場合は、「兄弟姉妹には相続させない」と遺言書を書くだけで、兄弟姉妹の相続分はなくなります。
権利を施行するか否かは、遺留分権利者の自由
遺留分権利者は、遺留分を取り返す権利がありますが、その権利を行使しなければいけないという決まりはありません。つまり遺留分が侵害されていたとしても、遺留分侵害額請求をしないという選択もできます。
遺留分権利者が遺留分侵害額請求するか否かは、本人の自由なのです。 遺留分侵害額請求をしないと決めた場合は、特段やることはありません。遺留分侵害額請求には期限があるので、その期限内に請求しなければ、自動的に権利を失います。
では、実際に遺留分をめぐるトラブルにはどんなものがあるのでしょうか。よくありがちな遺留分トラブルを、遺言書編、生前贈与編に分けてご紹介します。
遺言書にかかわる遺留分のトラブル
遺言書は、必ず書かなければいけないものではありません。遺言書がなければ、遺産は民法で定められた配分で分配され、相続人が法定相続分を相続することになります。
一方、遺言書があり、それが法的に有効だと認められた場合には、民法で定められた法的相続分よりも、遺言書に書かれた遺産分配の方が優先されます。遺言書に示す遺産分配などには特に制約はなく、どんなに不公平な配分だとしても、内容に不備などがなければ、遺言書の内容は法的に認められます。
しかし、遺留分については別の角度から見ていかなければなりません。 遺留分は、相続人に必ず保障されている最低限の取り分なので、遺言書の内容がどうであれ、遺留分が侵害されている場合は、遺留分侵害額請求をすれば、相続人は遺留分を取り返すことができます。
相続人の誰かへの不公平な分配
遺言書における遺産分配のよくあるトラブルは、「長男に遺産のすべてを渡す」など、特定の相続人だけに偏った分配を指示した遺言書が残されていた場合です。遺言書の内容は相続人に知らされていないことも多く、開示されてから相続人の間に衝撃が走るケースも少なくないのです。
もちろん、どんなに不公平な遺贈でも、ほかの相続人がこれに同意すれば問題ありません。遺留分に関しては、侵害額を取り返す権利はありますが、それを行使するかどうかは当事者の自由です。仮に遺留分が侵害されていたとしても、相続人の間で許容していれば問題はありません。
しかし、不公平な遺産分配に異議を申し立てたい場合は、遺留分侵害額請求をして、侵害されていた遺留分を、侵害している側から取り返すことができます。先に挙げた一例で言うならば、すべての遺産を受け取った長男から、ほかの兄弟たちは自分たちの遺留分を返済してもらうことができます。
相続人以外の第三者への遺贈
もうひとつ、遺贈による遺留分トラブルで多いのが、籍を入れていない事実婚の相手や愛人、または病院などの施設など、相続人以外の第三者への遺贈が、相続人の遺留分を侵害しているケースです。
よくあるケースでは、事実婚の相手などに遺産を残してあげるというものが挙げられます。遺贈の意思は尊重されますが、遺留分を考慮していなかった場合、遺留分侵害額請求をされるリスクがあります。遺留分侵害額請求をされた場合は、遺贈を受け取った受遺者は、侵害している額を現金で返金しなければなりません。
また遺贈する相手は、人でなくても構いませんので、お世話になった医療法人に寄付するというケースもあります。こういったケースでも、遺留分権利者の遺留分を侵害してしまった場合は、寄付された医療法人には、相続人に遺留分を返済する義務が生じてしまいます。
厚意で行ったはずの遺贈でも、遺留分を考慮していないと、無用な相続トラブルに巻き込んでしまうことになりかねませんので、注意が必要です。
生前贈与とよくある遺留分トラブル
遺言と並んで、遺留分トラブルに発展しやすいのが、生前贈与による遺留分トラブルです。 生前贈与については、被相続人が生きているうちに、自分の意思で自由に贈与ができるため、被相続人が亡くなって、相続が開始する段階でトラブルに発展するケースもあります。
相続人の特定の誰かだけへの偏った生前贈与や、愛人などへの生前贈与についても、遺留分を侵害していた場合は、生前贈与をもらった人が遺留分を返済しなければならないケースもあります。
特手の相続人への不公平な生前贈与
住宅取得資金や教育資金、結婚・子育て資金の生前贈与については、贈与税が課税されない非課税の金額も大きく、相続税対策にも有効な手段です。
しかし、そういった生前贈与でも遺留分が侵害されてしまうケースも考えられます。 例えば、住宅取得資金で長男は3,000万円を贈与してもらったのに、次男への生前贈与はなく、相続財産が少なかった場合、次男の遺留分が侵害されている場合もあります。
次男が遺留分侵害額請求をした場合、長男が生前贈与で受け取った3,000万円は、特別受益(一部の相続人が受け取った特別な利益)とみなされ、相続財産に加算されて、遺留分が算出されます。 長男は、次男の遺留分を侵害している額を現金で返金する必要があります。
なお、特別受益に関しては、2019年7月1日の民法改正により、遺留分算定の基礎財産に含まれるのは、原則として相続開始10年前までのものに限定されるように改正されました。
相続人以外の第三者への生前贈与
また愛人や知り合いなど、相続人以外の第三者に生前贈与していたことが後日わかるケースも少なくありません。 例えば、亡くなった父親が愛人にマンションなどの不動産を贈与しており、それが相続人の遺留分を侵害していた場合は、愛人を相手取って遺留分の侵害額請求をすることもできます。
ただし、相続人でない第三者への生前贈与に遺留分侵害額請求するためには、以下2つの条件のどちらかを満たしている必要があります。
- 相続開始からさかのぼって1年以内の生前贈与であること
- 相続開始の1年以上前であっても、贈与者と受贈者(ここでいうと父親と愛人)双方が遺留分を侵害しているとわかっていた場合
つまり、たとえ遺留分を侵害されていたとしても、上記のどちらかを証明できない限りは、第三者への生前贈与に関しては遺留分侵害額請求はできません。
▼まず、どんな相続手続きが必要か診断してみましょう。▼遺留分の算出方法
遺留分は、法定相続分の1/2(場合によっては1/3)です。
まずは法定相続分を算出してから、遺留分の算出をします。相続財産が多いほど、遺留分も多くなります。
法定相続分と遺留分の違い
遺留分は、相続人の生活を最低限保障するために守られている取り分なので、法定相続分とは異なります。
法定相続分は、被相続人の相続財産を、民法で定められた配分で割った、法定相続人が相続できる取り分のことを言います。 そして遺留分に関しては、法定相続人の取り分の1/2(相続人が両親のみの場合は1/3)になります。
法定相続分と遺留分
相続人 | 法定相続分 | 総体的遺留分 | 個別的遺留分 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
子供 | 兄弟姉妹 | |||||
全部 | 1/2 | なし | なし | |||
配偶者:1/2 子:1/2 |
1/4 | なし | なし | |||
全部 | なし | なし | なし | |||
配偶者:2/3 親:1/3 |
1/3 | 1/6 | なし | |||
全部 | なし | 1/3 | なし | |||
配偶者:3/4 兄弟姉妹:1/4 |
1/2 | なし | なし |
総体的遺留分とは、遺留分全体の割合で、遺留分権利者全員の遺留分です。一方、個別的遺留分とは、各相続人の遺留分割合のことです。
遺留分算定のための財産価額を算出する
遺留分が実際にいくらになるのか調べるためには、まずは被相続人の総資産を算出する必要があります。そこに一部の相続人の人が生前に受け取った贈与などが加えられ、遺留分算定のための財産価額が算出されます。 簡単に表すと相続財産は以下のような計算式になります。
つまり、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いて総資産を割り出し、そこに特別受益を加算したものが遺留分算定のための財産価額になります。
そこから民法で定められた割合で分割して、遺留分が算出されます。
遺留分の算出をするためには、まずは総資産がいくらになるのか洗い出さなければいけません。
預貯金や不動産、株券、自動車、宝石などの収集品など、貨幣価値のあるものはすべてプラスの財産として加算されます。 そこから、借金や未払いのクレジットカードや未払いの医療費、未払いの税金などのマイナスの財産を差し引いて総資産が算出されます。
プラスの財産(一例)
- 銀行などの預貯金
- 株券や国債などの有価証券
- 土地建物などの不動産
- 自動車 ・家財道具一式
- 宝石、貴金属、骨董品などの収集品など
マイナスの財産(一例)
- 借金
- 住宅ローン
- 未払いのクレジットカードの支払い
- 未払いの税金
- 未払いの医療費など
特別受益の持ち戻し
一部の相続人が、被相続人から何かしらかの利益を享受し、それを考慮しなければ、他の相続人に対して不公平が生じると判断されたものが特別受益とみなされます。
具体的には、住宅取得資金や子育て資金などの現金や不動産などの生前贈与が特別受益の対象になります。特別受益とみなされた場合、遺留分算定のための財産価額として加算されます。 なお、生計の資本になる贈与というほど高額ではない、お年玉やお小遣いなどの少額の現金については、特別受益にはあたりません。
教育資金の贈与に関しても、その家庭の生活水準に対して適当だと判断される場合、特別受益とはみなされませんが、相続人の間で著しい不公平があった場合などに限り、特別受益として扱われることもあります。
時効の特別受益
2019年7月の民法改正により、遺留分算出の際の特別受益の加算には、相続開始10年以内になされたものという制限が設けられるようになりました。相続開始10年以上前の特別受益は原則として遺留分算定のための財産価額において加算されません。
持ち戻し免除された特別受益
生前贈与、遺贈に関わらず、被相続人から特別受益の持ち戻しの免除の意思が遺言書に記載されていた場合、持ち戻しは免除されます。 ただし、遺留分が侵害された場合は遺留分算定のための財産価額に加算されます。
遺留分侵害額請求の手順と注意事項
遺留分が侵害されていると分かった場合、遺留分権利者は遺留分侵害額請求をできる権利があります。遺留分権利者が遺留分侵害額請求をするか否かは、当事者の自由です。
遺留分侵害額請求の手順
遺留分侵害額請求のやり方については、法律などでは決められていません。ここでは、一般的なやり方を順を追ってご説明します。一筋縄ではいかないことも多く、専門知識も必要なため、すべてを弁護士に依頼することもできます。
- 1.書面で遺留分侵害額請求を作成
- 遺留分を侵害している相手に対し、遺留分侵害額請求をする旨、伝えます。口頭で伝えることもできますが、証拠を残すために、書面で遺留分侵害額請求書を作成し、内容証明付き郵便で請求するのが一般的です。その後、相手と交渉し、具体的な遺留分の返還方法を話し合います。
- 2.家庭裁判所に調停の申し立て
- 1の交渉で合意が得られない場合は、家庭裁判所にて遺留分侵害額請求の調停を申し立てます。
- 3.簡易裁判所、または地方裁判所で訴訟
- 2の調停も不成立となった場合は、訴訟によって解決する必要があります。請求金額が140万円以下なら簡易裁判所、140万円を超える場合は、地方裁判所に訴訟を起こします。
遺留分侵害額請求の時効に注意
遺留分侵害額請求については、いつでもできるわけではなく、時効があるので注意が必要です。 以下の期限の前に請求しなければ、その権利は失われます。
- 遺留分を侵害する生前贈与、遺贈を知ってから1年以内
- 相続開始から10年以内
もし、遺留分侵害額請求されたら?
もし遺留分侵害額請求をされた場合、相手の遺留分を侵害している分を、遺留分権利者に現金で返済しなければなりません。
その際、まずは請求された内容が正当なものかということを見極めることが大切です。遺留分の請求金額が正しく算出されているのか、そもそも相手は遺留分権利者なのかどうかなど、きちんと見極めなければなりません。 遺留分侵害額請求に関しては、請求する側もされる側もどちらにも専門知識が必要になってくるので、弁護士に相談するのが望ましいです。
遺留分権利者でない相続人に注意
兄弟姉妹以外の法定相続人は、遺留分権利者だと上記でご紹介しましたが、例外もあり、遺留分侵害額請求する権利のない相続人もいます。
以下、該当する人をご紹介いたします。 例えば、こちらの方々から遺留分侵害額請求をされた場合、遺留分を返済する必要はありませんので、ご注意ください。
-
- 相続欠格者
被相続人や他の相続人に対する殺人や殺人未遂、殺人予備などで有罪判決が確定した人や、被相続人の殺人を知りながら告発しなかった人、または脅迫によって遺言書を自分が優位になるように作成させた人は、相続欠格の対象になります。 相続欠格者は相続権を失っているので、遺留分もありません。ただし、相続欠格者がいてもその代襲相続人は遺留分を請求することができます。
- 相続欠格者
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- 相続廃除された人
被相続人に対して、虐待をしたり重大な侮辱を加えたり、著しい非行があったなど、正当な理由があった場合、家庭裁判所に申し立てるか、遺言書に書くことで、相続廃除できます。相続廃除された人も相続権を失っているので、遺留分もありません。 ただし、相続廃除された人がいてもその代襲相続人は遺留分を請求することができます。
- 相続廃除された人
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- 相続放棄した人
相続を放棄した人は、同時に遺留分も放棄したことになりますので、遺留分権利者ではなく、遺留分の侵害額請求をすることはできません。代襲相続人についても、遺留分権利者にはなりません。
- 相続放棄した人
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- 遺留分放棄した人
遺留分を放棄した人も、遺留分権利者ではなくなるので、遺留分の侵害額請求をすることはできません。こちらも相続放棄した人と同様、代襲相続人についても、遺留分権利者にはなりません。
- 遺留分放棄した人
相続放棄と遺留分放棄は生前にできる?
相続放棄は相続の開始後(被相続人の死亡後)でないと行うことはできませんが、遺留分の放棄は被相続人の生前に行うことも可能です。ただし、この場合、家庭裁判所の手続きが必要になります。
まとめ
遺留分は、相続人の生活や権利を保障するために守られている権利です。例えば遺留分権利者の中に「この人には相続させたくない」という人がいた場合でも、正当な理由で相続廃除などしない限り、基本的に遺留分権利者には遺留分が保障されています。そこを考慮せず、生前贈与をしたり、遺言書を作成してしまうと、相続人の間で無用なトラブルが発生しかねません。
生前贈与する場合や遺言書を作成する際には、必ず遺留分を考慮する必要があります。
また、自分が遺留分権利者で、不公平な相続で遺留分が侵害されている場合には、泣き寝入りせずに、遺留分侵害額請求をすれば、自分の最低限の取り分である遺留分は取り返すこともできるのです。 遺留分については、かなり複雑な仕組みになっているうえ、民法の改正も度々あり、情報が随時更新されています。遺留分でお困りの際には、専門家にご相談することをおすすめいたします。
▼実際に「いい相続」を利用して、専門家に相続手続きを依頼した方のインタビューはこちら
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