税理士・弁護士・行政書士・司法書士の士業ネットワークを持つ「鎌倉新書」が解説
遺産分割協議書仮払い制度
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難しければ専門家に相談を
約1ヶ月〜
行政書士
財産を受け継ぐ相続人全員
各金融機関
銀行口座の名義変更・凍結解除と相続手続きについて、基礎知識や手続きの期限・詳細などを、士業ネットワークを持つ「いい相続」が分かりやすく解説します。
被相続人の銀行口座は死亡とともに、凍結されます。その後、誰が相続するか決まれば、口座の名義を相続人名義に変更する必要があります。その手続きと必要書類などをご紹介します。
被相続人(亡くなった方)の死亡の知らせを受けて相続手続きを開始する場合、相続対象の遺産となるものは何があるのか、把握する必要があります。口座、投資信託、株券、不動産などすべてについて調べましょう。
相続は相続人が協議して誰が何をどのくらい相続するかを決め「遺産分割協議書」を作成する場合と、被相続人の遺言書に基づく場合、さらに相続人間での調停・審判に基づく場合があります。それぞれ、必要な書類が異なってきます。
相続手続きの前に、相続に関係する人々は誰なのかを調べ、相続人を確定します。そのためには被相続人の出生時から死亡まで連続した戸籍謄本を取り寄せ、謄本の内容を確認し、相続人を確定します。その上で、相続人同士でどのように遺産を分けるかを決めていきます。最終的には誰が何をどのくらいの割合で相続するかを「遺産分割協議書」として書面化します。相続手続きはこれを基に進めることになります。
また、手続きを短時間でスムーズに進めるため、様々な手続きを代表して行える「相続代表者」を選出し、協議書に記しておくとよいでしょう。
▼相続人調査、遺産分割協議書の作成は、行政書士に依頼することが可能です▼
遺産の総額を知り、相続手続きに入るには口座の残高証明書が必要です。以下の手続きで残高証明書を取得しましょう。
●口座の把握
被相続人の口座は1つとは限りません。すべての口座を調べます。
●金融機関に残高証明書発行を依頼
この手続は、口座のある支店へ出向いて行います。同系列機関の別支店でも手続きできますが、この場合、発行までの時間が長くなってしまいます。ネット銀行の場合は実店舗がありませんので、ホームページに記載された所定の受付から電話で依頼します。この手続きができるのは、相続人および遺言執行者、相続財産管理人。このうちの1名で手続きが可能です。
残高証明書の発行を依頼する時は、被相続人が死亡した日付で行います。手続きに必要な書類は以下となりますが、金融機関によりこの他にも書類が必要な場合があるので、事前に問い合わせておくとよいでしょう。
●名義人が死亡したことを証明する書類(戸籍謄本など)
●申請者と口座名義人の関係を示す書類(戸籍謄本、遺言書、審判書など)
●申請者の実印および印鑑証明
●残高証明書を取りたい口座の預金通帳、預金証書、キャッシュカード
残高証明書の発行を依頼されると金融機関は被相続人の死亡を知るので、これと同時に口座を凍結します。口座は相続人全員の共有財産となるため、勝手な入出金ができないようにするためです。凍結は、遺産分割協議書が作成され、口座の預金の相続人が決まれば解除できます。凍結解除の手続きに必要な書類は以下です。
●被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から死亡まで連続したもの)
●法定相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明
●署名・実印を押印した銀行所定の用紙
●通帳及びキャッシュカード(被相続人名義)
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口座の預貯金は名義変更だけを行い、相続人の名前で口座を残すこともできます。名義変更の手続には以下の書類が必要です。
●被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで連続したもの)
●相続人全員の戸籍謄本及び印鑑証明
●通帳、キャッシュカード(被相続人名義)
●遺産分割書、遺言書
●預金名義変更依頼書(相続人全員の署名と実印で押印したもの)
金融機関によっては相続人全員の来店を必須としているところもありますが、相続代表者を選出しておけば一人でも手続き可能です。
名義変更手続きは、すべての遺産においていつまでにしなければならないという期限はありません。ただし、相続税の申告は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告しなければなりません。
財産評価が間に合わない、相続人間で遺産分割の話し合いがまとまらないなど、10ヶ月経っても申告できないケースも起こりえるでしょう。その場合には、「概算申告」をして、いったん多めに税金を払ってあとで調整するか、「法定相続に応じて遺産を分割した」と仮定して、未分割で申告を行う方法(3年以内分割見込書の提出)で対処します。
相続手続きが遅れると、脱税とみなされペナルティが発生するので注意しましょう。
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銀行が被相続人の死亡を知った時点で口座が凍結されると説明しましたが、経済的な事情がある場合などについて、民法改正により令和元年7月1日より一定額については払戻しが可能になりました。
●家庭裁判所の判断による払戻し
相続人の間で調停や審判が申し立てられている場合は家庭裁判所へ申し立て、その審判を得ることで相続預金の全額か一部を仮取得することができます。
●家庭裁判所の判断なしでの払戻し
相続預金の口座ごとに決められた計算式による金額が払い戻しできます(ただし同一金融機関からは最大150万円が上限)。
●家庭裁判所の判断により払い戻す場合
・家庭裁判所の審判書謄本
(※審判書上確定表示がない場合には審判確定証明書も)
・払戻しを希望する相続人の印鑑証明書
●家庭裁判所を経ずに払い戻す場合
・被相続人の除籍謄本または全部事項証明書
(※いずれも出生時から死亡まで連続したもの)
・相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
・払戻しを希望する相続人の印鑑証明書
●相続や分割にあたっては、まず遺産の総額を把握しなければならない。総額を知り、相続手続きに入るには残高証明書が必要になる。
●残高証明書の発行を依頼すると口座が凍結され、預金の相続人が決まれば凍結が解除される。名義変更を行い、口座を残すこともできる。また、経済的な事情がある場合は預貯金の遺産分割前払戻しができる。
●名義変更に期限は無いが、相続税の申告には期限があるので注意が必要。また、相続のパターンや金融機関によって各種手続きに必要な書類が異なるので要確認。
銀行口座の名義変更・凍結解除と相続手続きについて解説しました。必要な書類を揃えるために役所に足を運んだり、銀行の窓口で想像以上に時間を要したりと、手続きには何かと手間がかかるもの。時間に余裕がない場合などは、手続き代行などプロの手を借りるのもひとつの手です。
銀行口座の名義変更・凍結解除と相続手続きの手続きに不安がある場合、 プロに相談することも可能です。 お困りの際は、税理士・弁護士・行政書士・司法書士の士業ネットワークを持つ 「いい相続」にぜひご相談ください。
税理士法人チェスター(https://chester-tax.com/)代表 荒巻善宏(税理士・公認会計士・行政書士)
2004年に公認会計士二次試験に合格。2008年、資産税・相続税専門の税理士法人チェスターを設立。現在は職員総数175名、全国に6拠点展開(三越前、新宿、横浜、大宮、名古屋、大阪)。年間1,000件(累計4,000件以上)を超える相続税申告実績は税理士業界でもトップクラスを誇り、中小企業オーナー、医師、地主、会社役員、資産家の顧客層を中心に、低価格で質の高い相続税申告サービスやオーダーメイドの生前対策提案、事業承継コンサルティング等を行っている。各種メディアやマスコミから取材実績やセミナー講師、テレビ出演の実績多数有り。会計事務所向けの相続税申告の支援を行う「チェスター相続ビジネスクラブ」は3,000名を超える税理士が参加している。主な著者に「相続はこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)」「税理士が本当に知りたい相続相談Q&A(清文社)」等多数。
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遺産分割協議書仮払い制度
3
約1ヶ月〜
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2
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5
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5
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