これだけはチェックしよう! 〜エンディングノートの基本情報
エンディングノートは、主にこの5つの要素に基づいて作られています。
①自分について
②財産について
③医療・介護について=「もしも」の時について
④葬儀・埋葬について
⑤相続・遺言書について
最も重要なのが③です。「もしも」の時とは、自分自身の身に何かが起こり、ままならなくなる状態になることです。つまり、自分の希望通りの意志表示をすることが困難および不可能な状態になることを指し示します。そんな時に、自分の意志をきちんと記録したものがあれば、自分だけでなく周りの人々も、心の負担を少なくして判断を下すことができるのではないでしょうか。
「もしも」の時はある日突然訪れることがありますが、非常に大切で、重い意味合いを持つのが医療と介護です。この2つを大きな柱として、これらを補い、且つ人生プラン全体をカバーするために他の項目も充実させています。
法律が関わる部分もありますが、エンディングノートには法的拘束力がなく、それが遺言書との決定的な違いです(そのため⑤の項目は、ほとんどの商品において解説欄のような構成となっています)。ですから、何度でも書き直して良いのです。一度決めた内容にこだわらず、その時その時の情報をしっかりキャッチし、自分の気持ちを冷静に見つめ、場合によっては柔軟に変更できる心持ちでいることが大切です。
自分にあったものを選ぼう! 〜人気のあるエンディングノート6選!
では、現在はどんなラインナップが展開されているのでしょうか?
以前は高齢者の方が書くというイメージが強かったエンディングノートですが、最近は様々な年齢層に向けた商品が多く出ており、スタイリッシュなもの、おしゃれなものも増えてきました。
どんなエンディングノートが、どんな人に向いているのか。特に人気のある6種類をピックアップしていきます。
◇コクヨ エンディングノート もしもの時に役立つノート B5 LES-E101◇
<B5サイズ64P・CD等ディスクケース1部付き>
5つの要素が一番バランスよく構成されているエンディングノートです。ヴィヴィッドなビタミンカラーの表紙が素敵です。
冒頭は「困った」事例3種類をそれぞれ漫画でわかりやすく解説しており、どういう時に必要になるのかをおさえた上で書くことができます。
(1)自分のこと
(2)資産
(3)気になること
(4)家族・親族
(5)友人・知人
(6)医療・介護
(7)葬儀・お墓
(8)相続・遺言
(9)その他
以上のように細かく項目化されているので、わかるところ・必要なところからコツコツ記入できるようになっています。
特別協力は法律相談ポータルサイトの弁護士ドットコム。法律に携わるプロだからこそ、必要な情報を簡潔にまとめてくれている頼もしい内容になっています。重要な項目をいくつかご紹介しましょう。
(2)資産の項目は記入欄が全て表化されており、書き込む内容が明確になっています。預貯金に関する諸情報、口座引き落としに関する情報、有価証券・その他の金融資産についての諸情報、不動産についてなど。その他の資産については絵画や美術品・貴金属、貸金庫やトランクルームなど多岐に渡った想定となっており、お金を貸している場合のこともカバーしています。借入金・ローンといった負債も「マイナスの資産」という考え方で相続の対象になるので、しっかり書き込めるようになっています。クレジットカード・電子マネーはかなりの枚数をお持ちの方が多いのではないでしょうか。手元のカードを見ながら情報を書き込んでいくだけですので、このページも是非活用してください。保険の情報も、いざという時にきちんと請求できるようにしっかり明記するようにしましょう。
この項目は、遺言書を作成する上で最も重いウエイトを占めています。実際に遺言書を作成しようと考えた場合、解説が掲載されているエンディングノートならそれを見ながら作成に取りかかれます。(8)相続・遺言の項目は、遺言書に関する情報はもちろん、依頼・相談している専門家や遺産分割に関することが書き込めるようになっています。また、相続と遺言書の基礎知識についてもイラスト入りで分かりやすく解説されていますので参考にしてみてください。
全体的に項目を網羅しているため書く分量が多いのがネックに感じるかもしれませんが、このノートはその書き心地の良さもメリットのひとつとして挙げられます。コクヨといえば、ノートをはじめとしたステーショナリーグッズの老舗です。そのため紙質の良さもこのノートの特徴の一つで、コクヨオリジナル原紙「コクヨ帳簿紙」を採用しています。この紙はしっかりとした厚みを持っていてインクがにじみにくく、しなやかなめくり心地と、万年筆でもひっかかりにくくなめらかな書き心地が魅力で、且つ長期保存に適した中性紙です。書き心地が良いと、書く分量が多くてもストレスフリーな気持ちになれるもの。是非実際に触って確かめてみてください。
このノートの大きな特徴は、エンディングノート を書く目的が家族のためであるのと同時に、自分のためでもあるということを強調している点です。
また、「もしも」の時の範囲をもっと幅広いものとして、日常生活の中で困った状況になってしまった時のことも考慮に入れて必要な情報が書き込めるようになっています。それが(3)気になることの項目。WebサイトのIDや再発行に必要な情報、自分にしかわからない宝物や収集品の保管や処分の方法について、また大事な家族の一員であるペットに関する情報(かかりつけの動物病院やペット保険・トリミング教室について、身分証・病歴・「もしも」の時のこと)などは、まさに普段の生活の中で必要とされる情報に分類されます。自分たちがトラブルなく普通の生活を送るためのものとしても使える、まさにタイトルにあるLIVING & ENDING NOTEBOOKです。
これ一冊があれば、「もしも」の時もそうでない時も安心して過ごすことができる、まさにエンディングノートのお手本にして決定版です。
◇アクティブノート あなたの人生を前向きにサポートする3冊のノート◇
<A4サイズ。【緑】のノートは21P【赤】のノートは見開きタイプ【黄】のノートは11P・同サイズ・マチ5mmのフォルダー付き・B5サイズ24Pの書き方ガイドブック付き>
終活を支援するエンディングデザイン・コンサルタントのオフィス・シバタがプロデュースしたエンディングノートです。ご紹介したエンディングノートの中で、唯一項目別に分冊されており、これが大きな特徴になっています。
ノートはそれぞれ【緑】【赤】【黄】に別れており、それぞれ注意書きと内容が以下の通りとなっています。
【緑】のノート
「○○へ、生きているうちに見てください 今後の人生の希望が書いてあります」
私のこと、葬儀について、お墓について、私の死後の諸手続き、今後の私の希望
【赤】
「救急隊の方へ 私の「意識がない」状態を発見した方は中を見てください」
身分証明、緊急連絡先(事務委任、財産管理契約、後見契約、死後事務委任契約に関する情報)、医学的諸情報、各種意思表示
【黄】
「死後に必要な整理のこと、人への想いが書いてあります 判断能力の低下時、または死後に見てください 保管と執行人は○○様にお願いをしてあります」
財産について、資産一覧、相続について、自分や大切な人々へ伝えたい言葉
それぞれ必要になるタイミングに合わせて項目を分けているため、①自分についてと④葬儀・埋葬についての項目が同じカテゴリーに入っています。また、万が一の不測の事態を想定した作りとなっているため、家族がいなくても第三者にきちんと内容が伝わるように、特に生死に直接関わる【赤】のノートは他の商品に比べて具体的に、かつ自分の希望をしっかりと書けるようになっています。尊厳死、献体、臓器提供、アイバンクについての説明や相談窓口なども記載されており丁寧に作られています。
また【緑】のノートには、負担が大きい介護に関する情報も細かく書かれています。特に注目したいのが、「判断能力が低下したとき」に後見契約を決めておくという選択肢が書かれている点です。ひとり暮らしをしていたり身近に頼れる人がいない場合、判断能力が低下したときのために後見人を決めておくのはとても重要です。後見契約について詳細な情報が書かれており、自分に万が一のことが起こった場合の手段として知っておくべき内容です。
さらにガイドブックには要介護認定の申請から介護サービス利用開始までの流れ、自分自身の判断能力が低下した時の法的手続きの種類や詳細、葬儀について、お墓(埋葬方法)の多様な種類、必要に応じたお墓の引っ越しや墓じまいの方法についても触れられています。
【黄】のノートは資産一般について、遺言・相続に絡めて解説されています。とは言っても単純に現在保有している不動産や保険・株、カードや銀行などの諸情報を洗い出すだけではなく、その資産をもとに老後・死ぬまでにどういう生き方ができるかという、自分が希望する未来を展望するためのものとして考えるべきという内容になっています。ガイドブックには平成28年度データの高齢者所帯の平均生活費の詳細が記されていますが、これは他のエンディングノートにはない情報です。
希望に近い老後を送るために、ひとりでいるときに万が一のことがあっても、きちんと手続きを踏めるような準備をしたいという、独身・独居の方向けの自立したノートとなっています。
商品名になっている「アクティブ」には、希望する未来に近づくためにアクティブになりましょうという意味が込められています。その意味では、この3冊のノートは死に対して非常に実用的であるのと同時に、生きたノートとなるような願いが込められているのです。
*こんな人にぴったり・CASE.1*
柿本優子さん、65才、女性。主婦。現在1人暮らし。
3年前に、5才年上の夫を2年間の介護の後に看取りました。成人した子どもが2人いますが、長女は夫の仕事の関係で家族3人でアメリカ在住中、長男一家は3駅隣に住んでいます。長男の嫁との仲は良好ですが、キャリアウーマンのためなかなか「もしも」の時のことのような深い話がなかなか進められずモヤモヤしていました。夫は定年を迎えて間も無く倒れてしまい、しっかりと話をする時間が持てないまま意思の確認をとることが難しい状態になってしまったことが後悔の気持ちとして残っていたのです。
自分も夫のようにいつ何が起こるかわからない。長男家族もすぐに駆けつけられる距離ではない。色々と考えた結果、万が一のことを考えて、家族が間に合わなくてもきちんと自分の意思を伝えられるような「アクティブノート」を購入しました。
◇レイメイ藤井 システム手帳 MY Life Binder A5 ワイン MLB580Z◇
<A5サイズ6穴のリフィル56枚・同サイズ書き方ガイドブック43P付き・同サイズガイドプロテクター2枚付き・バインダーにはカードポケット2箇所とフォト・ポストカードポケット1箇所・大型ポケット1箇所とペンホルダー付き>
シックな赤ワイン色の合皮カバーが美しいリフィル手帳タイプのエンディングノートです。
行政書士の方が、自分の実体験をもとに作成したエンディングノートを基に企画・商品化されたもので、知りたい情報や必要なものが一目でわかる作りになっています。
項目は全部で4つ。それぞれにリフィルが付いていてわかりやすいヴィジュアルです。
(1)自分自身のこと
(私のこと(基本情報)、転居歴、経歴・職歴、資格、不動産、借地権、賃借権、預貯金、クレジットカード、保険、公的年金、有価証券、ゴルフ会員権、自動車、負債、生活費の支払い、健康管理(既往歴)、健康管理(アレルギー)、ペット)
(2)親族・友人・知人の連絡先
(親族・友人・知人の連絡先、家系図(配偶者の親兄弟/子供)、家系図(自分の親兄弟))
(3)「もしも」の時のために
(4)親族・友人・知人の連絡先、メッセージ
それぞれ内容が具体的に細分化されていますが、チェック式の解答欄の選択肢は3つ以内で、シンプルに作られており見やすいヴィジュアルです。全ページの裏面がメモ欄になっているので、各ページごとに足りないことを補足して記入することができます。
また、リフィルが足りなくなった際は各項目ごとに別途購入が可能です。もちろん、各順番も自分の使いやすいようにいつでも入れ替えることができますし、不要なリフィルは外してしまっても構いません。
特に「資産」に関する情報は個人差が出やすいため、通常のエンディングノートの内容ですと過不足が発生してしまいます。リフィルで必要な情報だけを保存すれば、後から確認する家族の負担も軽減されるのではないでしょうか。
このエンディングノートは紹介している商品の中で唯一のバインダー式のもので、パッと見た感じではこれがエンディングノートだとはわかりません。エンディングノートを書いていると周りに気づかれたくない方にオススメです。カフェでお茶をしながら書くというような身近でカジュアルな使い方もしやすいと思います。
付録の書き方ガイドブックは43ページもあり、各リフィルごとに記入例が設けれらています。どの欄に何をどう書くのかとても丁寧に書かれているので、初めてエンディングノートを書く方でも分かりやすく書きやすい内容になっています。
このノートの目的は、所有財産の特定です。自分が希望する親族、希望する財産を相続させたいと思った場合、財産情報を正確に特定することは非常に重要です。仮に「自筆証書遺言」という弁護士を介さずに自分ひとりのみで書く遺言書書式を選んだ場合、財産内容に不備があれば法的効力がなくなってしまい、希望通りの相続を行うことができなくなってしまう可能性があります。
時間と余裕を持って正確な遺言書を書くために、1枚ずつきちんとした情報を記入するようにしましょう。
すでに遺言書を作るという意志を持っており、且つ相続対策としてのエンディングノートの必要性を理解した高いモチベーションを持った方向きの商品です。遺言書や相続に関する基礎知識を持った方であるということを想定しているためか、ガイドブック内で相続に関する説明は1Pのみであるのに対し、財産に関する内容は15Pも割かれています。
*こんな人にぴったり・CASE.2*
橋下雄太さん、52才、男性。サラリーマン。妻と2人の息子(中学生と高校生)の4人暮らし。3人兄弟の下、兄2人は家族揃って健在です。
昨年父を亡くした際、遺産相続手続きを進めようとしましたが必要な情報がわからず、他の兄弟も把握していなかったため手続きが難航したのをきっかけに、自分の時は早めに遺言書を作ろうと決意しました。遺言書を作るのに必要な情報を効率的に整理するために、資産情報に特化した「My Life Binder」を購入しました。現役で働くサラリーマンなので、空いた時間でコツコツ書けるリフィルタイプが性に合っていたようで、現在着々と書き進めており、年内には念願の遺言書作成に着手できそうです。
◇未来を見つめるエンディングノート◇
<A4サイズ79P・ソフトビニールカバー付き・西村怜子氏イラストのノートマーカー付き>
スタイリッシュなライフスタイルを発信し続けている著名なイラストレーター西村怜子氏プロデュースのエンディングノートです。若草色のツーピースを着て花束を持ち、猫とソファでリラックスする女性のイラストが目を引く表紙です。
ところどころ、他のエンディングノートにはない独自の項目がありますのでご紹介します。
・好きなこと:「もし介護されることになった際にあると助かる情報」として設けられています。
(好きな食べ物・飲み物、苦手な食べ物・飲み物、好きな花・歌・音楽・色・香り・テレビ番組・ラジオ番組・動物・本・映画・有名人・場所・その他)
・親族一覧および友人・知人一覧の記入欄に「連絡してほしい「もしも」の時:入院・危篤・通夜・葬儀・知らせない・その他」という選択肢があります。
・親族の命日について書く欄があります。
・冠婚葬祭の記録を書く欄があります。祝儀・不祝儀の金額が書き込めるようになっていて便利です。
これらはまさに、主婦の目線で、これまでの人生で「あれば便利だった」と思う情報です。
一見優先順位が低そうな項目ではありますが、あれば大いに助かる、まさに痒い所に手が届く情報です。女性ならでは細かい目配りを感じることができます。
さて、表紙はとてもおしゃれなエンディングノートですが、内容自体はかなり具体的・詳細に作られています。
特に充実しているのは「医療・介護」「葬儀・お墓」「相続・遺言」に関する欄、いわゆる「もしも」の時のための情報です。
「医療」では尊厳死・延命治療・臓器提供・献体、「介護」では介護サービス関係・地域包括支援センター・後見人・任意後見制度、「葬儀」では家族葬・直葬・価格やプランについて、「お墓」では埋葬方法として永代供養墓・散骨・樹木葬・建墓費用、「相続」では遺産相続に関する範囲と順序・法定相続に関すること、「遺言」では遺言書に関する知識・遺留分や遺言信仰者について・遺言書の作成例といったきめ細かい内容になっています。
女性として、「もしも」の時に最も必要であろう部分に力を入れた構成になっていますが、逆に言えば、これらの項目が最も大変で煩わしさを伴うことが多いということです。
家族間で問題を抱えていたり、ご自身が急に病気を患ったりしてしまったとき、最も必要な情報を書き留めておけるノートです。
*こんな人にぴったり・CASE.3*
加藤幸恵さん、42才、女性。主婦。夫と小学生の長女・長男の4人暮らし。数年前から犬1頭を飼っています。
先月健康診断の結果を受けて急遽入院を余儀なくされました。約1ヶ月の間入院していましたが、その間ほぼ毎日夫から連絡がきて気の休まる日がありませんでした。公共料金の支払いや子供の病院について、予約していたペットトリマーについてなど、とにかく日常生活に関わる事細かな情報は全て幸恵さんが把握していたためです。今後も何かあった時のためにしっかり情報共有しておく必要性を痛感し、夫と相談してエンディングノートを購入しました。幸恵さんの好きな西村怜子さんのエンディングノートが出ているということで迷わず購入しましたが、内容が想像以上に充実しており、毎晩ワクワクしながら少しずつ書き進めています。
◇夢をかなえるエンディングノート(女性版)◇
<A4サイズ45Pのエンディングノートと、見開きタイプのフォトフォルダー1部のセット>
ワインレッドのエンディングノートとピンクのフォトフォルダーが女性版、ブルーグレーのエンディングノートとネイビーのフォトフォルダーが男性版です。
イラスト入りで全てフリースペースとなっており、文章だけでなくイラストなども交えて日記帳のような感覚で書き込めるようになっています。ノートのうちの半分は①自分について書く構成になっていて、自分の夢や自分史、大切な家族や友人たちへのメッセージブックのようなつくりです。
保険やクレジットカードの諸情報、介護や意思確認に関することなど事細かな情報が必要な項目に関しては具体的な解説や記入欄がないので、覚書の感覚で書き込むのが良いのでは思われます。
フォトフォルダーには引き伸ばした写真と、大切なことやメッセージを書いた手紙を入れるポケットがあります。
このノートはエンディングノートというより、エンディングノートを書くための下書き・準備のために使うノートといった印象です。なんとなくエンディングノートに興味を持って「書いてみようかな」と思ってみたものの、イメージがぼんやりとしていたり、いますぐに書かなければいけないという必要性も高くない、気持ちにゆとりのある方がひとまず書き始めるのに良いのではないかと思います。
*こんな人にぴったり・CASE.4*
加賀明美さん、70才、女性。元大学教授。独身。
勤めていた大学を定年退職したばかりの元キャリアウーマンです。近所に妹夫婦が住んでおり、よく一緒に食事をしたりします。両親はともに90才を超えていますがまだまだ元気に暮らしています。身内の人間がみんな健康で常に働いている人ばかりだったので、特に終活のことを考えることなくここまできましたが、仕事を退職したのをきっかけに少しずつ準備をした方が良いのではないかと思うようになりました。まずは試しにと、この「夢をかなえるエンディングノート」を購入。もともと絵を描くのが好きだったこともあり気楽に書いていましたが、だんだんさらに突き詰めて書きたい箇所が増えてきたので、書いた内容を基に書き進められるようなノートを探しています。
◇EDiTの「ライフログノート」◇
<A4サイズ95P・透明フィルムカバー付き・同サイズ48PのDATE NOTEBOOK付き>
こちらは非常にシンプルでスタイリッシュなエンディングノートです。落ち着いたサーモンピンクの厚手の表紙に、控えめな金の「LIFELOG」の箔押し文字。中身を見ると、まるでビジネスマンの手帳や、会社で使われるホワイトボードを連想させます。良い意味でエンディングノートらしくない仕様になっていて、若い世代の方が始めやすいと感じるのではないでしょうか。
このノートの帯文が非常にユニークなので、抜粋してご紹介します
・人生の折り返し地点で「書く」
・40代からはじめるエンディングノート
・預貯金の整理から、未来年表作りまで。
半生を“棚卸し”して“こうしたい”を見つけるための、
10年かけてゆっくりつづる、人生ノートです。
エンディングノートの中でも①自分についての部分に特化した珍しいタイプです。プロフィール欄もユニークなデザインになっていて、円グラフ状に書き込む「ライフバランス表」、自分の人生のタイムラインと日本・世界のニュース・出来事を対応させて書き込む「年代史」のページ、つながりのある人々をネットワークマップにして書き込む「リンク」。連絡先一覧には家族・親戚・友人だけでなく仕事仲間について書く欄があり、これは他のエンディングノートにはありません。まさにビジネスマン的視点で作られたエンディングノートです。
日本と世界の白地図があるのもこの商品の特徴で、旅行好きな方や仕事柄出張が多い方なら充実した書き込みができそうな面白いページです。
自分がこれまでの人生で公私ともに経験してきた様々なことを振り返り、記録をする、「書く」ことが好きな人向けのノートと言えます。ガイドラインもシンプルで控えめな色味になっているので、イラストやコラージュを交えた自由な書き方ができそうです。
また、いわゆるエンディングノートとしての機能「資産」「介護」「葬儀」に関する内容は、付属のDATE NOTEBOOKにまとめられています。この3項目は基本的なエンディングノートの水準レベルの内容になっています。何よりこれらは、個人情報や資産情報と言った最も知られたくない内容のものばかりです。個別になっていることで管理しやすくなり、人目に触れることなく書き込むことができるのは大きなメリットであると言えます。
エンディングノートを書く上でよく問題になっているのがセキュリティに関する分野で、特に保管の仕方は重要です。せっかく時間をかけて書き続けたエンディングノートが外部の人に見られてしまったら本末転倒です。重要な情報が多いものを別冊にして保管できるのは安心です。
*こんな人にぴったり・CASE.5*
上田光一さん、38才、男性。サラリーマン。妻と小学生の息子との3人暮らしです。
今年に入り、よく面倒を見てくれた10才年上の職場の上司と、同い年の親友を病気で立て続けに亡くし、自分の人生を振り返ってみたいが良いのではと思い終活を意識し始めました。
仕事の延長感覚で取り組めそうだと思い、ライフログノートを購入しました。実際に書き始めると、仕事に関する欄が多かったからか思ったよりも筆が進んでいます。特に白地図のページは、亡くなった友人と学生時代に旅行をした思い出を書き込むことができ、自分の気持ちにひと区切りをつけるのにとても役立ちました。
未来年表の欄に書き込める思い出に親友や上司はいませんが、充実した自分の人生を書き込めるよう、意識そのものも少しずつ変わってきています。
自分にぴったりなエンディングノートで終活をスタートしよう!
現在出版されているエンディングノートの中でも人気のある5種類を紹介してきました。内容はおおむね共通していますが、書く人のバックグラウンドによってどのノートが向いているのかはかなり大きな違いがあることがわかりました。
家庭環境や自分の現在の気持ち、好み、後に残す家族のことを想像すれば、必然的に自分が求めるエンディングノートの形が見えてきます。
自分のために、家族のためにどんなエンディングノートを残すべきか。人気のあるものを中心に、ぜひ自分に合ったものを選んでくださいね。